捏造

　計画的に。

「貸してない」
　そう、雲雀は言った。その言葉に安心したのは何故だろうか。
「聞いたぜ、お前…初代雲に似て優しいんだろ」
　草壁から聞き出した話だから、間違いはない。自分でも何に執着しているのかわからない。だが、気になるんだ。
「僕は、並盛を他人の自由にされたくないだけだよ」
　まっすぐな声。躊躇いなど存在しないんだろう。
「じゃあ、俺は？」
　愚問だろう。そこに存在しないならば、視界に入ることすらできていない俺に、価値はないはずだ。
「並中の生徒だ。好きにはさせない」
「そ、か」
　うん、そうだ。それ以上など期待はしない。
「だから」
　ふと、雲雀の声が揺らぐ。
「僕以外に傷付けられたら承知しないよ」
　守るものがあるから強くなれるのだとしたら、間違いなく雲雀は最強の守護者だ。
「さぁな。善処はするぜ」
「弱いからって」
「お前も」
　遮る言葉に、言葉を引いた隙に。
「怪我したら承知しねぇぞ」
　通信は、そこで途切れた。

いちゃいちゃさせたかったんだい！