青い夢
(15cm×15cm)



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地上に住めなくなった時、生き物はかつて暮らしていた海に戻るのでしょうか。
その時は青い空と風の音の夢を見るのでしょうか。

愛・地球博/童美連参加企画 出品
テーマ:「環境」


地上に住めなくなる時、というのは地球の歴史を考えればいつか来る事かもしれません。
それは人の手による温暖化や環境汚染という事に限らず、星そのものの持つ環境変化の振幅に人が着いて行けなくなる事はいつか来るだろうという事です。
こんなふうに考えたのはたまたまNHKで放送された「地球大進化」なる番組を見たばかりだったから。46億年の間に起こった地球の「全海洋蒸発」や「全休凍結」などの衝撃的CG画像に度肝を抜かれた方も多かった事でしょう。あんな状況においても住む場所を選んで生き残った微生物のしぶとさ、新しい環境を求めて海から陸に上がった生き物たち。何かが起こればあるものは滅びあるものは適応し、あるものは別の場所へ移って行きます。
いつか生き物は地上に住めなくなる事があるかもしれません。その時には海にいる物だけが生き残るのではなくて、地上から海に戻るものがいるに違いありません。人が人の形を持ったまま地上から海に移る事は無いでしょうが、そのような事を想像すると、青い空、風の感触や木の葉擦れの音を感じられなくなる事への寂しさ懐かしさがこみ上げてくるのです。もちろんその個体はそんなものは最初から知らないのでしょうが、新たな世界を得る事と失うもの、という事が強く心をとらえたのでした。