【夏の賢い水分補給】

(いつも"ふざけた内容"を掲載している為…今回は、かなり[真面目]内容と致してみました?)
夏を元気に乗り切る為、防衛医大・臨床検査専門医の[水分摂取に関するアドバイス]を紹介させて戴きます。

〜水無しでいられるのは三日だけ!〜

人間が水無しで生存出来る期間は[僅か三日]と言われています。
例外的な場合は当然ありますが、なぜ水が必要なのかについて少し説明しましょう。結論からいうと、人間は水を出しながら生きているからです。
まずは腎臓からの排泄です。成人では毎分1ml。1日だと約1.5Lと云う計算になります。
次は不感蒸泄。少し難しい用語ですが、気付かない蒸発による排泄と云う事で、この蒸発には二つの経路が有ります。一つは汗腺からの汗による皮膚からの水分の蒸発。体温を保つ為に一定量が常時失われています。蒸発量は気温による影響を受け、当然ですが気温が高い日には多くなります。
もう一つは気道からの呼気による蒸発です。不感蒸泄の量は、気温と体温の影響を受けます。通常の室温で、平熱とすると不感蒸泄は体重1Kgあたり1時間に0.5ml程度です。
最後に排便に伴う水分の消失です。消化液は1日で5〜10L程度分泌されています。水分は殆ど大腸で回収されるので消失量は0.1L程度と推定されます。以上を計算して行くと、1日に必要な水の量は2.5〜3L程度になります。

〜脱水の前に水分補給を!〜

体内に必要な水が足りなくなると[脱水症]が起きます。脱水症は、その程度と期間によっては死に至る事も有ります。
夏の脱水症により発汗が止まると、体温上昇が起きてしまいます。自律神経系は血液量を維持する為に体の水分を血管内に集めるよう働きます。それでも水分が足りなくなると体温上昇に加えて血液の濃縮が始まります。
あまりに血液が濃縮すると、本当のどろどろ血液となって、体の細胞への酸素・栄養素の供給量が落ちて来ます。最終的には、循環血液量が落ち、血圧が低下してショック状態となるのです。
水分補給する上で重要な点は、脱水が予想される前に水分を摂る事です。
例えば、空調が利いた部屋から炎天下の外に行く場合は脱水が予想されます。水分補給は先ず外に行く前に行うべきです。量的には大量に摂る必要は有りません。大量に摂ると尿量が増加してしまい、移動中に尿意を覚えてしまいます。数口ペットボトル等から飲んで、移動中に少しづつ補給しましょう。
落とし穴は入浴です。入浴中は体温が上昇するので、当然ですが発汗量が増加します。ですから先ず入浴前に水分補給して下さい。飲む量は入浴時間やお湯の温度等で変わりますが、コップ一杯程度が適量でしょう。
(2007.7/20)

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