大人獄寺×中学雲雀 年の差パラレル

 

 年に一度の

 

 

 夜中に電話が掛かってくることは珍しかった。
「なに?」
『…明日、いや今日だな。会えるか?』
 彼が言い澱む理由は知らない。けれど断る理由もなかった。
「別にいいよ、学校も休みだから」
『そうか、悪いなこんな時間に』
 じゃあとだけ言い残して通話は切られて。けれど、きっとまた彼は遠慮がちに
掛けてくるのだろう。僕にとっては下らない用事。ただ、彼には一年に一度のこ
となのだから。
 再び鳴り出す携帯。
 少しだけ、焦らしてみようかな。
──誕生日くらいいいよね。

 

 

 


珍しく甘えてみる