公務員試験お役立ちメモ
ここはあくまで管理人マサの個人的なメモであり、その内容の正確さは保障できません。


2002年06月08日(土) 行政法メモ2

行政庁は聴聞を行なうにあたっては、聴聞を行なうべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人になるべき者に対し、法定の時効を書面により通知しなければならない。
行政手続法15条1項は発送時期、相手、書面によるべきこと、記載事項を、2項は教示事項として意見陳述書、文書等閲覧権、3項は公示送達を各々規定する。


申請により求められた許認可などを拒否する処分その他、申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分は、行政手続法上の不利益処分にはあたらない。
不利益処分とは、義務を課する処分または権利を制限する処分であるが(行政手続法2条4項)、「申請により求められた許認可などを拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした人者を名あて人としてされる処分は除外される」(同行但書ロ)。


強制徴収は、金銭債権を強制的に実現する手続であって、督促、差押え、差し押さえた財産の購買、換価代金の滞納債権への充当という4段階の手続で行なわれる。
国税徴収法では、47条以下に財産の差押え、89条以下に原則として公売処分による財産の換価、128条以下に換価代金の充当代金の充当配分が定められている。


庁舎の明渡しや立ち退きの義務のような非代替的作為義務や、営業停止義務のような不作為義務については、行政代執行法によって強制執行を行なうことができない。
非代替的作為義務や不作為義務の強制執行は、代執行の手続のみを定めた行政代執行法によって行なうことができず、これらの義務の強制執行は個別法に特別な強制執行手続が定められていない場合には、許されないこととなる。


行政罰は行政刑罰と行政上の秩序罰に大別することができ、行政刑罰には刑法総則の適用があり、秩序罰では過料という制裁が科せられる。
行政刑罰は行政上の義務違反に科せられるものであって、刑法に刑名のある刑罰(懲役・禁錮・罰金・拘留・科料)のことをいう。これに対して秩序罰は行政法上の義務違反のうち、形式的なもので法益を侵害したり国民の生活に実質的な悪影響をもたらさない軽微なものに過料という制裁を科すものである。過料は刑罰ではない。


普通地方公共団体の長は秩序罰としての過料を科す旨の規定を設けることができるが、規則違反に対しては地方公共団体の長が処分の形式でこれを科し、納付しないときには地方税の滞納処分の例により強制徴収する。
地方自治法では、15条で長の規則違反に過料を科する旨の規定を設けることが出来ること、255条の2で地方公共団体の長による過料の処分の手続き、231条の3でその強制徴収について定めている。


具体的な状況に照らし、明白な危険が予想されるにもかかわらず、行政側が適切な即時強制を行なわなかったときには当該不作為が違法となる場合がある。
警察官が他人の生命・身体に危害を及ぼす蓋然性の高い状況で、挙動不審者からナイフを提出させ一時保管しなかったことを違法とした判例がある(最判昭57・1・19)。


行政調査にも令状主義の適用の余地はあるが、所得税法の質問検査権の発動については、令状を備えずになされても違憲ではない。
判例は、憲法35条は行政手続にも適用の余地があるとしつつも、所得税の検査制度は、公平課税のために不可欠であり、相手方の自由意思を圧迫する度合いも低く、刑事責任とはかかわりあいがないなどの理由から、所得税法の質問検査権の発動に際して裁判官の発する令状を要件としない旧所得税法の規定は憲法35条違反ではないとしている(川崎民商事件、最大判昭47・11・22)。


行政手続法は処分手続と行政指導について規制を加えたが、行政立法手続は規制の対象としていない。
行政手続法は、行政立法と行政計画に関する手続的規則を及ぼしていない。もっともこれらに手続的規律が不要というわけではなく、将来的課題として残されたにすぎず、また憲法による行政手続への直接的規律は及びうる。


一定の通達が長期間にわたって示していた解釈基準が改められて、当該通達が私人にとって不利な取扱いをする内容に変わった場合であっても、その改められた内容が法のより正しい解釈であるならば変更は認められる。
確かに、このような解釈の変更は法的安定を失するおそれはある。しかし、このような法のより正しい解釈への変更であれば、法律による行政の理念に合致するものであり、認められるとする判例がある(パチンコ球遊器事件、最判昭33・3・28)。


行政主体がいわゆる公法契約を締結する際にも、法律による行政の原理による規律が及ぶ。
法律で規定されている租税の徴収を納税者との合意によって行政主体が放棄することが許されないように、公法契約といえども法律に違反してはならないとする制約が存する。


給付行政上の行政契約は、国民各個の希望によって給付の内容を個別的に変容する余地は乏しく、そのほとんどが附合契約の形態をとることとなる。
行政上の給付が契約によるとはいっても、一律平等な実施を図るため、給付の条件は行政側が定立することとなり、国民は行政側の提示する契約条件に従って給付を受けうるにすぎず、附合契約の形態となる。


行政計画が他の行政の活動形式と比較した場合に特徴として挙げられるのは、一定の行政の目標を設定し、その手段の総合調整を図るところにある。
行政計画の内容自体、明確ではないが、他の行政活動の諸形式と比較し、上記のような目標創造性とその目標に到達するための種々の手段の総合的な調整を図るところに特色がある。


行政計画は、目標創造性と手段の総合調整をその本質とすることから、根拠規範があり、かつ規制規範が存在していたとしても、計画策定権者に広範な裁量が認められることが多い。
法律は目標を定め、あるいは、策定すべき際に考慮すべき要素を規定するが、具体的な内容の形成は計画策定権者に委ねられているところに行政計画の大きな特徴がある。


行政手続法によれば、行政指導とは、行政機関がその任務または所掌事務の範囲内において、一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為または不作為を求める行為であって処分に該当しないものをいうと規定している。
行政手続法2条6号。基本的には、学説のいう行政指導、すなわち「行政庁が行政目的を達成するために、助言・指導といった非権力的な手段で国民にはたらきかけて協力を求め、国民を誘導して行政庁の欲する行為をなさしめようとする作用の総称」という定義と同旨と見ることができる。


行政指導の内容が明白に違法ないし不法な場合には、国民は自己の判断で当該行政指導を拒むべきであるから、当該指導に従ったとしても法律違反(たとえば独占禁止法違反)の罪を免れることはできない。
行政指導は強制力のない事実行為に過ぎないから、行政指導に従うかどうかは国民の自由であって、行政指導が違法であるとの一事をもって民事刑事上の責任を免れることができるわけではない。最高裁も、違法な指導があったからといって、闇カルテルの締結者が独禁法違反の罪を免れることはできないとした(第1次石油連盟事件、最判昭57・3・9)。


公務員が自己の利益を図る意図で行なった行為であっても、客観的に職務執行の外形を備える行為によって他人んい損害を加えた場合には、国または公共団体は損害賠償の責任を負う。
国家賠償法1条の「職務を行なうについて」とは、客観的に見て職務行為の外形を備えていることをいい、公務員の主観的意図は考慮されない(外形理論、最判昭31・11・30)。ちなみに、使用者責任においてもいわゆる外形理論がとられており、この点は共通である。


国家賠償法によって賠償される損害は、精神的損害や得べかりし利益の喪失をも含むものであるが、加害行為と損害の発生との間に相当因果関係が必要である。
国家賠償法によって賠償される損害も、民法上の不法行為と同じく加害行為と損害の発生との間に相当因果関係が必要である。


「瑕疵」の有無は、河川については特に当該営造物の自然的条件・社会的条件などを総合的に考慮して財政的・技術的・社会的諸制約の下、社会通念上是認できる安全性を備えているかどうかによって判断される。
大東水害訴訟(最判昭59・1・26)。


公の営造物の設置または管理の瑕疵とは、当該営造物が通常備えるべき安全性を欠いていることを言うが、それは国または公共団体が事実上設置または管理をなす状態にあれば足り、必ずしも法的な権限に基づく必要はない。
国家賠償法2条の設置または管理とは、民法717条の土地工作物責任にいう設置または保存と同じ意味であって、国または公共団体が事実上管理をしているに過ぎない場合を含み、必ずしも権原に基づくことを要しない(最判昭59・11・29)。


損失補償における補償の程度は「正当な補償」でなければならないが、農地改革の事案における「正当な補償」は、相当な補償すなわち合理的に算出された相当な額で足り、必ずしも市場価格と完全に一致することは必要でないとするのが判例である。
判例は、補償の程度について、「正当な補償」とは完全な補償を原則とするが、農地改革の事案において、相当な補償すなわち合理的に算出された相当な額で足り、必ずしも市場価格と完全に一致することは必要ではないとしている(最大判昭28・12・23)。


私有財産の収用において、収用の目的は公共目的でなければならないが、当該収用によって特定の者が利益を享受する結果となることは許される。
判例は、収用全体の目的が公共目的であれば足り、特定の者が利益を享受する結果となっても許されるとしている(最判昭29・1・22)。


土地が収用され金銭補償がなされる場合には、その金銭補償と収用は同じに行なわれる必要は無い。
憲法は「正当な補償」としか規定しておらず、補償の時期については何も言明していないので、補償が財産供与と交換的に同じに履行されることを憲法は保障していないとする判例が存する(最大判昭24・7・13)。