数年後獄ヒバ
BuonCompleanno!20110909
「誕生日おめでとう」
日付が変わった瞬間に掛かってきた電話の主は、ぬけぬけとそう言い放った。
「…俺の誕生日、昨日だぜ」
「知ってるよ」
毎年何のかんので歪んだ方法で祝われていたけれど、五度目の今年のための伏線だったんじゃないかとこの性格の悪い男を疑ってしまうのは仕方ないだろう。それぐらいに、こいつは俺への嫌がらせのようなことばかりしてくるからだ。
「鍵を開けて、待ってたつもり?」
「待ってねぇ」
「何度も携帯ばっかり見てたくせに」
「うるせぇ、何で知ってんだ」
極めて上機嫌。つまり、わざとらしい嫌がらせが成功して面白がってるんだろう。
「君の飼い主がね、わざわざ言ってきたから」
「10代目はお優しい方だからな…」
雲雀の行動パターンも、俺の性格も全部見通しているからこそ俺には言えなかったのだろう。折角祝って下さっている席で雲雀のことなんて気にしていたくはなかったのに。こんなにも、こいつは意地が悪くて手に負えない。
「いつもの君なら邪魔が入らなくてせいせいしたって言うくせにね」
「るせぇ」
こいつからのプレゼントは嫌がらせ、つまり俺の誕生日はしっかり祝われていたってことだろ。
全くほんとに、性質が悪い。
愛されてるからこその、一日遅れのハッピーバースデー!