公務員試験お役立ちメモ
ここはあくまで管理人マサの個人的なメモであり、その内容の正確さは保障できません。


2002年05月14日(火) 民法メモ1

失踪宣告を受けた者も、権利能力を喪失するわけではない。
失踪宣告を受けた者が死亡したとみなされる(民法31条)のは、旧来の住所における法律関係を清算するためであって、本人が生存している場合にはその権利能力を奪うものではない。


新たな成年後見人制度は、従来浪費者が準禁治産の対象とされていたのを改め、精神上の障害により十分な判断をなしえない者に対する法的保護の制度としての性格が明確にされた。
新制度では、被補佐人について「浪費者」が対象者から除外され、「精神上の障害により事理弁識能力が著しく不十分な者に限定された(民法11条)。これにより成年後見人制度では精神上の障害のあることが共通の要件とされ(成年後見人につき7条、補助人につき14条)、上述のような制度として性格が明確にされた。


未成年者は、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産については、その目的の範囲内であれば、随意にこれを処分することができる。
民法5条前段がこの旨を規定している。例えば、親権者が学費として渡した金銭は、「勉学費用」という目的に適う範囲で未成年者が随意に処分でき、当該処分行為は有効となる。さらに、法定代理人が目的を定めずに処分を許した財産については、未成年者がまったく任意に処分することができる(5条後段)。


被保佐人が保佐人の同意なしに行なった不動産の売買契約は取り消す事ができるが、保佐人はこれを追認することもできる。
被保佐人が保佐人の同意なしに行なった不動産の売買契約は取り消し可能(民法12条1項3号)。そして、従来は保佐人の取消権・追認権は認められていなかった。(追認については「事後的同意」として実質的に認められたが)が、平成11年の改正により、保佐人にも取消権および追認権が認められることになった(120条、122条)。したがって、保佐人は被保佐人の行為を追認することができる。


未成年者が年齢を偽り成年者と見せかけて自動車の売買契約を締結した場合、当該法律行為は詐術によるものであるから、もはや取り消すことはできない。
制限能力者が能力者と偽って法律行為を行なった場合には「詐術」によるものとして、取消権は否定される(民法20条)。未成年者が年齢を偽って成年者と見せかけるのはこれに該当する。


失踪宣告が取り消された場合、相続人となった者が宣告の取消前に善意で財産を処分した場合であっても、その相手方が悪意であれば、先刻の取消により当該処分行為は効力を失う。
失踪宣告によって相続人等となった者は、宣告の取消によって権利を失うことになり、宣告によって得た財産を売却等処分していれば、その処分行為は本来無効になる。しかし、法は取引の安全を考慮し、失踪者の生存等について、善意でなされた処分行為は効力を失わないものとした(民法32条1項)。ただし、ここでいう「善意」とは、契約当事者双方が善意であることを指す(大判昭13・2・7)。したがって、処分行為者が善意でも相手方が悪意であれば本条項は適用されず、処分は無効となる。


債務の免除は法律行為である。
債務免除(民法519条)は、債権者の意思表示によって債務を消滅させる単独行為である。


AがBに対して、履行する意思が無いにもかかわらず自己所有の土地をBに売却する旨の意思表示をした場合であっても、Aの意思表示は原則として有効である。
意思表示は、表意者がその真意に基づかないことをしっていながらしたとき(心裡留保)でも、原則として有効である(民法93条本文)。法は表示に従って一応有効としたのである。


表意者が真意でないことを知りながらなした意思表示は、相手方がそのことを知りうべきときは有効である。
心裡留保に該当する。これは相手方が知り、または知りうべき(悪意・有過失)ときは無効となる(民法93条但書)。このような場合にまで、意思表示を有効として取引の安全を図る必要はないからである。


AがBに対してA所有の建物を賃貸する旨の意思表示をした場合、この意思表示の要素に錯誤があったとしても、この意思表示をなすにつきAに重大な過失があった場合は、AはBに対して意思表示の無効を主張することができない。
表意者Aに重大な過失があった場合は、A自身は錯誤無効を主張することができない(民法95条但書)。なお、この場合A以外の相手方Bおよび第三者も錯誤無効を主張できなくなる。


売主甲が買主乙と、甲所有の不動産を乙に売り渡す旨の売買契約を結んだ。この事例で、乙は、甲が本当に売る気が無いのを知っていたが、知らないふりをして買い受けた場合、甲は乙に対し意思表示の無効を主張することができる。
甲は売る気がないのに契約をしているので心裡留保にあたるが、乙が甲の内心を知っている以上、甲は意思表示の無効を主張できる(民法93条但書)。この場合に、意思表示を有効として乙を保護する必要がないからである。


甲が、自己の土地につき登記を息子乙名義にしておいたところ、乙がこれを勝手に第三者丙に売却し、移転登記も済ませた。この場合に、丙は、土地が乙の所有でないことにつき善意であれば、土地所有権を取得する余地がある。
甲乙間には通謀虚偽表示が存在するわけではないが、甲は自ら乙が所有者であるような外観を作り出しているので、兵が善意であれば民法94条2項の類推適用が認められる場合がある(最判昭45・7・24)。