橋本 貢

橋本 貢

「 生まれしもの 」

2.雪がふる
 
  雪がふる
  雪がふる
  遠い見えない ところから
  遠い見えない 理由から

  それは大昔の ただ こんこんの
  眠りだったころの 地球に
  ふとある日 訪れたのか
  それが もとで この世の中に
  かずかぎりない 生き物たちが
  生まれでることになった
  小さなかすかな一つの夢が

  そのとき 天に
  生れて初めての 嬉し涙があふれ
  それは はるかに落ちつづけ
  落ちつづけながら そのはるけさに
  磨かれつづけ 磨かれつづけ
  かがやく花びらになって とどいたのか
  この地上の すべての者のうえに

  その初めての 雪から
  なんまん なんおく年
  今となっては もう
  なかったのかも知れないと思えるほどの
  そんな遠い日を 思い出すたびに
  今も 雪をふらすのか 天は

  雪がふる
  雪がふる
  だれも知らない はるかなその日を
  なつかしむように
  記念するように


貢彩会(kousaikai)