目は前のスライドを見ながら 手元を見ないで書き留めたので
自分でも判読不能な文字が多く(^^;)読める範囲で(笑)書き出していきます。
前半部分は、みなさんご存知だと思うのでさらっと書いたつもりが
長くなってしまいました。すみません(^^;)

小耳症について
胎児期 内耳と外耳のできる時期が違うため
外耳に問題があっても内耳は大丈夫な場合が多い。
小耳症に合併症があることがある。
中耳炎の予防(よいほうの耳の聞こえが悪くなってしまう)

耳介形成手術について
7〜8歳ごろに大人の耳の大きさに近くなるが
身長135cm、胸囲60cm、体重35sが必要で
個人差はあるが 大抵10歳前後で手術を受けることが多い。
埋めた軟骨は60年70年ともつが、だんだんと細くやせてくるので
ある程度太くなってからが望ましい。
片耳の場合は反対の耳を、両耳の場合はご両親の耳を参考に
形をきめていく。

基本的には2回の手術。
1回目で肋軟骨を採取し耳に入れ
半年程たって、落ち着いてから2回目の耳起こし。(やり方はいろいろある)
細かい修正などで3回目、4回目の手術をすることもある。

硬膜外麻酔
背中から細い針を刺して、そこから少しずつ麻酔を継続的に数日間入れ、
痛みを軽減する方法。

軟骨は耳が右なら右胸、左耳なら左胸からとる。
フレームワークを耳の位置に埋め込んだ後、
皮膚と軟骨をくっつけないと形が出てこないのでドレーンを使う。(血を抜く)

手術後耳が腫れるが、3〜4ヶ月後には引いてくる。

オペ後 起こりうる問題点
1回目のオペ・・・感染、出血、皮膚壊死、植皮生着不良、首の痛み、
環軸椎亜脱臼、気胸(空気が抜ければ自然に治る)
2回目のオペ・・・感染(ワイヤーが露出してくるとそこが感染してしまうことがある)、
耳介の毛髪(レーザー脱毛)、
耳の隆起がきれいに出ない(晴れ感染など原因はいろいろあってオペをする場合もある)

日常生活の注意点
1回目の手術前
食事、洗顔、洗髪、運動は今までどおりでいい。
重要なのは 風邪を引かないこと。
アトピーのお子さんはコントロールしておく。
全身麻酔なので予防接種は1ヶ月前には済ませておく。

入院中の生活(2週間前後)
病院側(看護士さん)が見てくださっている期間。
しばらくはシャワー。洗髪はドライシャンプー。
退院のころには洗える。
洗顔は耳の周りを避ければ次の日からOK。
運動(動くとき)は胸と耳の衝突を避ける。
宿題は十分できる。感想文など書いておくと後々本人のいい財産になると思う。
友達ができたり交流を深めることができる、。
最近のお子さんは夜更かしで10時11時は当たり前。2〜3時の子も居る。
朝が起きられない。
入院前に早寝早起きの習慣を!!

退院してすぐ
食事、入浴は特に制限は無い。
運動面で 体育は一部(鉄棒やマット運動、組み立て体操、サッカー、バスケなど)
胸や頭に何かが当たる危険性の高いものはしばらく中止。
胸と耳の保護と手入れ
髪の毛の手入れ(傷に触れないように切るなど)
胸の傷のテープ貼り(傷が広がらないように貼る)
耳の手入れ(大事にするあまり不潔になりやすい。
お湯でやわらかいスポンジで洗う)

診察は施設によって違うが
2週間後、2ヵ月後、半年後に経過と合併症がないかなどをみる。

2回目の手術前(1回目が終わって3ヶ月以上たってから)
アトピー、喘息、花粉症(春にオペをする人が多い)のコントロール。
お耳の周りは清潔に。
インフルエンザに注意!

入院期間は皮膚が落ち着くのに時間がかかり
2回目のほうが長くかかることもある。
入院生活は友達とのひさしぶりの再開を果たす場でもある。

退院後
入浴、洗髪、運動は1回目と変わらない。
耳をぶつけないように気をつける期間は長くなる。

その後 
運動など活動後には家の人にセルフチェックしてもらう
出血、軟骨やワイヤーの露出など。
作った耳は元に戻らないことがあるので(再生能力が低い)
怪我をしないように注意する。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

東海大学 A松助教授

インプラント支持性エピテーゼと骨植立型骨導補聴器(BAHA)について

エピテーゼは人口の耳で
耳に2本金属のねじを打ち込んでフレームワーク(土台)をつけて
シリコン製の人口の耳をクリップでとめる。

歯医者さんのインプラント(埋め込みの歯)を
1980年スウェーデンで耳やそのほかに応用できるのではとはじまった。

今はチタンなので骨が入り込んでき隙間無く完全に密着してくる。
毛を含んでいない皮膚だと赤くならずきれいになる。

よいことばかりではない
骨の状態によっては溶けてなくなり(吸収)数年経つと
ねじが浮き上がってくる。(周りの骨が浮き上がってくる)
放射線治療やほかに問題があると起こりやすく
必ずうまくいくとはいえない。
骨に固定する手術が必要。手術に費用がかかる。

今はスウェーデン製 とドイツ製があり。
ドイツ製は網のようなものをねじで止めるタイプで周りの皮膚と安定する。
保険が使える。ただし 補聴器はシステムが無い。

良さは
めがねをかける気軽な感じで使用できる。

今までのものは接着剤で皮膚炎になったり、
動くと揺れるはがれてしまうなど不安定感があり
毎日 接着するのも大変で 見えない部分なので
うまく固定できなかった。

接着剤はいらず いつも同じところにパチンと一回でつく。
皮膚炎の心配も無い。
接着剤を使わないのでエピテーゼの耐用期間も長くなる。

自分の体のものを使う従来の耳介形成が一番だと思うが
なんらかの事情で自分の骨で耳をつけられない場合にいい方法である。

BAHAについて 
スウェーデンで1985年に開発された
伝導性難聴に適した骨導補聴器である。
ねじ(1本)を耳の後ろの骨に埋め込んで そこに直接補聴器を取り付ける。

鼓室形成術とBAHAについて
鼓室形成術は一時的に聴力が回復しても時間が経つとまた低下してしまう。
小耳症は構造が普通の人と違う場合が多く
顔面神経を傷つける可能性が多少高い。
鼓室形成術をする場合は複数の耳鼻科の医師の話を十分聞いてきめたほうがよい。

BAHAはTV、ウォークマン、電話専用のアダプターもある。
ぶつかったときに骨の根元から取れると困るので
簡単に外れる構造になっている。
大変なオペではないが 骨の厚みを気にしながらねじをうつ。
(骨の向こう側に大事な血管があるから)
実際に骨の厚みが問題でだめだったことは無い。
骨の向こう側はすぐに脳ではなく空洞になっているので
別の位置にやり直して空けなかった場所に埋めていたが
空いていても大丈夫そう。
最低3ミリの厚さはほしいということで、何ミリまでとはわからない。
今のところは薄すぎて装着できなかったケースは無い。
スウェーデンでは5歳過ぎたらできると言われているが
国内ではまだ小さい子の例は無い。
でも要望があればやっていこうと思っている。
耳介形成は10歳ごろだが問題の無い場所に打つので
耳介形成への支障は無い。

カナダに専門の施設がある。
そこでも軽い炎症が起こることはあるがひどい炎症は無い。
4〜10年間で炎症は3.6パーセント。

費用
シリコン製の耳(エピテーゼ)スウェーデン製の場合
(ドイツ製のものは保険が使える。補聴器をつけない場合)
打ち込み2回法 すべて自費50〜80万程度(1週間の入院、薬代など含む)
エピテーゼ本体の作成 すべて自費40〜50万程度。

BAHA (ドイツ製はシステムが無い)
入院50〜80万+機材50〜60万
100万以上かかる。場合によっては150万近くかかる。

日本で最初のBAHAユーザー YUKIKOさん(両耳)
高校2年でBAHAを装着。
見た目や圧迫感、皮膚の痛みが気になり限界を感じていた。
鼓室形成術をしたがあまり効果が無くBAHAをつけた。

見た目が気にならなくなり。装用感がない。
(機械なので水に弱くお風呂でははずさないといけないが
はずすのを忘れてお風呂に入りそうになったこともあるほどだそうです)
TV、電話、ウォークマンにつけられるアダプターで
はじめて使ったときには音のすばらしさに感動されたそうです。

私は 不幸ではなく得ることが多いと言えるのも
BAHAのおかげだと仰っていました。

BAHAを使いながらスポーツはできるが
壊れると困るのでスポーツのときはヘアバンド型にしているそうです。

厚生労働省の認可のほうは進んでいない
患者の数が少ないと元が取れないからと止まったらしいです。
待っていると5年10年はかかる。
医者サイドからも働きかけてくださっている。
でもすぐには下りないだろう。今は個人輸入という形になっている。