気が向いたら増える。ソフトグロ。人体について。
君解剖学001手首
細いよね、と呟いたら怪訝な顔をされた。
その手を取り、巻かれている不細工な革紐や帯を外していけば、骨ばった手首が晒される。
「ちゃんと食べないから、骨と皮だ」
「お前に言われたかねぇよ」
かじり、
甲側の出っ張っている箇所。僕はそれに名前があるかは知らないけどそこに歯を立てる。
「革臭い」
「るせ」
反対の、内側を舌で探る。
「ここ」
反射で力が入ると、ひくりと堅くなって腱が浮かぶ。
「縦に裂くと死ぬんだよ」
体内を廻る赤い液体は、この狭い場所を行きつ戻りつ。管を通り、心臓から心臓まで。
「んなことしなくてもいくらでも死ねるし」
普段とは逆の手で煙草を支えるのは苦手そうだ。けれども両手を器用に使いこなすのだから、片方なくても支障はないんじゃないか。そう思って眺めていたら、頭に手が乗った。
「俺の手持ってくのはいいけど、ちゃんと返せよな」
顔がこちらを向いていない。照れ隠しの仕草だ。
「やだよ」
「なっ」
舌を載せ、歯を立てる。命の飛沫が閉じ込められていると思うと、開けてはいけない猫の箱のようだ。
「全部僕のものだし」
片手だけじゃもの足りない。囁けば、
君の両手が背に回る。
僕も反対に触れてみた。
循環を断ち切るのは死ぬ時の楽しみに取っておくよ。
獄フェチ雲雀さん。
ぬるい。