米でたばこ増税続々

 
 昨年来の景気減速で歳入不足が探刻化しているアメリカの各州で、財源確保の切り札として、たばこ税引き上げの動きが広がっている。半数近くの州政府が値上げを実施、または検討中で、ハワイ州などは一箱あたり一j(約百三十二円)の大幅値上げを計画中だ。ただ、愛煙家の間からは「財政悪化のツケを喫煙者に押しつけるのは不公平」との反発も強まっている。(シリコンバレー京屋哲郎)
 
 アメリカのたばこは、一箱二j台から四j台程度だ。たばこ税は連邦政府、州政府、市などの地方自治体にそれぞれ課税権があり、州税分については、名州議会で課税額が決定される。連邦税は一箱あたり三十九kだが、州税分は最も安いバージニア州が二・五kに対し、一j以上が七州を数えるなど格差は大きい。

 ワシントン州は昨年十一月、全米のトップを切って一箱あたりの州税を六十k引き上げ一j四十二kとしたほか、四月からニューヨーク州が同三十九k引き上げ一j五十kに、コネティカット州が同六十一k引き上げ一j十一kに値上げした。

 全米州議会協議会によると、このほか二十一州が値上げを検討中で、うちハワイ州などを含む十一州が同五十k以上の大幅引き上げを見込んでいる。

 増税による増収額は、ワシントン、コネティカット両州とも年間約一億三千万j (約百七十億円)を見込んでおり、ワシントン州が健康関連基金に、コネティカット州は赤字財政の補てんに使う予定だ。

 アメリカでたばこ増税の動きが加速している背景には、業界の地盤沈下や嫌煙運動の高まりがある。
 エール大学法学部のピーター・シャツク教援は「公衆衛生の維持・促進という合理的な説明で有権者の理解を得やすく、政治的に非常に簡単な財源確保の方法」と分析する。

 ただ、「たばこは既に最も高い税率を課せられており、財政の帳じり合わせの増税は正しい解決法とは言えない」(フィリップ・モリス)と、狙い撃ちされたたばこ会社や愛煙家たちの反発は強い。   (2002/04/12 読売新聞記事)