同性愛の夢(?!)



そろそろ春。うららかな日差しの中で、あたしは彼女と一緒に、お布団のなかでぬくぬくしていた。彼女と言っても、いわゆる恋人同士ではない。しかし普通の友だちというには、ケンカばかりしていて、どうもそれらしくない。どちらかといえば、家族に近い。

あたし、スキンシップは好き。’彼女’のつるっとした肌のぬくもりが気持ちよくて、彼女をさわりまわしている・・と、なんとなくファックしてみたくなった。じゃあやってみようかと思ったが、凹凹ではやりようがないのでやめた。

というのも、数日前にヘンな夢をみたので、少々懲りているのであった。その夢とは、あたしに戦艦大和の大砲のような巨大なおちんちんがついていて、誰彼かまわず’ぶちこんでやる!!’と騒ぎ立てたい気分になる、というものであった。でも、やや違和感があり、触ってみると・・きゃあ、ない!。そこで夢から覚めた。

この’大砲の夢’は、あたしとしてはやや興味深いものだった。フロイトの提唱した「エレクトラコンプレックス」を彷彿とさせるものだったからである。男の子の、おちんちんをめぐる「エディプスコンプレックス」に対比する説明のできないことに腐心していたフロイトは、女の子が男の子とお医者さんごっこなどをしているときに、自分におちんちんがないことに気づき、「あたしもおちんちんが欲しい」と思うことから精神性的成長をとげるという説をたてた。でも、この説は現在、一般に否定されている。

あたしも数人の友人に聞いてみたが、自分におちんちんがついている夢はみたことがないというのが答えであった。とはいえ、「女に生まれて幸せか、私にとっては不幸せ」という服部浩子さんの歌を例に出すまでもなく、女の大半は、ふとあるとき「男になりたい」と思うものだが、これは男社会という環境にあるという現実がある。ちなみにあたしは、技術翻訳でもっとも大切な、各業界の知識に加えて、最新のパソコンとHDD。サブパソコンはWindousとMS-DOS切り替え式で、旧MIFESでつくったプロ顔負けの、300をこえるMIL言語マクロを駆使し、高速入力のできる親指シフトキーボード・・これで月100万円、「うまい、早い、安い」の牛丼の吉野家をものともせず、高級ソープ嬢と競争的な稼ぎがあった。

いまも、インタープレスの専門用語180万語対訳大辞典と一般用語の訳に使う200万語を超すオンライン辞書、用語は可能な限りインタープレスで統一。業界屈指の訳者・・のはずなのだが、最優先していた女社長の翻訳会社の得意先は全部廃業し、その他の会社もほぼ壊滅。依頼者は大会社にかぎられているから、1ドル80円の円高ではもう輸出も望めない。かくして私は風俗嬢に身を転じたのであった。

仕事では女というと、ごく少数の例外を除いて、ろくな仕事もできないと思われがちである。おまけに力仕事はできない、生理の面倒くささ(余談ながら、あたしは貧乏性で、ウイスパーを買おうと思っても、つい2個パックの安いロリエのチャームナップを買っていた。うす汚れたおりものがべったりついて、先がひん曲がったナプキンを見ると、頭がおかしくなりそうである(じつは「うつ病」で立派におかしいのだが)。

話がそれた。たしかにあたしは女の子がすきなのだが、自分から女の子をセックスの相手ときめているわけではさらさらない。フロイトの「夢は願望充足である」なんていう言葉のみを抜き出して、「あなたは’彼女’とセックスがしたいのでしょ?」なんていう浅はかな憶測はして欲しくないものだ。フロイトによれば、夢は反社会的にならないように、「置き換え」などによって本人にもわからないように「加工」されるものなのである。

たとえば、レズビアン用双頭強力おちんちん・・なるものがあったとすれば、あたしは’彼女’に「よー、ねーちゃん、今夜はこれで濃厚なセックスしない?」なんて平気で言えるだろう。とはいえ、そんなヘンなもの使う気にもならないので、ギャグにしかならないけれど、ともかく実際にスラスラ言えることを、わざわざ加工して夢にする必要なんて、あるわけがない。

別のある女の子と同居していたとき、彼女が自分は女も好きなのだとあるおばさんに言ったら、「気持ち悪い」といわれたらしい。でも、「気持ち悪いっていうのは、自分が女の子に惹かれるということが前提になっているわけでしょ? そんなおばさんのことを好きになる女の子なんているわけないから、気持ち悪いなんていったって意味なしじゃない?」

それは確かなこと。あたしだって「相手は男じゃなくちゃイヤ」という女の子に無理じいする気はさらさらない。その’親友’にしてもそうで、スキンシップのあるなしが人間関係に影響を与えることなんて全然ない。

一般に、男は女に「やらせてもらう」なのだが、女は女に「やってあげる」のである。当の「やってもらう女」でさえ、これを勘違いしていることがままある。

ともかく、あたしは女の子が好きだけど、レズビアンではありません。女の子とお布団でぬくぬくすると、お互いに笑い出してしまうことが多く、本当に息ができなくて笑い死にするかと思ったこともあります。でも、女の子とのスキンシップはやはり好き。

11/3/30

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