ソファに浅く座ったまま脚を開かされ、間に座った君がそこに触れる。明るい部屋の中では、見えない君の代わりに全てを見させられているようで、居心地が悪い。
 舌先がそこを舐めていくのを、目を閉じて感じる。緩い愛撫の後に口腔内に咥え込まれ、熱い感触に包み込まれた。

「……っ…」

 頭を振って刺激をやりすごそうとしても叶わない。神経全てが集中したように、触れられたそこだけを意識してしまう。

「…なに、を…」

 後ろへと滑る指が、探るように触れる。その意味に気付いた瞬間、じわじわと指が差し込まれてきた。

「く…っ」

 しっかりと濡らされたわけでもないそこはきつく、体の力を抜くこともできず締め付けてしまう。それを、舌と指で与えられる刺激に誤魔化されるように徐々に慣らされていく。
 指が増やされ、痛みが増しても、すぐに散らされてしまう。濡れた音を立てるのはわざとだろうか。舌と、手によって快楽を与えられているという事実を、耳からも叩き付けられる気分だ。

「――ッ」

 裏側を舐め上げられ、内部を抉られて、膝が震える。引き攣るように伸ばした手で髪に触れることでしか限界を伝えられなかった。
 僕の意図を察しても、唇は離れない。それどころか、より強く奥を擦り、吸い上げてくる。

「ゃ、……ッ…!!」

 言葉にもならず、あっけなく限界と解放を迎える。こうして口の中に出してしまうのは、負けているようで嫌なのに。
 指を引き抜かれ、ぞくぞくとした感覚と共に体の力が抜ける。細く目を開けて見たのは、君が唇を拭う仕草だった。
 これくらいで終わればどれほど楽かと思う。けれど、まだ何も終わってはいない。せめて今の内に息を整えることしかできなかった。

「…ヒバリ」

 名を呼ばれ顔を見ると、布に隠された両目が僕に向いていて、苦笑が浮かぶ。さっきまで人に好き勝手しておいて、今更僕の機嫌を伺おうとでも言うのか。

「君がしないなら、僕がするよ…」

 引き寄せて自分の代わりにソファに座らせ、頬に触れる。

「お前…」

 戸惑う声に、自然と口の端が上がる。こうして自分が支配する側にまわる方が、やはり気分が良い。

「怖いの?」

「…怖かねぇよ」

 君が、素直に認めるわけがない。せめてこれくらいは優しく、目隠しの上から口付けた。

 

 

 

「飲み物貰うよ」

 だるい体を動かし、台所へ向かう。たいしたことない距離が遠く感じたが、重い体を持ち上げて気力で歩いていく。

「あぁ…」

 ソファで煙草を吸っている君が返事をするのを待たず、辿り着いた冷蔵庫を開ける。

「……」

「……あ、」

 僕が無言になった理由に気付いてか、向こうから間抜けな声が聞こえた。
 とりあえず、ミネラルウォーターのボトルを取り出し、扉を閉める。

「ねぇ、あれ何なの」

 普段は必要最低限未満のものしか入っていない冷蔵庫に、大小様々なカッププリンが詰め込まれている光景はある意味不気味だった。

「いや、まぁ…食べ比べ用っつーか…」

 しどろもどろに言い訳する様子に、先刻の不可解な態度が一致する。

「僕に?」

 躊躇いがちな頷き。

「目隠しをさせて?」

 苦笑というよりは引き攣った表情が全てを物語っていた。

「…馬鹿だとは思っていたけど、ここまでとはね」

 ミネラルウォーターを煽り、溜め息をつく。

「お前が俺の味覚を駄目扱いするから、試してやろうと思ったんだよ、それだけだ」

「ふぅん」

 念を押すところがわざとらしい。ソファに歩み寄ると、殴られるとでも思ったのか、緊張しているのがわかる。

「訂正してあげるよ」

 煙草を取り上げ、顔を寄せる。

「君の駄目なところは、味覚じゃなくて頭だね」

「てめ…っ!」

 唇を寄せて、煙草の匂いのする口付けを味わう。舌に残るのは微かな苦味。舌が痺れてしまいそうだ。
 離れ、煙草を口に戻してやると、そのまま何も言えなくなったようで、眉間に皺を寄せて煙を吸い込んでいる。君の嗜好は僕にはわからなかったが、考えてることはわかった。

「食べきれない分は君が片付けるんだよ」

「!…じゃあ」

 隣に座ってそう言うと、途端に表情が変わる。単純だね、やっぱり。

「口直しも用意して。最高級の茶葉と、ミルクでね」

「まかせろ!」

「それと、お腹が空いたから何か作って」

 ぐ、と固まる表情に、僕は笑いを堪えた。そういう生活をしてきたせいか、君が何ひとつ家事の出来ない体質だとは知ってる。そして、頼まれると断れない性格も。

「…やっぱりいらない」

 わざとそっぽを向いてそう言ってみれば、安堵の溜め息が聞こえた。できないならそう言えば良いのに。

「腹減ってねぇのか?」

 遠慮がちに聞いてくる声。僕は聞かないふりをして目を閉じた。

「少し寝るから、静かにしてて」

 シャワーも浴びたいけれど、とりあえず眠い。隣の肩に寄りかかり、寝る体勢を作る。

「ここでかよ」

 そう言いながらも、銜えていた煙草を消して肩に腕を回してくる。それに体重を預けて、僕は暫しの眠りにつくことにした。

 

 

 

 


変態くさ…!

女王様雲雀と下僕獄寺の構図がまたここに

ごっきゅんをいじめるためなら手段を選ばない雲雀さんなので
必然的に色々プレイのパターンが増えると言いますかげふんげふん

雲雀さんに目隠しでプリンを食べさせたかったというのは事実です
安いプリンよりはプリンアラモードな