昼下がり　車庫上がり

HIRUSAGARISYAKOAGARI

劇団あおきりみかん其の拾壱「昼下がり↓車庫上がり↑」

　　　　　　　　　　　　作・演出　鹿目由紀
○●ＮＡＧＯＹＡ●○
　　　２００４年６月２４日（木）１９：００　　　　　　　　２５日（金）１９：００
　　　　　　　　　　　２６日（土）１４：００・１９：００　　　２７日（日）１３：００・１７：００
　　　　　　　　場所　　　　　　　愛知県芸術劇場小ホール

○●ＴＯＫＹＯ●○
　　　２００４年７月１６日（金）１９：００　　　　　　　　１７日（土）１４：００・１９：００
　　　　　　　　　　　１８日（日）１４：００・１９：００　　　１９日（祝）１３：００・１７：００
　　　　　　　　場所　　　　　　　劇場ＭＯＭＯ
　　　　　　　　上演時間　　　　１時間４５分

○●あらすじ●○
ある昼下がり。３人兄弟が、なぜか車庫の上に張り込んでいる。『浮気現場』を押さえるため。
ところが突然現れた刑事からある『張り込み』を依頼されたのが、始まり。得体の知れない人物が、次々と車庫上に現れては、３兄弟に『依頼』をしてゆく。当初の目的は全然達成されぬまま、翻弄されていく３人。
３兄弟はすべての『依頼』を達成できるのか、否か。
彼女は浮気をしているのか、否か。
車庫の上から無事に降りられるのは、一体いつになるのやら。

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○●CAST●○
山村秋次郎　　松井真人
山村春一　　　とみィ（いちごメロン）
山村真冬　　　山中崇敬
二階堂旬也　　井通３０２（フリー）
藤原涼子　　　大屋愉快
吉村泳未里　　中元志津
乃南陽子　　　近藤絵理
宮部光枝　　　水谷悦子
お隣りの女　　成田けい
謎めいた女　　木村仁美

○●STAFF●○
作・演出　　鹿目由紀
舞台監督　井上知也（鶴舞座）
　　　　　　　とみィ　山中崇敬
舞台美術　松井組
大道具　　　とみィ
　　　　　　　中村公彦（イリスパンシブルティ）
小道具　　　チーム「匠」
音響　　　　近藤絵理　長谷丈二
音響操作　　神阪立人（フリー）
照明　　　　　吉戸俊祐
照明操作　　水谷悦子（水谷組）
衣装・メイク　ヒロ　成田けい
制作　　　　　松井真人　中元志津　伊藤利佳
　　　　　　　　水谷悦子　手嶋仁美　木村仁美
　　　　　　　　宮田瑞江
宣伝美術　　高畑あかり　鹿目由紀　松井真人
スチール　　小河原俊彦
ヘルパー　　塚本玲子　林本めぐみ　おぐろまい
　　　　　　　　石丸徹　結城真奈美　花村広大受付　聖澤毅（smart+）　六鹿弓子（smart+）
　土田愛子（smart+）　尾関崇之（劇団EARTH）
　近藤紀子（フリー）　藤井由美（フリー）
　篠木美佳（フリー）　佐々木真砂子（フリー）
　眞弓梓（フリー）　中島緑（フリー）
　藤田まどか（フリー）　小林育恵（フリー）
　小崎康史（ＫＯＭＥＫＡＭＩクラッシャーズ）
　鈴木卍（劇団木彫の熊）　ちゃぼ（フリー）
　采野七待（劇団わがままキッドナッパー）
　くりはられな（演劇企画ミルク寺）
　手塚美南子（劇団天然工房）
　伊藤利佳　手嶋仁美　塚本玲子　石丸徹
撮影　　　小河原俊彦

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○●チラシごあいさつ●○
15年間住んでいた家は、一戸建ての平屋だった。
階段を5段のぼると、目の前が玄関。
家の左側には、けっして広くはないが、豊かな庭があった。かえでの木は美しく、松が刺さるくらい張り出し、つつじ、ほおずき、山吹、水仙、八重桜などが、代わる代わる目を楽しませてくれた。雑草が勢いよく生えすぎるのが難点で、母がブツブツ言いながら草むしりをしていた。私は手伝わないので、よく怒られた。
庭の奥の方には、小さな畑があった。キュウリやトマト、なす、いちごを作っていた。いちごは鳥に食べられた。鳥に負けじとこっそりいちごをついばんでいたら、また怒られた。
畑のすぐ隣りに物置があった。小さい頃は不思議な物が発掘できる部屋だなぁ、と思っていた。昔使用していた古い家具や置物、三輪車などが収納されていた。ここでかくれんぼしていたら、またまた怒られた。
さらに隣りには、車庫があった。
コンクリートの車庫は、暗くてひんやりして、夏はよく車庫に入ったものだった。よく猫も涼みに来ていた。あんまり居心地が良かったのか、子猫を3匹産み逃げしていった。その3匹は「シロ・トラ・サクラ」と名付けられ、鹿目家の住人となった。
雨の日は車庫を基地代わりにして、近所のますみちゃんとしほちゃんとゴム飛びやケンケンパーをして遊んでいた。1台しか入らない車庫の端っこに、自転車も入れていた。私は自転車をはみだして置いたので、ここでもなお怒られた。
そして…車庫の上。
てっぺんには塀をつたって、容易に登ることができた。ある時私はそこでおたまじゃくしを飼っていて、ある日ルンルン気分で登ったら、夏の照りつける太陽にやられて、ひからびて死んでいたという哀しい事件があったのだった。
しかし今回のお話は、そんな「おたまじゃくし事件」とは全く関係ありません。
夏のあおきりみかんは、すっきりさわやか。けれどもちょっぴりビターテイストにご賞味ください。　