公務員試験お役立ちメモ
ここはあくまで管理人マサの個人的なメモであり、その内容の正確さは保障できません。


2002年05月29日(水) 行政学メモ7

規制措置の違法・不当を確信し、その確信に基づいてあえて違反する者に対して、障害物を設置するなどの物理的な装置を設置して違反行為の発生を抑止しようとするような強硬な抑止行動に出ることは、むしろ逆効果をもたらす可能性がある。
このような違反者に対しては、より柔軟な戦略が望ましい。


古典的組織論においては、多数の人間の協働は、分業に基づく職務の細分化と、これを調整するための権限の体系化による統合を構築することによって能率を発揮するものと考えた。したがって、フォーマルな階統制組織こそが最も有効な調整手段であり、調整はラインの長の職能としてなされるべきものであった。
これは盲点になりやすい。古典的組織論は縦の指揮命令関係を重視しており、横の組織単位間の連絡機構を想定していない。したがって横の調整は直属の上司によって行なわれるべきだとされている。


C.E.リンドブロムの漸増主義(incrementalism)は、決定作成に関する統計的決定理論であって、純技術論的な立場をとっており、いかなる決定をすべきかという決定についての規範的モデルではない。
これは漸増主義という言葉が示すように、当面の課題を漸進的に解決する政策を選択しようという意図がある。そのため、政策案は現状から変更点が少な2〜3の案から最善の案を選ぶという形になり、所属機関と政策対象機関の利益の観点からのみ政策立案を行ない、あくまでも現実の差し迫った弊害を除去することが最優先されるものである。


政策立案者の一般的な行動様式は、当面の課題を一挙に解決しようとせず、現実の差し迫った弊害の除去を目的に、政策の修正・変更を繰り返しながら継続的に少しずつ現状を変えていこうとすること。
=C.E.リンドブロム提唱のインクリメンタリズム(漸増主義、増分主義)。


政治システムを構成する政治諸集団の相互作用としての現実の政治過程に着目して、政治システムの実際の作動状況を実証的に研究するものに「事例研究」があり、これによって、政策形成過程の現実の姿をいかにもそれらしく描き出すことができるが、政策形成過程の議題として浮上してこない「不決定」事象については、これが何故であるのか解明するのには適さないといわれる。
「不決定」もしくは「非決定」という事象。


政策が現実的に成立するためには、政治的な成立見込みばかりではなく、定員・予算を確保できるか、あるいは対象集団の同意ないし協力をとりつけられるかが重要である。
定員・予算については、行政部内の担当部局との交渉が必要になる。


市民が政府に充足してもらいたいと期待している事柄が、すべて政府において政策課題として取り上げられるわけではない。行政需要の内容が深刻であっても、既存の利益や特権の構造に大きな変化を必要とするような場合、「決定をしないという決定」がなされ、政策課題としては抹殺されることもある。
「決定をしない決定」のことを「非決定」という。


立案される政策原案には、技術的・経済的に有効で能率的であることと、政治的・行政的に実行可能であることの二面が求められる。前者に対応する専門能力と後者に対応する諸関係者との日常的な接触機会を保有していることは、行政官僚制が政策形成過程において、大きな役割を確保するための重要な資源である。
政治行政融合論や多元的相互調節の理論などを踏まえよ。


T.ダイとA.シャーカンスキーは、環境諸条件と政策との相関関係を統計的手法によって分析する政策産出分析に基づいて各州の比較研究を行なった。その結果、一つの地域で実施される政策と、その地域の産業化・都市化・所得水準・教育水準との相関関係は著しく高いことが明らかになった。
ダイとシャーカンスキーによる政策産出分析である。彼らの環境と政策の相関分析は、政策そのものを生み出す政治システムの仕組みについては解明しえない(ブラック・ボックス)ことから、イーストンの政治システムモデルが提出された。


政策は、目的達成に必要な手段・資源を考慮して作成されるが、複雑かつ流動的な現代社会においては、必ずしも期待通りに政策が実施され、当初の政策目的が達成されるとは限らない。
政策立案過程の多元性を強調するものとして多元的調整理論やインクリメンタリズムが提唱されたが、立案され執行される政策それ自体も多元的な現実のなかで、必ずしも当初の政策目的を実行できると言う保障はない。


政策立案の作業を合理化するための規範理論としての合理的選択の理論は、政策立案にあたって、事実認定と価値判断の完全性と統合性ならびに価値実現の最大化を要求することから、「総覧的決定モデル」、「最大化モデル」とも呼ばれるが、それがどこまで現実的なのかという点で問題があると指摘されている。
この合理的選択の理論や「最大化モデル」をリンドブロムやサイモンは批判したのである。


組織の理論に初めて意思決定の支店を持ち込んだC.I.バーナードは、それまでの古典的組織論の公式的な機構概念と、新古典的組織論の非公式な人間関係概念とを結合して、組織を人間の協働システムであるとした。
バーナードは、組織は機構によって作られるのではなく、意思決定の自由と能力をもった、人間の協働行動から作成されると考えた。


合理的な意思決定の過程における選択行動の基準となるものが「最大化基準」であるが、これは非現実的なものであり、実際には「満足か基準」が用いられる。
サイモンの「満足か基準」論に関する説明である。


H.A.サイモン
彼は行政を「協働的集団行動」ないし「組織内の人間の協働に共通である諸パターンの行動」として捉えた。そして、従来の管理科学が執行の方法のみに注意を集中していたことを批判し、もう一つの側面である意思決定に注目すべきことを説いた。彼によれば、行政の科学は価値判断を排し、意思決定行動の作動条件や態様の「純粋に事実的な記述」を任務とすべきであると主張している。その際、意思決定は合理的選択を目指す行動として捉えられるが、全知の合理性を具備した人間モデルではなく、「制約された合理性」しか有さない人間モデル=行政人を前提としている。


稟議制に基づく意思決定。
ex)関係者間の会議で意思決定を行なった上で、それを起案文書にまとめて関係課に赴き、直接に決裁を求める方式(持ち回り型)。


日本では財務・人事部に関する横割りの組織が高度に整備され、それが官房系組織として一元的に統合されている。そして、行政の単位組織は、単位組織間調整等の局面において、上級組織の直接の指揮監督に服するよりも、日常的には同レベルの官房系統組織の濃密な統制に服している場合が多い。
人事課・文書課・会計課をはじめとする官房系統組織は、日本の中央省庁においては中核的な役割を果たしている。