10年後獄ヒバ 甘口注意
甘えた。
「……なぁ、ヒバリ」
ごろんと膝に頭を乗せ、大型に育った肉食動物が一人。
「なに」
畳の香りに包まれた空間に、唯一違う匂いを持ち込む男。今はそれを手にしていないけれど、薄く付けている香水に混じり合い、彼でしかないという存在を鼻腔に伝えてくる。
下敷きになっている脚を圧迫されているけれど不思議と退ける気にはならず、すくと意外なほどに柔らかな銀糸に指を絡めた。
「重くねぇの?」
「重いよ。君の猫よりはね」
閉ざされているはずの扉の向こうから入り込み、人の膝で気が済むまで惰眠を貪る。飼い主とペットは似るというけれど、その点では確かに近いようだった。それを許してしまっている点においても。
「……そうかよ」
まさか小さな猫にやきもちでもあるまいし、と思ったが彼の狭量さはいつも目にしている。自然と浮かぶ笑みを見られていないのを自覚したまま、指に柔らかな彼の髪をそっと撫でた。
「ねぇ、隼人」
確かに僕は仔猫に膝を貸すけれど。
「僕は猫より重いものは膝に乗せる気はないよ」
「!……そーかよ」
ピアスを飾る耳が赤くなるのを眺めながら、笑みが深くなるのを感じていた。
小ネタサルベージ
大人獄ヒバでー!
甘い?甘い?!びっくりするわ。
着物着た雲雀さんがスーツ姿の獄寺に膝枕させてあげるビジュアルに萌える!畳だいすき。
若干 瓜≦獄寺 良かったね!