同意権・取消権








=後見の取消権=


本人のした行為を取り消すことができる。

 後見の制度においては、本人がした行為は、本人及び成年後見人において、取り消すことができますが、日用品の購入等日常生活に関する行為については取り消すことができないとされています。


たとえば・・・


 訪問販売で不必要な高級布団を買ってしまった。


売買契約の取消し


 これは、本人に日常生活に関する行為をする能力があることを前提としたものではなく(本人は「日常的に必要な買い物も自分ではできず、誰かに代わってやってもらう必要がある程度の者」である。)、本人の自己決定の尊重及びノーマライゼーションから、法律はそこまで介入せず、日常生活に関する行為については取り消し得ないとしたものです(「新しい成年後見制度における診断書作成の手引」(最高裁判所事務総局家庭局)より。)。


 後見の制度には同意権がありませんが、これは、成年後見人が付される者は、「自己の財産を管理・処分できない程度に判断能力が欠けている者、すなわち、日常的に必要な買い物も自分ではできず、誰かに代わってやってもらう必要がある程度の者」であるので、成年後見人に同意権を持たせる必要性がないからです。 



=保佐の同意権=


保佐人の同意が必要な行為

 本人が保佐人の同意を得ることを要する行為をするには、保佐人の同意を必要とします。
 ただし、日用品の購入等日常生活に関する行為については除かれます。
 民法には、保佐人の同意を得ることを要する行為(保佐の場合、これらの事項が当然に付与される。)が定められています。


同意権の追加
(同意権の範囲を拡張する必要がある場合)

 保佐人の同意権は、同じ保佐の制度を利用する者の状況が、全て同じであるとは限りませんので、必要に応じて保佐人の同意を得ることを要する行為を追加することができます。

保佐人の同意権に関する申立て


追加した同意権の取消し

 追加した同意権については、その必要がなくなれば、その一部又は全部を取り消すこともできます。
 ただし、保佐人の同意を得ることを要する行為(保佐の場合、これらの事項が当然に付与される。)については、補助の制度との区別をなくしてしまう関係上、取消しはできません。


保佐人が同意を与えない・・・

 本人の利益を害するおそれがないにもかかわらず、保佐人が同意を与えない場合は、本人の申立てにより、家庭裁判所が、保佐人の同意に代わる許可を与える制度が設けられています。


本人のした行為を取り消すことができる。

 本人が保佐人の同意を得ないでした行為については、保佐人及び本人はこれを取り消すことができます。



=補助の同意権=


 本人の行為に対し、補助人の同意を要することの定めをすることは、保佐人の同意を得ることを要する行為の一部に限られます(補助の制度の場合、当然に同意権が付与されることはありません。)。
 補助人の同意権は、必要に応じて追加することも可能であり、必要性がなくなれば、その一部又は全部を取り消すことも可能です。


同意権・代理権の全部を取り消す場合

 補助人の同意権及び代理権の全部を取り消す場合は、補助開始の審判を継続させる必要性がなくなるため(補助開始の審判には、当然に同意権及び代理権が付与されるものではないため)、補助開始の審判を取り消す必要があります。


補助人が同意を与えない・・・

 本人の利益を害するおそれがないにもかかわらず、補助人が同意を与えない場合は、本人の申立てにより、家庭裁判所が、補助人の同意に代わる許可を与える制度が設けられています。


本人のした行為を取り消すことができる。

 本人が補助人の同意を得ないでした行為については、補助人及び本人はこれを取り消すことができます。
 ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については除かれます。







取消権行使による現存利益の返還

 本人の法律行為が取り消された場合には、現存利益を返還すれば足ります。


 〜現存利益の返還の考え方〜

@)  有体動産や不動産は、現状で返還する。
A)  金銭の場合、遊興費等に浪費したときは現存利益はなく、生活費その他の有益な出費に充てられたときは、それだけ他の財産の減少を免れたから、現存利益はあり、これを返還しなければならない。



追認権

 本人が成年後見人等の同意を得ずにした行為について、本人及び成年後見人等は、本人の法律行為を追認することもできます。

@)  取り消すことのできる行為を追認したときは、初めから有効なものとみなされます。
A)  追認は、相手方に対する意思表示によって行います。



同意権行使の指針

 同意権を行使する場合には、通常人並みの注意を払って、本人が有する財産状態を把握して、本人の生活の在り方を収入・支出の面から調べた上で、その必要度・有益度(例えば、生活費稔出のための処分や、他に不要・不急の財産があるかなど)を考慮して、本人の生活設計上利益となる方向で同意・不同意を決定すべきです。



法律行為と事実行為
(重要なことですので、是非ご覧ください。)





成年後見人等の職務


法定後見制度の利用
(法定後見制度トップ)







成年後見


岡戸秀仁
岡戸事務所

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