ひざまくら

 

 

 正直、なんでこうなかったかはわからねぇ。それでも脚に確かに重みを感じるわけで、ソファの端に座った俺の膝に雲雀が頭を乗せていることには間違いなかった。

 規則的な寝息は、感覚の鋭い自分の耳を恨むくらいにはっきり聞こえてくる。
 動くこともできず、染みひとつない天井を見上げた。気取られないようにため息は細く、弱く。

「……わけわかんねー」

 今に始まったことではない雲雀の気まぐれ。それに振り回されるのにはいい加減慣れた。それでも未だに解せないのは雲雀の頭の中身だった。
 触られるのは嫌がるくせに自分からは躊躇いもなく接触してくること。機嫌が悪くないときは俺が応接室にいることさえ許容される。

 弱い草食動物は嫌いなんじゃなかったのか?なんて、今更訊いても無駄だろうか。すでに体を重ねることすら数えきれないほど繰り返しているのだから。

「ヒバリ」

 髪に触れても起きる気配はない。油断なのか、侮っているのか。相手にされてないってのが一番有力だ。

 柔らかい髪。緩やかに癖のある髪を指に絡めながら何度か撫でた。さらさらと逃げていく様は掴み所のないこいつそのものだ。
 執着しないつもりで、それでも拘ってしまう。気まぐれに振り回されても、いいんじゃねぇかと思ってしまう。

 公園で、エサを差し出した手を引っ掻かれたことを思い出した。まるで猫だ。



 寝る子を起こさないよう、もう一度長いため息をついた。

 

 

 

 


応接室で寝てる雲雀さんを良く知っている獄寺

枕にされることもあるようです