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「合宿」 作・真城 悠 雑多な小説トップに戻る |
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変な夢だった。 自分が何か別のものに変身していくのだ。それもなんと女の子に! へえ、面白い夢だな…と思った。こりゃ悪くない。 それにしても感覚的な夢だな…この胸を締め付ける感覚ってもしかしてブラジャー? あはは。良く出来てる。 それならこの全身を包んでる柔らかくてすべすべした感触は女性用の下着だってか?脚も何だか裸…って言うかスカートみたいだし…。 …何だか出来すぎだな…妙な気がしてきた。…そろそろ起きるとするか。
「ゆうちゃん、こっちこっち」 女の子が手招きしている。 「待ってよよっちゃん」 小さな男の子がふすまを開けて入ってくる。 「わあー、いっぱいいるー」 「しいーっ!大きな声出しちゃ駄目だよ」 月明かりの照らし出すその大きな部屋には、十数人の少年たちがマグロの様に雑魚寝していた。 「すごいねー。何の人?」 「どっかの野球部のひとたちなんだって」 「へえー」 「で、よっちゃん持ってきた?」 「うん。これ」 ファッション雑誌、の様に見える本を取り出す。 「で、よっちゃんはどんな服が見たいの?」 「うーん、そうねえ…」 「まって、その前に練習するから」 「あ、あたしも見る」 「選びなよよっちゃん」 「いいの。ゆうちゃんが「れんしゅう」するのを見ながら考えるから」 「そう、分かった」 その少年は一番隅の布団に歩み寄った。 「じゃあ、いくね」 「うん」 少年はその布団に寝ている生徒の上から掛け布団をどけた。パジャマ姿の生徒がガーガー寝ている。 と、その胸がむりむりと盛り上がって行く。腰が細く締り、ヒップが張ってくる。 「ん、んーん」 寝ぼけているのかつぶやく生徒。変化のほうは構わず続く。ロングヘアが布団に広がり、その身体は柔らかく、丸みを帯びたそれになる。 「わあ、可愛いーい」 「そうだね。じゃあ、最初はこれにしようか」 パジャマが下半身は黒く、上半身は白く変色して行く。 「ん、…むにゃむにゃ…」 そのパジャマのズボンはプリーツの入ったスカートになり、セーラー服姿の女子高生が完成する。 「これが「せえらあふく」ね」 すりすりとスカートの中の脚をこすり合わせているその生徒。 「じゃ、次行こうか」 寝ている所を難なくショートカットの似合う可愛い女の子にされる次の生徒。 そのズボンは短いチェックのミニスカートになり、上半身はブラウスに真っ赤なネクタイになる。 「これが「ぶれざあ」だよ」 「すごいすごーい。ゆうちゃん何でもできるんだね」 「えへへ、まあね」 「じゃあ、次、これ見して」 本のあるページを開く少女。 「おやすいごようだよ」 やはりグラマーな女性にされる次の生徒。 パジャマ全てがぴっちりと身体に張りつく。その足首には黒い、踵の高い靴が現れ、なまめかしい脚線美の脚をアミタイツが包んで行く。頭にはうさぎの耳を模した髪飾りが現れ、お尻には白いぽんぽんがちょこん、と乗る。濃い化粧がその顔に施され、首に蝶ネクタイが巻きつく。
「わあー素敵いー」 「これってね「ばにいがある」って言うんだよ」 「へー」 「あ、あのね」 何やら耳打ちする少女。 「うん。分かった」 すらっとした女の子になった次の生徒のパジャマが見る見る白くなっていく。やわらかなその脚に白いストッキングがかぶせられ、その身体は白いワンピースに包まれて行く。少し長めになった髪の頭にナースキャップがちょこん、と乗る。 「これは分かるでしょ?かんごふさん」 「うんうん!」 すやすや寝ている女の子…にされた生徒のパジャマは紺色のスーツへと変わって行く。しかしやはり下半身はスカート。それもミニで、黒いストッキングである。上品な印象のその服の首におしゃれなスカーフがぐるりと取巻く。 「わあ、すちゅわーですさんだあ」 「かっこいいよねえ」 「あこがれちゃうなあ」 今度の脚は剥き出しだった。ストッキングは穿いていない。しかしその足首にはやはりすらっとしたハイヒールがかぶさり、スカートと化したパジャマの脇に発生した切れ込みは上昇を続け、パンツの見えるぎりぎりまで至った。そのスカートはワンピースだった。上半身も同じ派手な模様のその衣装に染まって行く。 「ちゃいなどれすう!」
「これはぼくもはじめてだあ」 「ん…んん…」 寝返りをうつその生徒。 大胆なスリットがめくれあがり、その美しい脚線美の素足の殆どが空気にさらされ、あまつさえ下着まで露出する。 「きゃあ。ゆうちゃん、駄目よ見ちゃ」 布団をその上に掛けて隠す少女。 「見てないよ」 「危なかったわあ」 と、ふすまがすうっと開く。 「ん?誰だ?何をしてる!」 「きゃっ!見つかっちゃった!」 どかどかと問答無用で踏み入ってくるその大人。 「大丈夫。しんぱいいらないよよっちゃん」 「どうして?」 「れーすくいーんになあれ!」 「何を言ってるんだ?さっさと自分の部屋に…」 と、その大人の胸がぐんぐん大きくなってくる。 「な、何だこれは?」 そう言っている間にもお尻も大きくなり、蜂のようにくびれた腰が形成されて行く。 「あ、あわわ…」 ストレートのロングヘアがさらりと垂れ、筋肉質だったその身体は一回り小さくなり、ふっくらと柔らかい、女性的な身体へと変貌する。しかも抜群のプロポーションである。 白魚の様な、真紅のマニキュアが施されたその手を見ながら言う大人。 「そ、そんな…」 ズボンがばっさりと短くなる。その踵をハイヒールが押し上げ、上半身にパジャマがぴっちりと張りつき、ワンピースの水着になって包み込む。何時の間にかその手には日傘が握られている。 「はいこれ」 目の前に姿見を差し出す少年。 そこに映っている息を呑むほど美しいレースクイーン。 「あ…」 と言ったが最後、その場に崩れ落ちる様に気絶してしまう大人。 「ね?大丈夫だったでしょ?」 「ほんとだあー。…続けよっか?」 「うん」 その後二人は部屋に寝ている野球部員をチアガール、バレリーナ、メイド、巫女さん、シスターに変えていく。 「あと一人になっちゃったね」 「じゃあ、よっちゃんが一番見たい服にしてあげるよ」 「ええー。何かなあ」 「それ」 「…?あ!お嫁さんだあ」 パジャマ姿の男子だったその生徒は、純白のウェデングドレスに身を包んだ美しい花嫁になってしまう。 「きれーい」 「みんなやっちゃったし、そろそろ行こうか」 「うん。そうね」 「じゃあ行こう」 「おやすみー」 「おやすみなさーい」
翌朝、その民宿は大混乱に陥った。
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