大人獄寺×中学雲雀 年の差パラレル
体温
「マッサージさせろ、って…普通はマッサージしてって言うところじゃない?」
手渡した紙幣をサイドボードに放って、少年は笑う。もちろん、こちらの意図や理由など考えてはいないのだろう。それでも金を受け取ったのは、好きにしろと言う合図だ。
「いいんだよ」
ベッドの上にうつ伏せに寝かせて、腹の下に手を入れてベルトを抜き取っても、まだ抵抗らしい動きもない。まぁ、マッサージをするのに抵抗されても困るんだが。
「俺がしてやりてぇんだから」
「物好きだよね…」
多分思われている奉仕、というのとも違う。だがそれをわざわざ説明してやるつもりもないし、教えたところで理解はされないだろう。そういう打算の上での付き合いを、なにもわからない子供に選ばせているのだ。外から見れば紛れもない犯罪だということもわかっているけれど、嘘を通し続けるには十分な動機もあるから。
「っ!」
手の下の細い体が、ぴくんと跳ねた。
「くすぐったいか? 我慢しろよ」
脇腹から脇下へと指先を滑らせて、そこから首筋をほぐすように軽く力を入れれば確かに、筋肉が固くなっているような感触だ。
「凝ってんだな、若ぇのに」
自分もデスクワーク続きのときは大概ひどいもんだが、この歳でこれってことは学校でずっと机に向かってでもいたんだろうか。言葉で聞き出したことはないが、少しずつこの子供のことをわかった気にはなってくる。
「体、動かしてんのか?」
うなじに鼻先を近付けても、汗くささは感じない。けれど、体温を感じてふと、悪さをしたくなる。
「──ッ!」
両手で、無茶苦茶に凌辱するように脇腹をくすぐる。ひくんと跳ねる背が、ひきつって息を止める喉が、シーツを握る手が、非常にやばい。暴れそうになる脚に乗って体重で押さえ込むついでに耳に噛みついてやった。
子供、なんて人のことは言えないな。
理性があるようなないような