公務員試験お役立ちメモ
ここはあくまで管理人マサの個人的なメモであり、その内容の正確さは保障できません。


2002年06月09日(日) 行政法メモ3

土地区画整理事業計画における決定は、具体的に私人の権利を最終的に決定するものではないので行政処分ではない。
土地区画整理事業計画は事業の青写真にすぎず、公告されても、直接、特定個人に向けられた具体的処分がなされたものとは言えないので行政処分ではないとする(最大判昭41・2・23)。


関税定率法21条3項に基づく税関長の通知は、この通知により、適法に輸入できなくなる法律上の効果を生じるので、処分性が認められるとするのが判例である。
いわゆる税関検査事件で、判例(最判昭54・12・25)は次のように判示する。「関税定率法による通知等は、その法律上の性質において非上告人(税関長)の判断の結果の表明、すなわち観念の通知であるとはいうものの、もともと法律の規定に準拠されたものであり、かつ、これにより、上告人に対し申告にかかる本件貨物(女性ヌード写真集392冊)を適法に輸入できなくなるという法律上の効果を及ぼすものというべきであるから、行政事件訴訟法3条2項にいう、『行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為』に該当するものと解するのが相当である。」


公衆浴場法等による法定の距離制限の範囲内に新しく浴場設置が許可されたことにより営業上の不利益を受けた既存業者によるその営業許可処分の取消の訴え。
公衆浴場の営業許可は、単なる警察許可ではなく、許可を受けた者が濫立することによる経営の不合理から既存業者を守るものであるから、許可制度により許可を受けた既存業者の利益は、法律上の利益である。したがって訴えの利益が認められる(最判昭37・1・19)。


テレビ放送局の開設免許申請についてA及びBの競願があり、Aの申請が拒否され、Bに免許が与えられた場合、Aに対する拒否処分が取り消されたとしても、当然にBの免許が取り消されるわけではないが、Aは免許拒否処分の取消を求める訴えの利益を有する。
Aへの拒否処分が取り消された場合には、たしかに上記のようにBの免許が当然に取消されるわけではないが、それによりその決定前の白紙の状態に戻り、いずれの申請を可とすべきか決定し直すことになる。東京12チャンネル事件(最判昭43・12・24)は、Aが再審査を受ける利益を法律上の利益と認め、自己への免許拒否処分の取消を請求しうるとした。


処分取消の訴えにおいて、原告適格を有する者は、処分の取消を求めるにつき法律上の利益を有する者であるが、処分の直接の相手方に限定されるわけではない。
原告適格を有する者は、取消を求めるにつき法律上の利益を有する者でなければならないが(行政事件訴訟法9条)、必ずしも処分の直接の相手方である必要はない。


執行停止決定をなすには、回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があることが要件とされるが、その場合でも、公共の福祉に重大な影響を及ぼす恐れがあるときは、執行停止をすることはできない。
執行停止が認められるためには、回復困難な損害を避けるため緊急の必要性が要件とされるが(行政事件訴訟法25条2項)、その場合でも公共の福祉に重大な影響を及ぼす恐れがあるとき、または本案について理由が無いと見えるときには、執行停止することはできない。


現行法はいわゆる執行不停止原則が採用されているが、その根拠として行政の円滑性が挙げられる。
行政訴訟法25条。伝統的通説は上記のような立法趣旨を挙げている。しかし、ドイツの行政裁判法では執行停止原則が採用されてより、私人の救済の点では現行法は問題であるとする見解も多い。


取消判決の確定後に、当該行政処分が違法であることを理由として国家賠償請求訴訟が提起された場合において、行政主体は処分の適法性を主張できない。
取消判決によって当該処分の違法性が確定すれば既判力が生じ、前訴訟と矛盾した後訴での主張が許されなくなる。したがって、後訴である国家賠償請求訴訟において行政主体は適法性を主張することはできなくなる。このように既判力とは、確定判決に与えられる後の審判に対する影響力ないし基準性を言う。


無効等確認訴訟は、処分または裁決の無効の確認を求めるにつき、法律上の利益が認められる場合であっても、「現在の法律関係に関する訴え」によって目的を達成できない等の限定された場合のみに提起できる。
行政事件訴訟法36条は無効等確認訴訟の原告適格を無制限に認めているわけではなく、処分または裁決の無効等の確認を求めるにつき、法律上の利益が認められる場合であっても、「現在の法律関係に関する訴え」(当事者訴訟や通常の民事訴訟など)によって目的を達成できない場合等に限定してのみ提起できるとする。


農地法上の農地買収処分の無効等確認の訴えは、被買収者が買収の目的となった農地の所有権確認訴訟を起こせば、その目的を達しうるから、無効等確認の訴えは認められない。
無効等確認訴訟は、行政処分の無効を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができる場合には、その訴えを提起しえない(行政事件訴訟法36条)。農地買収処分の無効については、争点訴訟によって、現在の法律関係に関する訴えにより権利の保護を達成しうるから、その無効等確認訴訟を提起しえない。


機関訴訟は行政機関相互間の内部的な権限に関する訴訟であるが、現在では、行政内部の問題に属するかどうかが必ずしも明確でない場合が存する。
機関訴訟とは「国又は公共団体の機関相互間における権限の存否またはその行使に関する紛争についての訴訟」をいう(行政事件訴訟法6条)。この訴訟形態は行政の「内部関係」と「外部関係」との区別を前提にしている。ところが、成田新幹線訴訟(最判昭53・12・8)に見られるように、生じた紛争が行政主体内部での問題なのかそれとも私人と行政主体の争いかが明確でない場合がある。


審査請求・異議申立てに対する行政庁の裁決・決定の取消を求める訴訟は、抗告訴訟に属する。
行政事件訴訟法3条3項。


当事者訴訟とは、公権の主張を訴訟物として、権利主体が対等な立場で権利関係を争う訴訟であり、現行法には、当事者訴訟につき性質の異なる二つの種類の当事者訴訟が用意されている。
実質的当事者訴訟と形式的当事者訴訟の2種類が存する。形式的当事者訴訟とは訴訟の実質は行政処分の効果を争うことにあるが、法形式上は対等な当事者間の訴訟という形式がとられているものをいう。実質的当事者訴訟とは「公法上の法律関係に関する訴訟」をいう。典型例として公務員が俸給の支払いを求めて出訴する場合が挙げられている。ただ、現在では公法と私法の区別自体が不明確なので、どのような場合にこの実質的当事者訴訟に該当するかは明確ではない。