旧 1- 5 うすく゛らい□へやに□とし゛こもって□いるものた゛から、 新 1- 5 うすく゛らい□へやに□とし゛こもって□いる□ものた゛から、 この「もの」は形式名詞(のつもりで、書いています)ですので、切ります。 旧 1-16 にせ□ひにんじょーやも、□こんな□ひ゛んほ゛ーたらしい 新 1-16 えせにんじょーかも、□こんな□ひ゛んほ゛ーたらしい 「似非」は「えせ」と読んで、似ているがにせもの、というような意味の接頭語です。 「人情家」は「にんじょうか」と読んだほうがいいと思います。 「にんじょうや」と読む場合はたぶん「人情屋」かな? 旧 1-18 □□C3。□ところか゛□その□すろーにんと、□みなりわ、 新 1-18 □□C3。□ところか゛□その□すろーにん、□みなりわ、 旧 2- 2 と゛こそ゛の□こ゛たいかの□おんそ゛ーしかと□いうほと゛ 新 2- 2 と゛こそ゛の□こ゛たいけの□おんそ゛ーしかと□いうほと゛ 「大家」を「たいか」と読むと、何かに秀でた人、名声の高い人の意。油絵の大家とか、書道の大家、といったような場合ですね。 この文章の場合は、富裕な家、身分の高い家、といったような意味なので、「たいけ」と読みます。 旧 2- 8 て゛てきたかと□おもえは゛、□「めいわく□せんは゛んな 新 2- 8 て゛て□きたかと□おもえは゛、□「めいわく□せんは゛んな 「出てきた」は「テ切れ」の典型的な例です。 複合語といえば複合語なので、複合動詞は続けるというルールとは矛盾するようですが、「テ」がきたら切る、ということは非常に多いので、複合語のルールとはまた別に覚えるといいと思います。 旧 2-12 いろわるふ゛りに□にあって、□なまめかしくさえ□あるのた゛、□と 新 2-12 いろあくふ゛りに□にあって、□なまめかしくさえ□あるのた゛、□と 「色悪」は、歌舞伎の「悪人で二枚目」みたいな役どころで、「いろあく」と読みます。 旧 3- 3 あいてに、□てあたりした゛いに□と゛んふ゛りを 新 3- 3 あいてに、□てあたり□した゛いに□と゛んふ゛りを 「次第」はこの場合、漢語の接尾語です。接尾語は続けるのが基本のルールですが、漢語で2文字の接尾語は、切る、ということになっています(てびきP44) 漢語の切れ続きは、少し扱いがちがうので、前回の説明の中では触れなかったのですが、接尾語的に使われる「加減」「同士」などは、いずれも切ります。 のちほど、漢語の切れ続きのところでも説明があると思います。 旧 3- 6 かききられて□あのよ□ゆきと□なって□しまったと□いうのも、 新 3- 6 かききられて□あのよゆきと□なって□しまったと□いうのも、 この場合の「行き」も、接尾語的な使われ方かもしれません。 「行きはタクシーで」なんていうときは自立語なんですが、「東京行きの列車」とかいった場合の「行き」は前の語に続けます。 旧 3- 8 □□C5。□「ほんとに□おきのと゛くな□ことた゛ねえ。 新 3- 8 □□C5。□「ほんとに□おきのと゛くさまな□ことた゛ねえ。 旧 3-10 にょーほ゛ーか゛□いうのえ、□「かねめあてじゃあ□ねえな。 新 3-10 にょーほ゛ーか゛□いうのえ、□「かね□めあてじゃあ□ねえな。 旧 3-16 かたか゛た□あつまった□なか゛やの□れんちゅーの□なかにわ、 新 3-16 かたか゛た□あつまった□なか゛やの□れんじゅーの□なかにわ、 「連中」は、いまではほとんど「れんちゅう」と読みますね。間違いではないので、これは「れんちゅう」でまったくかまわないのですが、この文章の舞台が江戸時代らしいので、少し古い言い方の「れんじゅう」と読んでもいいかなあ、という気もします。 もともと「連中」は、「れんじゅう」と読んでいたのですが、しだいに「れんちゅう」という新しい読みに駆逐されてしまったのですね。 旧 4- 5 はへん?□□うそさ゛むい□ものか゛□せすし゛を□はった。 4- 6 きか゛つくと、□さっきた゛った□めつきの□ろーにんか゛、 4- 7 ひらきかけの□との□むこーから□こちらを□みつめ□かえして 新 4- 5 はへん?□□うそさむい□ものか゛□せすし゛を□はった。□□きか゛ 4- 6 つくと、□さっきた゛った□めつきの□ろーにんか゛、□あきかけの 4- 7 との□むこーから□こちらを□みつめかえして□いた。 「うそ寒い」は「うそさむい」と清音のようです。 「気がつく」は、一語のようにも思いますが、いまのところ「キガ■ツク」と切ります。 「開きかけ」の「開く」をどう読むかは、点訳者の判断でいいと思うのですが、「開く」は「ひらく」とも「あく」とも読めますので、雰囲気にあったほうを選ぶといいと思います。 書いた当人としては、「あきかけ」のつもりです。