つなむくちゅー小ネタ 連作
キス
彼のキスは拙い。もとより純情で奥手なところが可愛いと思っているのでそれは構わないんですが、もう少し、こう……求められていることを実感できるような激しさは期待してはいけないんでしょうか。
子供ですね、なんてからかって反応を見たりしますけど、本心じゃないですよ?……一緒のベッドで寝ても何事もなく翌朝を迎えてしまう現状は少し不満ですけど。
あいつはキスが好きだ。
最初にしてきたのはあいつの方だし、いつも嬉しそうな顔するのも知ってる。でもそういう知識とか経験がない俺があいつを満足させるわけがないこともわかってる。
……一度、本気のキスってやつをされたけどあんまり覚えてないし。
足りないかな、俺もわかってる。俺の横でため息ついたりしてるもんな。
精進します。
だから、あんまりえろい顔すんのはやめて欲しい。
唇が離れる瞬間、惹かれるように互いに瞼をあげた。
綱吉の大きく丸い瞳に映り込むのは、骸の濡れた紅と蒼だった。何かを伝えるように見つめるそれから、つい綱吉は泳ぐように視線を逸らしてしまう。いつものこと。
それをわかっているからこそ、骸は残念そうに睫毛を揺らして笑みを象る。
「綱吉君」
「な、なんだよ」
少年の紅く染まる頬から耳へと手を滑らせ、恋人は淡く微笑んだ。
「何回めか、覚えていますか?」
「お……覚えてるわけないだろー!!」
いちゃっぷる!