うつ病は治らない


ネットのどこをみても、「うつ病は治る」とただそれだけ。私は質問してみたい。「どうして治るんですか?」と。たとえば自動車は、自動車屋さんにもってゆけば、きちんと修理してくれる。それは、自動車のメカニズムを知っているからである。

メカニズムの分からないものは治せない。では、うつ病のメカニズムは、どれだけ分かっているというのか。一般に、医者はプロだから、なんでも分かるとおもっている。これは大間違いで、ほとんど分からないというのが現状なのだ。また、一口にうつ病といっても、教科書通りの患者なんて一人もいない、といっても過言ではないだろう。

ただ最近、うつ病は脳内のセロトニン、ノルアドレナリンといった物質の代謝が関連していることがわかり、SSRI、SNRIといった抗うつ剤が、盛んに使われるようになってきた。これで、うつ病はかなり寛解(正しくは、精神病は’治った’は言わない)するようになってきた。しかし、これだけでうつ病のメカニズムがわかったといえるだろうか? とんでもない話しだ。「半年もたてば治りますよ」なんていうひとは、たぶん駆け出して30分くらいで世界一周ができるような特殊な人なんでしょうね。

ある抗うつ剤や精神安定剤を飲むことで、働けるようになったというケースは星の数ほどある。中には誤診も山ほどある。つまりもともとちょっと落ち込んだだけの誤診でうつ病にされた患者なら、何もしなくてもすぐに治る。

だが、5年10年と寛解しないケースも、また星の数ほどある。突き詰めて行けば、’本物’のうつ病患者はある意味で「几帳面/完全癖」なのである。これは性格だから、そう簡単になくならない。なにかの状況にまきこまれることで、うつ病が重くなる可能性は十分にある。寛解状態が長続きする人はラッキー。でも、根本的に完治したわけではない。無理はしないでね。うまい話しはないのです。


2005/10/20
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