公務員試験お役立ちメモ
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2002年05月16日(木) 民法メモ3

Aが自己所有の建物をBに譲渡する場合、この建物の所有権は、Aがこの建物を売り渡す意思を表示し、Bがこれを買い受ける良しを表示した時に移転する。
法律行為に基づく物権変動の効果は、意思表示の時に効力を生じる(民法176条)。この立場を意思主義と言う。登記は対抗要件(177条)である。


家屋の賃借人が家主の承諾を得て増築を行なった場合に、増築部分に本体からの独立性が認められない場合、賃借人には増築部分の所有権は認められない。
家主の承諾を得て増築を行なった場合には、その増築部分の所有権は借家人が留保する(民法242条但書)。ただし、その増築部分に独立性が認められない場合(強い附合)には、242条但書の適用はなく、家屋の所有権に吸収される(最判昭44・7・25)。


AがBに対してA所有の土地を売り渡した事例について。登記がまだAにある間に、Aが単にこの事情を知っているだけのCに同一の土地を譲渡し、移転登記も済ませた場合は、Bはもはやこの土地の所有権を取得することはできない。
民法177条の第三者は善意である必要はないというのが判例である(大判明38・10・20)。単なる悪意者は自由競争の範囲内にあると考えられているのである。


甲所有の土地をAとBが共同相続した場合において、Bがこの土地を単独相続したものと偽ってCに譲渡したときは、Aは登記なくして自己の相続分をCに対抗することができる。
BはAの持分については処分権限を有しないので、この部分についてはCはまったくの無権利者である。したがって、Aは登記なくしてCに自己の持分を対抗することができる(最判昭38・2・22)。


BがAから詐欺によって土地を手に入れ、これを悪意のCに転売して登記を移転してしまった場合でも、詐欺に気がついたAは取消権を行使すれば土地の返還を求めることができる。
Aは転売後に詐欺に気がついているので、Cは取消前の第三者となり、民法96条3項の問題となる。しかし、Cは悪意者なので96条3項の保護を受けられない。したがって、AはCに取消を対抗できる。


Aが死亡し、その子BおよびCの2人が相続人となった事例で、B・Cが相続財産たる土地をDに売却した場合、Aの生前に当該土地を買い受けていたEは、たとえDがEの買い受けの事実を知っていたとしても、当該土地についての事故の所有権を登記なくしてDに対抗することはできない。
B・Cは相続により被相続人Aの地位を包括的に承継するから、Aの生前にAより土地を買い受けたEと、B・Cからさらに土地を買い受けたDとは、二重譲渡の場合における第一譲受人と第二譲受人の関係になる。したがって、DはEが背信的悪意者にあたらないかぎり、登記なくして自己の所有権を対抗することができない(最判昭32・9・19)。


即時取得は、取得者が占有改定によって占有を取得した場合には成立しない。
即時取得(民法192条)。現実の引渡し(182条1項)に限らず、簡易の引渡し(182条2項)・指図による占有移転(184条)による即時取得も認められてはいるが、占有改定(183条)によっては成立しないとするのが判例である(最判昭35・2・11)。占有改定とは、たとえばAがBから物を買ったが、そのままBに物を預けておくような場合である。
即時取得の要件として、1・動産、2・前主の無権利、3・取引による取得、4・取引者の平穏・公然・善意無過失、5・占有取得。効果としての原始取得。



A所有のテレビを預かっているBが、代理権がないのにもかかわらずAの代理人と称してCにこれを譲渡した場合、Bが無権限であることにつきCが善意・無過失であったとしても、Cはこのテレビを即時取得しない。
取引の相手方Bが無権代理人の場合には有効な取引行為がないから、即時取得は成立しない。即時取得は無権代理行為を治癒するものではない。


占有権は、物を現実に支配する者に認められる権利であるが、その移転には必ずしも物の現実的な受け渡しを必要としない場合もある。
占有の移転には、現実の引渡し(民法182条1項)のほか、簡易の引渡し(182条2項)・占有改定(183条)・指図による占有移転(184条)がある。簡易の引渡し、占有改定、指図による占有移転は、占有移転の合意だけで外形的変動なくして占有権が移転する。
占有権(180条〜205条)の特色としては、1・本権とは無関係に保護される権利である。2・所持+自己のためにする意思で成り立つ。3・観念的な支配も認められる。



BはA所有の自動車を窃取して占有していたが、さらにCがこの自動車をBから窃取した場合は、Bは占有回収の訴えを提起することができる。
占有権者は、占有者が占有することのできる法律上の権利(本権)を有するか否かに関係無く、事実としての占有そのものに基づいて認められるため、他人の動産を窃取した者であっても、占有訴権を有する。
占有訴権(民法197条〜202条)については、1・占有保持の訴(198条:妨害排除請求権に対応する)、2・占有保全の訴(199条:返還請求権に対応する)、3・占有回収の訴(200条:返還請求権に対応する)という3つの類型、および本権との関係。



A所有の土地とその相隣者B所有の土地の境界線上にある囲いや塀は、ABの共有物と推定される。
境界線上に設けた界標・囲障・障壁・溝渠は、相隣者の共有に属すると推定される(民法229条)


A・Bが土地を共有している場合において、AがBの同意を得ることなく自己の持分を第三者Cに譲渡しても、Bはこの売買契約の効力を否定することはできない。
持分権は所有権の本質(民法206条)を有するため、名文の規定はないものの各共有者は自己の持分を自由に処分することができる。