銀の鎖
「こんなもの、いらないんだけど」
鎖の先には、雲の意匠のリング。白い首元にその銀のチェーンは思ったよりも似合っていた。
「そう言うなって、一応お前だって守護者なんだからよ」
自分の指には嵐のリング。他の指にあるシルバーとは、不思議に殺し合わなかった。
「君達とは敵対してる方が面白いのに」
不満を口に並べながら、細い体は豪奢なソファに沈む。時折邪魔そうに首元の鎖を指で弄りながら。
「どうせいつも通り喧嘩売ってくる気だろ、てめぇは」
共通の敵がいるときにだけの共闘だとはわかっているし、周りに決められたことで雲雀のスタンスが変わるわけもないことは知ってる。
「喧嘩売ってくるのはそっちでしょ」
伸ばされた指に髪を摘まれ、圧し掛かるように引き寄せられる。
「首に鎖を掛けられるのは君の方が似合うのに」
俺に掛けられていたチェーンは、今は雲雀のもとに。
「いいんだよ、これで」
小鳥を地上に引き留めるには小さすぎる重り。それでも、捕え所のない雲を捕える、ひとつの手掛りとしては丁度良い。
頬に残る小さな傷に口付けられ、苦笑が浮かんだ。
こいつは、その気になれば鎖も掛けられた鍵も打ち払って飛び立ってしまうだろう。それを自分と同じ色で繋ぎ止めようとは、どれだけのエゴイズムか。「君はいいかもしれないけど」
呆れたような呟きは、半分眠りに落ちている。
「いいから寝てろよ」
目を閉じた隙に口付けを落とし、そっと髪を撫でる。
邪魔にならないように隣に座ると、力の抜けた頭が肩に寄りかかった。お互い戦いの疲労は抜けきらず、自分も小さな欠伸をすると眠気が襲ってくる。肩の温もりが余計に心地良いのか、まどろむほどにゆったりした眠りに嵌っていった。
こっそり絡む指が、鎖よりも俺を縛っていることに気付かない振りをしながら。
甘…?
ごっきゅんが怪我すると絆創膏とか包帯とか残ってるけど
雲雀さんは綺麗に治ってる気がする 特に顔
指輪身につけてるのかなーないと困るよなーと思いつつ