公務員試験お役立ちメモ
ここはあくまで管理人マサの個人的なメモであり、その内容の正確さは保障できません。


2002年05月15日(水) 民法メモ2

AからA所有の不動産を売却する旨の代理権を授与されたBは、当該売買契約の相手方である買主Cの代理人となることはできない。
同一の法律行為につき、当事者双方の代理人になること(双方代理)は原則としてできない(民法108条本文)。本人の利益を保護するためである。


代理人が適法に復代理人を選任した場合でも、代理人自身の代理権が消滅した場合は、復代理人の代理権も消滅する。
復代理人は、代理人の代理権を基礎とするため、代理人について代理権が消滅した場合は、復代理権も消滅する。


無権代理によって締結された契約の相手方がなした催告に対して本人が確答期間を過ぎても確答しなかった場合は、追認を拒絶したものとみなされる。
本人にとっては本来効果が帰属するいわれはないので、確答がなければ追認拒絶とみなされる(民法114条)。


代理権消滅後に、代理人であった者がかつて存在した代理権の範囲を越えて代理行為をした場合であっても、表見代理の成立が認められる場合がある。
上記のような場合には、民法110条と112条の重畳的適用による表見代理の成立が認められる場合がある(大判昭19・12・22)。


本人が代理人に対して債務を負う場合、代理人が本人を代理して弁済期の到来したその債務の履行行為を行なうことは禁止されていない。
本人・代理人間の契約を、代理人が本人に代理して締結すること(自己契約)は、原則として禁止される(民法108条)。ただし、単なる債務の履行については除外される(同但書)。また、この但書の既定は本人に損害を与えるおそれのない行為(たとえば、代理人から本人への贈与)にも拡張して解されている。


甲が代理権なくして乙の代理人として法律行為を行なった後、甲乙間において単独相続がなされた事例について、甲が乙を単独相続した場合、甲は無権代理行為の追認を拒絶することができない。
無権代理人(甲)が本人(乙)を相続した場合、甲は追認拒絶をすることができない(最判昭40・6・18)。


強迫によりなした意思表示は取り消すことができるが、強迫が止んだ後にその行為を追認した場合は、その行為は確定的に有効なものになる。
取り消しうべき行為は一応有効であるが、追認権者の追認によって当該行為は確定的に有効なものになる。
<参考>
無効=当初から当然に効果が生じない。意思無能力・公序良俗違反・強行法規違
     反・錯誤・通謀虚偽表示等。
取消=取消権者の「取消」の意思表示により、作為の時に遡って無効となる。取り
     消されるまでは一応有効。作為無能力・詐欺・強迫等。



法律行為に期限が付されている場合でも、債務者が担保を毀滅しまたは減少したときは、債務者は即時の履行を免れない。
債務者は、担保を毀滅し、または減少したときは期限の利益を失う(民法137条2号)。したがって、即時の履行を免れない。


法人は根本規則記載の目的の範囲内において権利能力を有するが、この「目的」は緩やかに解されており、とくに営利法人については、客観的に目的遂行に必要な事項であれば足りる。
最大判昭45・6・24は上記のように述べた上、会社の政治献金は会社の目的の範囲内に含まれるとした。これに対して非営利法人の場合は、「法人としての活動上必要な行為」とされ(最判昭44・4・3)、営利法人に比べ若干限定的に解されている。


法人の理事が行なった不法行為につき法人が民法44条1項の不法行為責任を負う場合にも、当該理事は個人としての不法行為責任を免れず、法人と連帯してその損害を賠償する責任を負う。
44条1項により法人が不法行為責任を負うのは、理事の行為が法人自身の行為と観念されるからである。しかし、理事の行為には自然人として、の理事個人の行為としての側面もあるのだから、理事個人の不法行為責任もまた成立し、法人と連帯して責任を負う(大判昭7・5・27)。


権利能力なき社団は、社団の実質を有するものではあるが、社団法人と誤認させるような名称を付することはできない。
社団法人でない団体は、社団法人と誤認させるような名称を付することは許されない(民法34条の2)。社団の実質を有すると言っても社団法人と同一視は出来ない以上、それと誤認させる名称を認めれば、一般公衆の信頼を損ねるからである。


多数の会員を擁し長い歴史を有するが、法人格は取得していないA学術団体(代表者B)が事務所としてマンションの一室を購入した場合、その登記はA団体の名でおこなうことはできないので、Bら会員の個人名義でおこなうことになる。
不動産登記に関しては、判例は権利能力なき社団の名義による登記を認めず(最判昭47・6・2)、代表者の肩書を付した個人名の登記も認められていない。代表者の個人に信託する形で個人名により登記をおこなうほかはない。


時効の効果は、時効機間の起算日に遡って生ずる。
民法144条。時効期間中の権利関係の争いを防ぐためである。


AがBに対して負っている金銭債務のために自己所有の不動産に抵当権を設定したCは、当該債務の消滅時効を援用することができる。
上記のCはいわゆる物上保証人とよばれるが、判例は、このような者も「直接に時効の利益を受ける者」にあたり、時効の援用権者に含まれると解している(最判昭42・10・27)。


物上保証人が被担保債権について消滅時効の援用をなした場合、当該物上保証人は担保権の負担を免れるが、債務者は当然に債務の負担を免れるわけではない。
物上保証人も、被担保債権についての消滅時効の援用をなしうる。しかし、援用の効果は相対的であり、援用をおこなった者にしか認められない(大判大8・6・24)。したがって、物上保証人が援用をおこなっても、債務者自身は自ら援用を行なわない限り債務を免れるものではない。


被保佐人が時効中断事由としての承認をするには、保佐人の同意を要しない。
承認はたんに相手方の権利を認める行為にすぎないから、処分の能力または権限を必要としない(民法156条)。したがって、被保佐人も保佐人の同意なしにすることができる(大判昭7・10・9)。しかし、制限能力者のうち成年後見人・未成年者は「管理能力」を欠くので3、単独では確定的に有効な承認をなしえない。


所有権に基づいて不動産を長期にわたって占有している者であっても、その登記を経由していないために、所有権取得の立証が困難であったり、または所有権の取得を第三者に対抗することが出来ないなどの場合は、取得時効による権利取得を主張することもできる。
民法162条の文言には「他人の」という要件があるが、上記のような場合には、自己の物についても取得時効を主張することができるとするのが判例である(最判昭42・7・21)。


自己所有の土地を長期間にわたって使用せずに放置していたとしても、この土地の所有権が消滅時効にかかることはない。
取得時効の反射的効果として所有権を失うことはあるが、消滅時効によって所有権を失うことはない(民法167条2項)。