春先なので
「何してやがる」
唐突に、声を掛けられた。
「君には関係ない」
雨で洗われた屋上が、久しぶりの陽で乾いたから転がっていただけなのに。しいて言うなら、何もしていないと答えるべきだったろうか。
「関係なくてもいいんだよ。寝るなら応接室に戻れ、ここは俺が使う」
これだけ広い屋上の、わざわざ隣に座り込むこいつの気が知れない。それで、いつものように煙草を吸い始める。嫌がらせのつもりだろうか。校則違反で殴られるのが趣味なのだろうか。わからないし、わかりたくもない。僕の邪魔をするこいつが嫌いだった。
「咬み殺されたいの」
折角気持ち良く寝ていたのに。こいつが来ては台無しだ。
「うっせぇ、さっさとどっか行きやがれ」
わがままで、僕の言うことをちっとも聞きはしないこいつが嫌い。
「君の言うことなんて聞くわけないでしょ」
煙草を吸いに、わざわざ風上に座る無神経さが嫌い。
風除けになるくらいしか役に立たないくせに。
雲雀さんが風邪を引かないか密かに心配する獄
と、
うざいとしか思ってない雲雀