血と烏。

 

 

 噛み付くように口付けた。
 理由などない。彼の、血の気の失せたそれに欲情したから、本能に従っただけだ。
「う…」
 呻く声が唇の合わさった隙間から漏れる。なんだ、生きているのか。随分と低下した体温だけれど、まだ施す手は残っているようで。
「ゆけつ……?」
 血を失った場合に用いられる最良の手段として、知識はある。けれど、僕の血を彼に分けることはできないだろう。
 だって、僕は奪うことしか出来ないんだから。

 仕方なく、彼から流れ出す血を止めるために手を尽くすことにした。勿体無い、からね。
 カラスが頭の上で鳴いたけれど、生憎この男は死体にはならないよ。

 

 

 


獄ヒバが足りないので自家発電。
雲雀視点の血なまぐさいネタはさくっと書けるのにね。