2007/06/12

奇跡の瞬間

はすでに12日から始っていた。
実際には遥か以前からかも知れない。
アメリカからの流星号の襲来やらtubasa気象庁の情報など
早くもオオクワゲットの情報だけは事欠かない
職人気質の某ペンキ屋さんなどに至っては
外灯で小さいながらも押す♂捕獲の電話を受け取っていた。
全く、月じゃなくてツキに恵まれた人だ。
内輪では有名な非有名ポイントで押す♂ゲットなど
当該外灯を忘れかかっている私からすると

今更ながら信じがたい。
変だ偏だ片だ編だ。どうだ!!!

あのスジのプロはその筋のプロなのか

 


ころで
心福島に在らずの私は
初回は宮城で行うことにしていたが
仕事都合もあったので岩手から着手した。
天候も宮城って感じじゃない

当日は快晴。
雲ひとつ無いこの時期の灯火屋にとっては、ひどく隠微な天気だ。
日中の気温は珍しく上がっていた。高脂血漿のデブには大敵だ。
いろんな意味でやる気を損なう。

モチベーションを維持する為にも
いろんな回想を繰り返しつつも
地図オタクのtubasa気象庁リクエストの某河川の遥か上流を目指した。

「悪くない・・・・」「でも、良くも無いか・・・」
「微妙・・・」
温泉関連施設がとても目立った場所だ。
ブナの原生林も近くにあるらしく玄武岩も切り立った尾根には
何かしら心をクスグラレル。

でもここは下見と割り切って進もう。
温泉のガスに巻かれて中毒死も嫌だ。

去年、岩手で初の♂を得た地点へと移動した
寒い!日が落ちると一気に冷たい風が半袖の裾をくすぐった。
取りあえず点灯
おっと転倒

2箇所目の設置場所でヤマハが火を噴かない。
3月には問題なく快調だった発電機がプスプス ぷす。

20回か30回かもっとか
腕が張ってきた
やっぱ点かない。
諦めた。

オイルも交換したし、ガソリンもキャブから抜いておいたが
成果はなかった。
結局1箇所で止める事になった。

当日の結果はこの通り。
さて、秋田へいざ移動じゃ。

さてお仕事、お仕事。
夜のお仕事も・・・。
お客さんのお誘いに吸い寄せられて
夜の蛾の下に今週のイベントは終わってしまった。

週末はドクターKと共にヒラタのポイント探しへ行って見るが
コクワを見たほか、洞の奥に逃げられた怪しいクワ以外に
でも、それヒラタだったりして・・・。


2007/06/20

週、気を取り直して東北へ向かう。
天童へ降りると天候はまずまず
月齢は・・・駄目かな??


まずは仕事を制してクレームを処理して
あっちに連絡こっちに連絡
あー頭が痛い。
八方塞がりだ。

ドクターコガネから電話が入った
「ドクターkだが、様子はどうかね??」

ドクター小金は大事なお客様の一人でコガネの大家でもあり
コガネイにもSMCにも詳しい。
特に最近ではSMCにはミヤマをお裾分けしているらしく
なにかと情報通だ。
仕事面では支障・・・ではなく師匠でもある。


「天気はバッチリだろ、何時までも仕事してないで速く行け」

「了解しました」

「傾向と対策は出来ているのか??」

 

「大丈夫です」

「去年とは違う角度で攻めてみます」

「思う存分やって来い、後悔を残すな」

「解かりました」

もう太陽はすっかり沈んでいる。
ここでは月がしっかり確認できた。

銀縁号の手綱を引くと疾風のように峠を駆け抜ける。
レスポンスは抜群だ
いざ隣の国へ仙台藩62万石。
昨年来の調査で

面積 7,285.53km2
人口密度 322人/km2
世帯 864,882世帯
人口 2,347,970人
人口増加率 -0.09%

こんな事まで解かった
そうか、人口もクワガタも減っていたのか?

一見して豊かな森もかなりの植林が進んでいて
ブナの森の林道を入るとスギ、杉、椙、過ぎだ。
なんでこんな所までスギなんだ。
県の総生産の約7割は第3次産業だと言うのに・・・。

いや待て、思い出すんだマーフィーの法則を!
「そんな事してる場合か?時間が無いぞ」

「仙台藩で10回目の記念すべき日なんだ」


「そうだ、絶対にこの法則はいけるはずだ」

「杉山だ。この林道から杉山を照らすんだ!!」

頭の中では、俄かにマーフィーが回りだす。

 

バカッ!!っと!!


 

そして山にお祈りだ。
最近は欠かさずやっている。
たまにトンデモナイ道を経て採集に望むので
安全と採集の祈願をする。

早速ミヤマが飛で来た
と、どっかへ行っちゃった。

しばし何も飛んでこない。

全然飛んでこない。

かなり飛んできてない。

やっぱり、飛んでこない。

発条仕掛けのマーフィーも

今にも回転を止めてしまいそうだ。

 

こんな場所では電話も繋がらないし。

暇だ。蛾だって少ない。

懐中電灯の下には小さな蛾。

大きな蛾、が、ガッハハハ・・・。

 

 

 

 

お、

っとコクワが一匹。♂

少しは飛んでくるじゃん。

でも

それっきり何もこない。

さっきのミヤマも何処にも見つからない。

イイカゲン帰ろうかな今夜の宿に。

そうしよう。

細い道で橋の方に向かって銀縁号を反転させて

名残惜しんで居ると

 

チンッ・・・・。

ん??

 

まさかあの音は??

 

ひょっとすると・・・。

 

so−da!

 

しかも  「でかい」

大概の場合は測ると縮むのだが・・・。

下見から3年

4箇所で実行

10回目にして

この仙台藩で

初の宮城産の

オオクワガタを手にした。

そして山に手を合わせる。

しばし合掌。

触覚の部分には蛹の時の形跡がある。

ひっくり返してみた。

ダニは付いていない。

とても綺麗な個体だ。

、帰ろうとか思ったがまだ来るかも知れない!などと

30分ばかり粘る。

でも、チェックインの約束の時間が迫っている。

深追いはよそう。

十分だ。

十分すぎる結果だ。

 

島産も新潟産も山形産それから秋田産も

まだ採れていない青森産も頭のなかで

音をたてて崩れ落ちて行った。

もういい。

 

今夜の成果を忘れる事は永遠に無いだろう。

ホテルに戻って交友のある人たちにメールする。

一人ビールで祝杯を挙げて眠りに就く頃には明け方が近づいていた。

 

宅へ着いてノギスをあてて、もう一度驚く事になる。

適度に両顎を開いて測定してみたなら

   70.5mm 

68mmのマイギネスを一気に更新だった。

これを契機に少しはページも更新しよう!!