2006/07/17〜22

07/17

先週から体調不良が続いていた。
左顎の辺りから耳に掛けて妙な違和感を覚えている。
きっと何かの刑事・・・啓示だったのだ。
 

の病気にでも掛かってしまったのだろうか?などと不安を覚えながらも
高速で先を急ぐ。それでも東北への道のりは長い。
たぶん気のせいだろうと体調不良の自分に言い聞かせる。

宮城の山中は妙にヒンヤリした状態。
今日もまたポイントを探して持てる時間の限り走り倒す。
夕暮れは間近だ。

今年の天候のせいなのかそれともいつもこうなのか??

辺りににはいつの間にか霧が立ち込める。

人面犬の見守る中、セットの準備を完了。

どうやらお腹を空かしているらしい。
弁当の半分を残して人面犬にアゲル事にした。
すると、あっと言う間に平らげていた。
我が家のパンは元気にしているかな?

そのうちに暗闇が迫って来て点灯開始となった。
「寒い」
何にも飛んでこない。
ホントはこの辺は何も住んでいない空白地帯なのでは
などと空想を巡らすうちに時間切れとなり宿へと急ぐ。

/0718
翌日の仕事を終えて再び彼の地へと急いだ。
今夜も飛来条件は厳しいが昨日に比べて気温が少し上がっていてる。

さあ点灯だ。
北!着た!来た!黒いでかい

ノコだった。

お次はミヤマ、そしてミヤマ♀

2張りを交互に見に行くが結果は写真の通りでガッカリってとこだ。
 


雨にも負けず
風にも負けず
そんな男に・・・。


雨の中の撤収となる。
なんら糸口すら掴めない。

07/19
秋田県に移動する。
「状況はどうだい?・・」
「だいぶよさそうな気がします」と

ドクターの声には懐疑的な何かを感じてしまう。

「やっぱり簡単には採れないよな」
そんなことは・・・・。

秋田 大森付近は
本日快晴!!でも何か期待感が無いのである。
今夜は仕事のスケジュールが圧しており移動だけで
一夜を開ける。
少しでも身体を休めよう。

07/20
翌日は 久々のブルジョワさん、ブッチャーさんの登場だ
集合場所からほどなくの地点でヒメオオの採集となった。


この日の最大個体は54mmとかつて無い好サイズ


そして夜が襲ってきた。
限りなく早足で。

日暮れ近くに現地入りして
ようやく甲虫の飛来が始った。
今夜はいったい何が飛び出すことか?

期待に胸を躍らせて灯火を灯す。
オオミズアオが早くも出勤している。
この時期には早いツノトンボも来ている
きっと近くに居たのだろう。

奥にはドクターKが

さらに奥にブルジョワさんが

最終地にはブッチャーさんが
オオクワの飛翔を待ち構えているはずだ。

小型のアカアシが飛んできた。
ミヤマが飛んできた。

コクワを呼んだつもりは無いが・・・。

その時、奥から一陣の光が俄かに現場を照らした。
奥から車が戻って来た。
何があったのか??????????????
 

「耳が・・・」

「はい???」

 

「急に耳が痛くなって」

「我慢できないので病院にいってきます」とブルさん

 

「病院に・・・・???」

「え????」

 

「あ、オオクワだ」

 

その後の40分でオオクワをブッチャーさんがシトメた。

不在になったブルジョワさんのセットにも来ていた。

ドクターのセットにも、

そして私のセットにも

この地のパフォーマンスがフルに発揮されていたが

何しろブルジョワさんの様子がきになり病院に急いで駆けつけると

ブルさんが頭を抱えて痛んでいる。

痛がっていたのだ。(最近のサッカーシーンに使われている間違った日本語を取り入れてみた)

たぶん私の間違った日本語は自分では感知していないので・・・、まあいいか。

 

 

 

病院に着くと先生がブルさんの耳から何か取り出していた。

きっと大きな耳くそだと思う。
「そうに違いない」

「変な耳くそ!!」

 

 

何か羽の様だ。

先生がパニックを起こしている。
いったいどうした事か??

ブルさんの耳の中にロウト状の金属性の物体を突っ込んでいる。

先生あなたはMなのか?新しいプレーか何かなの?教えて

 

ブルさんに金属製の何かを突っ込んで、おまけにピンセットなどその中に

入れて何をしているのか???・?

・・・・。

解かった。クワガタでも耳に隠しているのか!!

 

暫くして

「キャー」

「ヤダー」

勢い余って

腰が抜けて

ひっくり返そうな先生

ブルさんの耳から取り出された”それ”はマサシク”蛾”だった。

「記念に一枚」

「ここでお召し上がりになりますか??それとも
 お持ち帰りですか??」

「じゃ、お持ち帰りってやつで・・・」

きっと良い記念になると思われたので

ビニール袋に詰め込んでいただいた。

 

取り出されていたのは

何度となくピンセットに羽根を奪われて元気をなくした蛾だった。

ブルさんは水銀灯だけでなく

耳でトラップを仕掛けていたのだった。

才能だ。天災、天才かもしれない。

おそらく人には真似出来ない。

真似したくないトラップだった。

 

その夜の結果は良好だった。

ブルさんのセットには♂が・・・。

ブッチャーさんには沢山の♀が(♀に人気らしい)

私だけが惨敗で

ドクターKにも♀が飛来した。

それでも「耳トラッパー」には敵わないのだった。