標的209 短編

 

 コンタクト

 

 周囲の温度、状況、全てが眼球の表面にある薄い膜を通して情報に変換される。兵器の一部になったような気分にもなるそれは、異様な光景も冷静に判断させてくれるという点では優秀だった。

 瓦礫の山、壁を貫いて一直線に目的地へ向かうのはあいつの足跡。なんてわかりやすい性格だ。

 万が一にもアジト襲撃班の雑魚どもにあいつがやられる心配なんかはしてなかったが、ボンゴレリングを持っていない限りは思うように炎も使えないだろうことは予想できる。さすがの雲雀も、生身で死ぬ気の炎を点すことはできはしないのだから。いや、できなくても十二分には強いが、それだけでは生きてはいけない世の中になってしまった。

 幾つも貫かれた部屋を抜け、早いとは言えない足取りで敵地を進む。敵が現れないのは幸いだった。あいつが咬み殺していったせいもあるだろうが。



 先に見えるのは広いであろう空間。その煙る中にサイトが動く。生命反応、見慣れた黒い人影。囲まれている!

 修行の成果は身に付いていた。判断するよりも早く指輪に炎を宿らせ、匣を開く。咄嗟に展開されたシールドは間一髪、目に見えぬ爆撃を防いだ。

「へ…借りは返したぜ…」

 自然に笑みが浮かぶ。どういう感情によるものかはわからはいが、視線の先には見慣れているはずなのにひどく懐かしい姿。中学生の雲雀がそこにいる。

「つってもてめーじゃわかんねーか…」

 借りた覚えのないものを返されて、部下が俺たちを連れて現れて。現状を把握しきれていない様子の雲雀は、それでも明らかな不満を表情に出した。邪魔をするつもりだったわけじゃないが、言っても聞きはしないだろう。



 咬み殺されるのも悪くはねぇけど、無事に帰ってからにしてもらいてぇな。

 

 

 

 


まさかの獄ヒバ展開
中学生雲雀さんになってるのに気付いて
なおかつ守るって獄寺のくせに高性能!
てわけでコンタクト活用してみた