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「みずほ流」点訳入門教室

13.記号類の使い方



記号類の使い方

この教室も、「語の書き表し方」「分かち書き」のおおよそのところを見てきました。
説明が下手で意味不明だったり、混乱していたり、不充分だったり、練習問題がヘンだったり、いろいろ至らない点はあると思います。
お気づきの点、ご不審の点、これはおかしいとか、こういうときはどうするの?とか、どんどんお寄せください。
但し、私たちでお答えできることは限られていますので、すぐに適切な回答は出てこないかもしれません。
それはそれで、みんなで悩むとか、先輩諸氏に教えていただくとか、あれこれ考えていきたいと思います。
これから「記号」のところに入っていきます。
今後ともよろしくおつきあいください。

点字の中でも、記号は使います。
ただ、その使用は、墨字の場合に較べると限られています。
点字の記号の歴史はあまり古くありません。
墨字の文章記号として一番一般的な、読点と句点にしても、点字の文章に普通に広く使われるようになったのは、ここ20年か30年のことだと思います。
それまでは、読点の代わりに1マスあけ、句点の代わりに2マスあけ、ということになっていたようです。
わりに最近まで、句点は使うけれど読点は使わない、というやり方は普通でした。
今でも、古くからの点字読者の中には、句読点があると読みにくい、とおっしゃる方が少なくありません。
ひとつには、点字はマスあけがあるので、読点をつけなくても墨字でズラズラ書くほどはわかりにくくない、ということがあります。
そしてやはり、視覚で捉えるのとは違って、一度に把握できる範囲が限られているので、句読点もいちいち触って読まなければならない、という煩わしさもあります。
けれども近年、点字で専門書を読んだり、受験したりする人が増え、読点の有無で微妙に意味が変わることや、墨字と点字を対応させる必要があることが問題になってきたようです。
そこで、句読点はもちろん、いろいろな記号が使われだしました。
参考書や試験問題など、墨字のものには実に多種多様な記号が使われています。
アンダーラインひとつとっても、1重あり、2重あり、波線あり、点線あり、果ては黒、青、赤、オレンジ・・・とカラフルで、それをひとつずつ区別しないと、意味が通じません。
その辺になると、点字の記号として定められているものだけでは対応できないので、別途方法を考えなくてはなりませんね。

現在は、多分どこの講習会でも、ひととおりの記号は勉強すると思います。
ただ、実際に点訳するときには、点訳物の種類や読者の希望などによって、どのくらいの記号を使うかを考えましょう。
不必要な記号は使わない方がいいのです。
とはいえ、何が必要で何が不必要かは、なかなか難しい問題ですが。

それから、墨字の記号というのは、使った者勝ち、なんでもあり、みたいなところがあるのですが、点字では種類も限られていますし、用途も決まっています。
たとえば、墨字の「〜」は、特に近頃、「あ〜ぁ」とか「ぎゃ〜」とかいう場合にも使ったりするのですが、「〜」に対応する点字記号は「3時〜5時」とか「京都〜大阪」など、範囲を表す場合にしか使いません。

小中学生の点字教室では必ずと言っていいくらい、ハートマークや音符マークはどうやって書くの? と聞かれます。
近頃の子どもたちは、そういうマークがないと思ったことを書けないのかもしれませんね。
残念ながら、今のところ点字にはそういうマークはありません。
さて、それでは、句読符から見ていきましょう。


句読符(『てびき』p59〜63)

 句点・読点

句点・読点は、既に練習問題などで出てきていますので、おわかりと思います。
6点入力では、句点は2、5、6の点、読点は5、6の点です。
句点も読点も前に続け、読点のあとは必ず1マスあけ。
あけないと、外字符になってしまいます。
句点のあとは、基本的には2マスあけて次の文が始まります。
ローマ字入力では、そのままの記号を入れれば、勝手に次のマスあけまでしてくれます。
句点のあと2マスあけ、といっても、会話や説明・挿入などで句点のあとにすぐ閉じカギや閉じ括弧がくるときは、点字でも、すぐにカギや括弧を閉じてください。
句点のあと2マスあける、というルールより、閉じカギや閉じ括弧は中の言葉に続ける、というルールが優先するのです。

「だって、」と言いかけてやめた、というときのように、読点のすぐあとにカギや括弧の閉じがくるときは、読点を省きます。
他の記号と間違いやすいからです。

見出しや箇条書などの頭に、1.とか、A.とか、イ.とかいうものが付くことがあります。
この場合の「.」は、句点であると説明されることもあるのですが、そう言ってしまうより、英文記号のピリオドである、と考えた方がいいでしょう。
点字の形は、句点もピリオドも2、5、6の点で同じですが、句点のあとは2マスあけ、ピリオドのあとは1マスあけです。

数字のところで触れたように、「二、三日」「35、6歳」のように読点を挟んだおよその数の場合、点字では「数符2数符3ニチ」「数符35数符6サイ」と打ちます。数符を挟むので、読点で区切る必要はありません。


 疑問符・感嘆符

疑問符は、2、6の点、感嘆符は、2、3、5の点です。
文末にくるときは、句点と同様の使い方。
「あれ?と思った」「コラ!って怒られた」というように文中にくるときは、あとを1マスあけます。

「やった!!」「うっそー!?」なども、そのとおり記号を二つ並べます。
原本が縦書きの場合の1字分の「!?」は、左を先に打つそうです。


 中点

5の点です。
前に続け、あとは必ず1マスあけます。
あけないと、濁点になってしまいます。
墨字では、かなりいろいろな場面にこの記号を使いますが、点字では、使わなくていいときは使わない、というのが原則です。

点字でこれをよく使うのは、並列のときです。
「イラン・イラク戦争」「1・3・6班は教室掃除」というような場合です。
以前は、並列の場合も、1マスあるいは2マスあけで対応していましたが、「福島・白石蔵王・山形」などという場合、どこも1マスあけでは誤解のもとですし、たとえ中点の代わりに2マスあけても、行末にかかったときには何マスあけてあるのかわからないわけですから、やはり不確実性は残ります。
そんなわけで、並列の意味で原本に中点がある場合には、点字でも中点をつけることが一般的になったようです。

それから今回の改訂で、言い換えの場合にも使ってよい、ということになりました。
「候補者・山本太郎がご挨拶いたします」「バイオリニスト・レオニード・コーガンの略歴」というような場合です。
点字ではマスあけがあるので、これまでは「コーホシャ■ヤマモト■タロー」「バイオリニスト■レオニード■コーガン」としていてわかりにくいこともなかったと思うのですが、それでも「候補者」と「山本」と「太郎」が同じ関係で並ぶのは避けたい、というのもわかります。
もちろんこれは、原本に中点があったときのことです。
原本になければつけません。

上記以外の中点は、たいてい省きます。
「レオニード」と「コーガン」の間の中点は原則として使わないことは、固有名詞のところでお話しました。
「鈴木信之助教授」というような場合、墨字では固有名詞と役職名の間に中点をつけることが多いでしょう?
鈴木先生が教授なのか助教授なのか、知らない人にはわからないからです。
墨字には墨字の事情というものがあるのですね。
でも点字では、読みとマスあけによってはっきりわかるので、中点は要りません。(ということは、もし原本に中点がなければ、点訳者はそれを調べて適切な表記をしないといけないということです)

「五・一五事件」「三・三・七拍子」などの中点も、点字では要りませんね。
数字の間に数符が入るからです。

年月日や時刻や番号などを中点、読点、あるいはスラッシュなどを使って書くこともありますね。
これらも、たいていの場合、墨字表記にこだわる必要はありません。
『てびき』p62のコラムにあるように、点字でもいろいろな表記方法があるので、その場に一番合った形を選んでください。
つまり、普通の文章で、日本語としてすんなり読めることが重要なのか、あるいは、表などで、なるべくスペースを小さくすることが求められているのか、はたまた、表記の説明だったりして、墨字の形そのものが問題になっているのか。
それから、もし個人宛の点訳物であるなら、読者が初心者かベテランかによっても違ってくるでしょう。

「ホット・ドッグ」「アンシャン・レジーム」「インフォームド・コンセント」などは、点字ではマスあけだけでOKです。
「ラブ・レター」「ア・カペラ」など、ひと続きに書いてよいものに中点があるときは、中点もマスあけも要りません。

「し・あ・わ・せっ!」というような表記も墨字にはありますね。
この気分を伝えるのに、「シアワセッ!」では不充分なのかもしれません。
意見の分かれるところかもしれませんが、私は、中点までつけなくても、「シ■ア■ワ■セッ!」とマスをあけるだけでもいいかなあ、と思っています。
デザイン的な意味だけで「ふ・れ・あ・い・ひ・ろ・ば」などと書かれたものは、中点を省きます。 この辺は、ケースバイケースですね。

専門書などで、この中点は必要、と判断すれば、もちろん付けます。
要は、墨字の字面にとらわれずに、何を伝えなければいけないのか、その意味を考える、ということなのでしょう。
そういうところが、難しくて悩み多きところでもあり、同時に、頭の使いどころというか、点訳の面白いところでもあります。
多分、これは人間の仕事であり、自動点訳が苦手とする領域なんだと思います。

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  練習問題 23
 1.飲み過ぎたわけでもないのに、頭がガンガン。水・木・金と続いた残業のせいかも。わぁ、働きすぎだぁ! それとも、風邪? よりによって、こんな日に! 今日は、特別な日なんだから!!

 2.今日の昼、見合い?をすることになってる。えっ? 違うよ、私じゃないよぉ。私はただの付き添い。いや、それだけでもないかナ? 仕掛け人、という説もあるけどネ。

 3.仕組んだのは、あゆみ・ひとみ・まい、それに私。この4人は、高校時代の親友。今は、それぞれ別々の仕事してんだけど、月2、3回は会ってる。

 4.あゆみは、インテリア・デザイナーの事務所で見習い・兼・雑用係みたいなことをしてるし、ひとみは、叔父さんがやってる画廊・アリスを手伝ってる。まいは、スイミング・スクールで幼児・学童相手に先生!してる。

 5.私? 私は、某零細出版社勤務。ベスト・ミステリー・クラブとかステップ・アップ・シリーズ囲碁・将棋なんて雑誌出したりしてる会社だけど、誰も知らないでしょ? 今まで出した雑誌、たいてい5、6号でポシャッてるもんね。見切りがはやいのが、つぶれないコツなんだって。

 6.それでね、今日の話だけど、見合いの片方は、あゆみのところの先生、デザイナー・森川優子・42歳。すっごくステキな人。独身なんだよ、あったりまえだけど。

 7.もう片っぽは、ナント!!うちのオヤジ。どうしてくれようっ!ってかんじなんだけど、どういう話の展開か、そういうことになっちゃってサ。一応、肩書的には、エッセイスト・小島洋一郎・52歳、ってなもんで、娘が言うのもナンだけど、ちょっと見はまあまあかナ。

 8.うちの母親が死んだのが1994・10・27で、もう8年経ったしね。私としても、そろそろオヤジの面倒見てくれる人がほしいワケ。でなきゃ、安心して自分の幸せを追求できないじゃない? 別に、そんなに手のかかる人じゃないんだけどネ。

 9.今日の作戦には、ずいぶん時間・知力・労力・演技力を必要としたんだ。準備期間は3カ月くらいだったかなぁ。場所は東京・新橋のチャイニーズ・レストラン。見合いだってことは、もちろん、当人たちには、ひ・み・つ。私の誕生日祝いという名目で、スペシャル・ランチとオヤジとを確保してある。

 10.さーて、起きるか!って時計見たら、9:45。まだ早い、もすこし寝てられるなぁ、って思ったけど、でも、待てよ? ちょっと待てよ?! なんかヘン! どっかに殺気感じてテレビつけてみる。ぎゃーっ!! これって、午後の番組じゃないのかっ? 時計止まってるぅっ。うちの中はシーン! オヤジ、私をさしおいてどこ行ったぁ!?
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<練習問題23>について

 1.「水・木・金」は並列関係を示す中点なので、点字でも中点をつけます。
けれども、墨字でも「水木金」というふうに書くこともあり、その場合は「スイ モク キン」と打つことになって、それで充分意味はとれるわけです。
ならば、わざわざ中点をつけるには及ばない、という意見もあると思います。
ですから、点訳物の種類などにもよって、その辺は使い分けていいでしょう。
たとえば市町村や団体のお知らせ・催し物案内でしたら、内容が伝わる、ということに主眼があり、簡潔であることが求められているでしょうから、敢えて中点をつけなくてもいいと思いますし、文学作品などで、作者の表現方法をできるだけ忠実に伝えたいときには、中点を省かない方がいいでしょう。
 「わあ、働きすぎだあ!」「それとも、風邪?」「よりによって、こんな日に!」はそれぞれ独立した文章だと考えられますから、これらの「!」「?」は句点に代わるものとして、あとを2マスあけます。
 2.「見合い?をする」という場合の「?」は明らかに文の途中ですから、あとは1マスあけます。  「えっ? 違うよ」の場合、両方の解釈が可能かもしれませんね。
「えっ?」が独立の文だと考えればあとを2マスあけるし、「えっ、違うよ」と同じ感じだと思えば、1マスでいいでしょう。
点訳者の解釈次第です。
細かいことを言うなら、この練習問題では、「?」のあと墨字で1字分あけてあるところは文が切れている、という書き方をしています。
文中のときは、あけてありません。
そういう表記の法則を見つけられれば、ここは文が終わっているつもりなのかな、と当りをつけることができます。
けれども、文中でも1字分あける書き方もあるので、この本では、あるいはこの書き手は、どういう表記をしているのかを見極めないと、参考にはなりません。
 「それだけでもないかナ?」のあとは2マスあけでいいですね。
 3.「あゆみ・ひとみ・まい」は並列なので、原則として中点をつけます。
特に、固有名詞の並列なので、はっきりさせるために中点があった方がいいと思います。
 「月2、3回」の打ち方はいいですか?
およその数ですから、「数符2数符3カイ」で、読点は使いません。
 4.「インテリア・デザイナー」「スイミング・スクール」の中点は、点字では省きます。
マスあけがあるので、わざわざ中点で区切る必要はありません。
 「幼児・学童」は並列ですから、中点をつけるのが一般的です。
 「見習い・兼・雑用係」はどうでしょう?
「見習い」と「雑用係」は並列的な関係ですが、少なくとも「兼」は違いますね。
ですから、これは「ミナライ■ケン■ザツヨーガカリ」だろうと思います。
 「画廊・アリス」の中点は、最近新たに「つけてよい」ということになった、言い換えの場合ですね。
画廊であるアリス、ということでしょう。
でも、もしかすると、この画廊は「画廊・アリス」という名前なのかもしれません。
この文からでは、そのへんの事情はわかりませんが、いずれにしても中点をつけておけばいいですね。
 「先生!してる」の「!」は、文の途中ですから、あとは1マスあけです。
 5.「私?」は短いけれど独立した文なので、「知らないでしょ?」のあとと同様、2マスあけます。
 「ベスト・ミステリー・クラブ」「ステップ・アップ・シリーズ」の中点は要りません。
 それに対して「囲碁・将棋」は並列ですから、中点をつけます。
 「5、6号」は、先ほどの「2、3回」と同じですね。
 6.「デザイナー・森川優子・42歳」の中点はどうですか?
並列でしょうか?
彼女についての情報という意味では、並列的な関係かもしれません。
でも、内容的にその3語が並列関係だとは言いにくいですね。
では、言い換えに当たるでしょうか?
「デザイナー・森川優子」だけなら、言い換えですね。
ただ、年齢までは言い換えとは言えそうもありません。
となると、「デザイナー・■モリカワ■ユーコ■■数符42サイ」あるいは「デザイナー■■モリカワ■ユーコ■■数符42サイ」でしょうか。
こんなところで2マスあけるなどという話は聞いていない、とお思いでしょうね。
これについては『てびき』では少し先のp98〜99にあります。
「森川優子」という言葉が姓と名の間にマスあけを含むので、「デザイナー■モリカワ■ユーコ■数符42サイ」だと、等間隔にあいてしまい、ま、この場合は誤解は生じないと思いますが、具合の悪いことも出てくるのですね。
それを避けるために、中点や読点をつけずに別の言葉が並ぶとき、しかもその言葉の内部にマスあけが含まれるときは、外部は2マスあけます。
この辺については、別の意見もあるかもしれません。
 7.「ナント!!うちのオヤジ」「どうしてくれよう!ってかんじ」は文の途中ですね。
あとは1マスあけです。
 8.「1994・10・27」は、『てびき』p62に書き方の例が載っていますね。
1マスあけに変える、ということです。
それで間違いではありません。
ただ、この場合、表とか箇条書とかではなく、普通の文章の、しかも、かなり喋りに近い表現の中ですね。
そうすると「数符1994ネン■数符10ガツ■数符27ニチ」と打ってしまった方が滑らかに読めるのかもしれない、という気もします。
私だったら年月日を入れて打つだろうな、と思いました。
 「できないじゃない?」のあとも2マスあけます。
 9.「時間・知力・労力・演技力」は並列関係ですから、原則として中点をつけます。
 「東京・新橋」はどうでしょう?
これは東京と新橋ではなくて、東京の中の新橋、という意味ですね。
ある意味では、言い換え、と言えなくはないかなあ、とも思います。
「言い換え」といっても、A=Bという関係ではありませんね。
「エッセイスト・小島洋一郎」もエッセイスト=小島さんなのではありません。
中学校で英語を習ったときに、関係代名詞の訳語として出てきた「〜であるところの」という感じです。
「東京・新橋」がそれに当たるかどうか、ちょっと自信がないのです。
私は、この場合、中点はつけなくていいと思っています。
「トーキョー■シンバシ」で充分わかりますし、敢えて中点をつけると、並列なのかな、という誤解を生む可能性があるように思うのです。
これまで、並列のときには中点を使う、ということが多かったからです。
ただ、この点に関しても、異論はあると思います。
「入門教室」などというところでこんな曖昧な話をするのは、多分、不謹慎・不適切なのでしょうが、でも、このあたりが「みずほ流」ということで、お許しください。
 「チャイニーズ・レストラン」「スペシャル・ランチ」の中点は不要です。
 「ひ・み・つ」は、前にも書いたように、必ずしも決まった打ち方があるわけではありませんが、1マスあけでいいかなあ、という程度です。
 10.「起きるか!って」は文の途中なので1マスあけ。他の「!」や「?」は文の終わりで、句点に相当するので、2マスあけます。「ぎゃーっ!!」については、2.の「えっ?」と同じですね。
 「9:45」は、「数符9ジ■数符45フン」と読み下してしまっていいでしょうね。
 記号のことではありませんが、「止まってるぅっ。」の表記はどうするのがいいでしょう?
墨字では小さい「ぅ」に小さい「っ」なのですが、点字ではこういうところに小文字符を使ってはいけないので、「トマッテルーッ。」と長音符+促音符にしていいかと思います。
でも、「トマッテルウッ」の方が実際の発音に近いですか?

さて、こういう文章には、外来語ではない言葉のカタカナ表記がよく出てきます。
それなりのニュアンスを持っていることが多く、目から受ける印象は、平仮名の「すてき」、カタカナの「ステキ」、漢字の「素敵」ではかなり違います。
「おやじ」「オヤジ」「親父」も多分違うイメージだと思います。
終助詞の「ね」「な」「よ」なども、平仮名とカタカナではちょっと気分が違うでしょう。
けれども、残念ながら、仮名点字には今のところそれを区別する機能はありません。


Q. 中点の説明の所で、「五・一五事件」「三・三・七拍子」などの中点も、点字では要らないと書かれていますが、このとおり入力すると「数符5数符15■ジケン」と表記されることになりますよね?
もし仮に、「2・3事件」というものがあったら、「数符2数符3■ジケン」となってしまい、2〜3件の事件というような、およその数を表す書き方とごっちゃになってしまったりはしないのでしょうか?


2月3日に事件が起こるとして、「二・三事件」。
なるほど、語呂はよくないけれど、有り得なくはないですね。
その場合、点字では「数符2数符3■ジケン」と打ちます。
一方、事件が二つ三つある時は、「数符2数符3ジケン」でしょうね。
単位というか、助数詞は、前の数字に続けますから。
そういう意味では、墨字の方が区別がつきにくいんですね。
マスあけって便利、ということもあるわけです。
ですから、墨字で「二・三事件」と出てきたら、要注意です。
どういう意味の「二・三」だか、よくお確かめください。






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