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「みずほ流」点訳入門教室

19.特別な配慮を必要とする記号類




特別な配慮を必要とする記号類(『てびき』p84〜87)

『てびき』のこの部分に書かれていることのほとんどは、すでにそれぞれの記号の説明のところで言及してきましたので、もうご存じのことと思います。
とにかく、原本の形にとらわれずに、意味を考えて点訳してください、ということに尽きます。
これまでのところで触れていなかった点だけ、ちょっと補足します。

 文字の代わりの疑問符
「?回目の見合いの席で・・・」とか「点訳歴?年と言っても、内容が問題でして・・・」というように、実際に声に出して読むときには「うん」と発音したりするような場合です。
次に続く1語中の仮名との間は、ツナギ符を挟んで「?..カイメノ■ミアイノ」「テンヤクレキ■?..ネント」と打ちます。

 コロンなど
点字のコロンなどは、英文記号です。
墨字では、邦文の中に、いくらでもそういうものを混ぜて使えますが、点字では、英語モードのときには英文記号、邦文モードのときには邦文記号、と、はっきり分けて使わないと、混乱を招きます。
邦文中で見出しを表すとき、英文記号のコロンを使うのはよくありません。
小見出し符・棒線・2マスあけなどで処理してください。

 点線や棒線
文と文の間の区切り線や、目次の中で項目とページ数をつなぐ線としても使えます。
その場合は、長さは決まっていません。
字に続く場合は、間1マスあけ。
詳しくは、「書き方の形式」のところで。

 ▼・/・×など
新聞のコラムなどでは、よく段落の代わりに▼などが用いられています。
その場合は、これを使わず、ちゃんと段落にかえます。
「yes/no のどちらかに○をつけよ」というようなときも、「/」を使わず、「外引符 yes 外引符■外引符 no 外引符■ノ」でいいでしょう。
単語が外国語引用符で囲まれている場合は、特に語の範囲が明瞭ですから、間に「/」はもちろん、中点も読点もつける必要はないですね。(マスあけは必要です)
仮名で「イエス/ノー」の場合は、それよりはやや独立の感じが薄れますが、それでも1マスあけで大丈夫でしょう。
心配なら中点でもつけてくださればいいと思います。
「男/女」ではどうでしょうか?
「非常に良い/やや良い/普通/やや悪い/非常に悪い/どちらとも言えない」はどうしますか?
誤解が生じそうな言葉であるかどうか、読み取りにくいかどうか、一応考えてみてください。
また、普通の文の中で、「1万円/月」「50km/h」などと出てきたときも、この記号は使わず、「ツキ■数符1マンエン」「ジソク■数符50キロ」などと読み下してかまわないと思います。
「km」も必ずしも「キロメートル」と読まなくてもいい場合は多いですね。
もちろん、「kg」か「kb」かわかりにくい場合は、ちゃんと書いてください。
これらもケースバイケースです。
「1×5mの布」なども、「数符1■カケル■数符5メートル」でいいですね。

ちゃんとした数式を書く必要がある場合には、専門的な書き方があります。
英語、情報処理、数学、理科、楽譜は、それぞれ別の体系の表記が独自に定められています。
普通の日本語モードの表記ではカバーしきれないからです。
専門書や試験問題などは、そういう別体系の表記を使うので、さらに詳しい勉強が必要になります。
専門書ではなく、普通の日本文の中に、ポコッとそういうものが出てきたとき、どう表すか? が『てびき』p88〜92「その7 体系の異なる点字表記」です。
実は、この「入門教室」では、その部分は省略させていただこうと思っています。
「みずほ点訳」は普段、そういう別の体系による点訳物を手掛けていないので、『てびき』に書いてある以上のことはわかりません。
『てびき』のこの部分は、あくまでも、普通の文の中にこういうものが1行とか1段落とか出てきてしまった、というときのためなので、ほんの入り口の部分だけなんです。
でも、ほんの入り口であれ、何か説明を加えようと思うと、背景にある、その体系の全体がわかっていないと、間違いの元になります。
そういうわけで、申し訳ありませんが、「その7」についての言及は控えさせていただきます。

実際には、最近の印刷物にはたいていEメールアドレスやHPのURLなどが入っています。
視覚障害者にとって、パソコンによる情報収集・情報発信はとても便利で、少なからぬ人たちにはもはや必要不可欠になっていますから、原本にあるアドレスなどは、原則として省略せず、きちんと点訳しなければなりません。
その場合には、『てびき』p89〜90をよくお読みください。
私たちもそうしています。

それでは、練習問題を少し。
このあたりになると、これが正解、というようなものはありません。
これは誤解を生みそうだ、とか、この方がわかりやすい、ということが言えるだけです。
『てびき』の「書き方の形式」も参照しながらどうぞ。
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  練習問題 30
 1.E子はいつも新聞を読む前に、まずチラシをチェックする。今日の1枚目は・・・
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 2.チラシを眺めながら、E子はぶつぶつ言う。「どっちが得か?・・・」「どっちが楽か?・・・」――でも、どちらかに申し込むわけではない。これまで、何か習いにいって、最後まで続いたためしがない。根気がない、というわけではないと自分では思っている。でも、何か始める度に、思わぬことが起こってきて、中断の憂き目にあう。

 3.次は求人広告だった。
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いい条件だが、パソコンができる人はいまどき珍しくないから、これは無理だ。それに、年齢制限がギリギリ。もう?歳若かったらナ。

 4.これだけ不景気が続くのに、不動産広告もイヤというほどある。
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30万円だけで買えるんなら買うんだけどなあ。でも、あとの3,000万円余、誰かが貸してくれるわけもない。・・・職も特技もないただの女に。

 5.結局、役に立ちそうなのは、メモ用紙に使える裏が白い広告――シロアリ駆除と墓石の――と、近所のスーパーのチラシしかない。
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<練習問題30>について

例によって、ここでは一般的に、留意点というか、迷う点についてちょっと見ておきます。

記号の説明というより、次の「書き方の形式」の範囲のことにもなってしまいますが、ついでですので、話を広げてしまいます。
ちらし広告の引用の始めと終わりに、原本は点線が引いてあります。
原本と同じように点線を入れてくださっていいと思います。
2・5の点を続ける線でもいいし、1行あける、という手もあると思います。
ただ、こんなにたくさん広告が並んでいて、引用部と地の文の入れ代わりが激しいと、どの線で引用が始まるんだか、終わるんだか、混乱してしまうかもしれません。
あるいは、ここにはありませんでしたが、引用のあとすぐに別の引用が続くこともあります。
そういうとき、ちょっと便利なのが、「表の書き方」(『てびき』p116〜124)のところで出てくる「囲み線」です。
「!」のあとに2・5の点をずっと並べ、最後のマスに「句点」、という線で開き、「リ」のあとに2・5の点を並べ、最後のマスに「ロ」、という線で閉じるものです。
これだと、開きと閉じが区別できるので、どの部分が囲まれているのかよくわかります。
これを使うと、その囲みの中で内容に区切りがあるとき、行あけを挟むこともできますし、場合によっては、点線や実線の区切りを使うこともできます。

1.「★簡単パソコン入門教室」の「★」はデザイン的なものですから要りませんね。
見出しとして扱ってくださればいいでしょう。

「親切・丁寧・格安!」がその見出しに含まれるかどうかはなんとも言えませんが、別のこととして書くのも扱いが難しいので、たとえば、「簡単パソコン入門教室――親切・丁寧・格安!」「簡単パソコン入門教室■(親切・丁寧・格安!)」などと、見出しにくっつけてしまってもいいでしょう。

それより下位の見出しとして、AとBがあるわけです。
「1回/週コース」は、「シュー■数符1カイ■コース」と読み下していいですね。

「期間:」などの「:」は、小見出し符か2マスあけで。
但し、前にも言ったように、2マスあけは、行末に来るとわからなくなるので、小見出しが長い場合は要注意です。

「2月27日〜5月29日」の「〜」は、点字記号としてはよく使われるもので、読みにくいことはないので、「カラ」と仮名書きするよりは3・6、3・6と打った方がいいでしょう。
但し、4に出てくるように、「〜」のあと何もないときには、仮名書きがいいかもしれません。

「(木曜日)全14回」の「木曜日」は、「2月27日〜5月29日」の説明といえば説明なのですが、5月29日(木)というときのように、直接5月29日のことを言っているのではなく、2月27日〜5月29日の毎木曜日、という意味ですね。
ですから、日付とは別の情報として、「2月27日〜5月29日■■モクヨービ■■ゼン■数符14カイ」としてもいいと思います。

「1:30」などの時刻を表す「:」は、「〜」ほどはどこにでも出てくる記号ではありませんので、文中では「時」「分」の方がいいでしょう。
でもここは、文章の中ではないので、使わない方がいい、ということもありません。
「数符1ジ■数符30プン」と打つよりは短いし、「何時〜何時」というのがたくさん出てくるようであれば、記号を使っていいと思います。

「入会金/月謝/教材費」の「/」は、ただの区切りの意味ですから、読点や2マスあけでいいですね。

「除3月21日<祝日>」は、「ノゾク■3ガツ■21ニチ(シュクジツ)」でも「3ガツ■21ニチ(シュクジツ)ヲ■ノゾク」でも、どちらでもいいでしょう。
できればこの<祝日>のところで第1括弧を使いたいので、全体を括っている括弧ははずしてしまっていいかもしれません。
もし全体の括弧を使うのであれば、「祝日」は二重括弧で括りましょう。
他のところで<>を第2カギで打ったからといって、ここに第2カギを使うのは適当でないように思います。
括弧とカギは意味、というか、使う場面が違うので、本来第1括弧を使うはずの場所がたまたま別の第1括弧の中に入ってしまった、という事態のときは、二重括弧にするのがいいでしょう。

「※金額は税別」の「※」は、付けなくてもいいし、注意を喚起する、という意味がなくもないので、星印を使ってもいいと思います。
この「※」の付いた2行は、多分、前のA、B両方にかかってきていることなので、Bの記事が終わってすぐには続けない方がいいですね。
この場合、墨字でも1行あいていますから、点字でも1行あけるなり、線を入れるなりすると思いますが、たとえば、AとBの間の行あけは詰めてしまってもいいのに対して、ここの行あけは何らかの形で伝えないといけないでしょう。

3.「●」は、この場合、デザインですから不要です。

「勤務地/」「時間▼」「[応募]」などと、無原則に記号が使われていますが、意味を考えれば、ほぼ同じことなので、みんな小見出し符か2マスあけでいいでしょう。

「事務員<年齢/20〜38歳まで>」は、ちょっと扱いを変える必要があるかもしれませんね。
「事務員」というのが、項目の名前ではないからです。
項目名を付けるとすれば、「職種」なのかもしれませんが、それは原本にないことなので、よほどわかりにくいのでないかぎり、言葉を足さない方がいいでしょう。
いろいろな方法があると思いますが、「ジムイン■――■ネンレイ■数符20〜数符38サイマデ」とか「ジムイン(ネンレイ■数符20〜数符38サイマデ)」という感じでしょうか。
「年齢」のあとの「/」は、「時間」のあとと同じ意味ですが、ここに小見出し符を使うのは難しい気がします。

「**営業所」は、「伏せ字伏せ字■エイギョーショ」、「**駅」は、「伏せ字伏せ字..エキ」ですね。拍数の違いです。

「900円/時」の「/」と「交通費支給/社保完備」の「/」は、意味が違いますね。
「900円/時」の方は、「ジキュー■数符900..エン」でいいでしょう。
「交通費支給/社保完備」は、読点か中点か2マスあけで。

「※パソコンできる方大歓迎!」の「※」は、この場合、なくて大丈夫ですね。

「――創業25年/年商96億円/従業員1,206人――」は、会社の説明みたいなものでしょう。
墨字では、「――」に挟むことと書く位置とによってそういう感じを表しているのだと思うのですが(実際のちらしでは、字の色や大きさが違うかもしれませんね)、点字にすると、必ずしもうまく伝わりません。
この求人の広告主はどこなのか、というのが一番重要な情報だろうと思うので、まず、「総合プラニング 『○×社』」を持ってきたらどうでしょう?
それから括弧でも棒線でも付けて、説明を入れた方が、わかりやすいかもしれません。

「TEL.」は外国語というよりは略語と考えていいと思いますので、「外字符大文字符大文字符TEL」でしょうが、すっかり記号として使われていますので、「デンワ」と打ってしまっていいのではないでしょうか。
その方が読みやすいと思います。

「0123**」は数字の一部が伏せてあるので、「濁点メ」で表します。

「担当/採用係:鈴木」は、「タントー■■サイヨーガカリ■スズキ」でも「タントー■――■サイヨーガカリ・■スズキ」でもいいでしょう。

「?歳」は、「?..サイ」ですね。

4.「F-1タイプ」は、「外字符大文字符F数符1■タイプ」でいいでしょう。
この場合のハイフンは、それほど意味があるとは思えませんので、なくてもいいなら省略した方が書き手も読み手も楽です。

「F-1タイプ(80.65u)――3LDK{洋室(8畳相当)・和室(6畳相当)×2・LDK}」というところは、厄介ですね。
いろいろ書き方はあると思いますが、たとえば、
「外字符大文字符F数符1■タイプ(数符80.65ヘイホーメートル)■■数符3外字符大文字符大文字符LDK■――■ヨーシツ(数符8ジョー■ソートー)・■ワシツ(数符6ジョー■ソートー)■数符2シツ・■外字符大文字符大文字符LDK」というのはどうでしょう?
F-1タイプの説明として、(80.65u)と3LDKがあり、3LDKの内容として、{ }の中があるわけです。 (80.65u)と3LDKだけなら、「F-1タイプ(80.65u、3LDK)」でいいのですが、{ }があるので面倒ですね。
「×2」というのを、「カケル■数符2」としてもいいし、その方が原本に忠実なのですが、「数符2シツ」と読んでしまった方がわかりやすいかもしれないと思いました。
声に出して読むときに、必ずしも、「かける2」とは言わないような気がしたのです。
(余談ですが、この「和室(6畳相当)」というのは、きっと問題文の間違いですね。「6畳の和室」ではなく、「6畳相当の和室」というのは、どんな部屋なのかなぁ?)

「管理費(含修繕積立金)35,000円/月」は、「10階建 総戸数65」とはかなり別のことなので、別行にしてもいいですね。
「価格/」「交通/」「専有面積/」「間取り/」と同じに、小見出し符などで処理していいと思います。
「35,000円/月」は、「ツキ■数符3マン■数符5センエン」または「ツキ■数符3マン■数符5000エン」でいいでしょう。

「角地 4m×6m」というのは、どういう意味なのか、不動産広告のことはよく知らないのですが、多分、4m幅の道路と6m幅の道路のぶつかる角にある土地、ということでしょう。
この土地は、112.00uあるので、縦4m、横6mの土地、ということではないようです。
そうだとすると、「かける」という言葉はどうも具合が悪いですね。
といって、4mと6mの道路に面しているらしい、と言ってしまうのもどうかと思います。
仕方がないので、「カドチ■■数符4メートル、■数符6メートル」くらいでお茶を濁しておきたいのですが、どんなものでしょう?
正確な情報が是非とも必要な場合には、不動産屋さんに確かめてみましょう。

「★またとない優良物件!!
  今なら仲介手数料不要!
   頭金30万円より購入可。」
というような、始まり位置の変化は、点字には馴染みません。
星印もなしで、頭も揃えて書いていいでしょう。

「お問い合わせ:(電)052-8**-*123 株式会社GLホーム」も、敢えて後ろの方に書かなくても、3マス目から始めて、改行せずに2マスあけるだけで社名までいってもいいと思います。
「:」は小見出し符で、「(電)」は「デンワ」でいいでしょう。

5.「――新鮮食品 なんでも屋――」の棒線は要りませんね。
★、●、▲なども、この場合必要ありません。

「食パン(6/8枚切)」は、6枚切りと8枚切りがある、という意味でしょう。
読点か中点でいいですね。

「にんじん1袋――80円  白菜1/2――100円」というとき、「ニンジン■ヒトフクロ■――■数符80..エン■■ハクサイ■数符2ブンノ■数符1■――■数符100..エン」と打って、決して間違いではないのですが、ちょっと心配なのは、読み手にとって、「■――■」と「■■」とどちらがはっきり切れている感じがするのだろう? ということです。
よくよく考えれば、棒線でつないであるということは、関係があるということなんだ、と言えますが、サッと読んだときの印象は、「ヒトフクロ」と「数符80..エン」の距離、「数符80..エン」と「ハクサイ」の距離に左右されてしまうのではないか、という気もします。
人によって感じ方が違うかもしれませんね。
たとえば、この場合、「ニンジン■ヒトフクロ■■数符80..エン、■ハクサイ■数符2ブンノ■数符1■■数符100..エン、」でもいいかなあ、という気がします。

「幅35.0×奥行45.0×高さ61.5cm」の場合、「ハバ■数符35.0■カケル■オクユキ■数符45.0■カケル■タカサ■数符61.5センチメートル」でいいのですが、「ハバ■数符35.0■■オクユキ■数符45.0■■タカサ■数符61.5センチ」でも充分わかりますね。

「本しめじ1P」の「P」は、声に出して読むとすれば「パック」でしょう。
「外字符大文字符P」でも、どちらでもいいと思います。
「外字符p」だと「%」のような気がするでしょうか。

「原本どおり」は点訳の大原則ではありますが、いずれにしても、墨字の表記そのままに表すわけにはいかないのですから、わかりやすい方向で、多少表記を変えてもいい場合もあると思います。
ただ、その加減は難しいですね。






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