2005/07/13

今年は後厄だなんて気にも留めていなかった。
スタートは残雪の影響もあって遅れていたが順調に去年までの採集候補地を次々に埋めている。
この日も地域としては2度目の挑戦になるが下調べは万全だった。

入口がいたって狭いので、かなりの注意が必要だ。
広い場所は大光量で誰かが占有している。
瀬から響く川の流れは暑さを忘れさせる”涼”のイメージだが身体をつたう汗が滝のようだ。
最悪とも云える張り場ではあった。日が暮れてセットを運び込むにはかなりキツイばしょだ。
高低差があって、足を引っ掛けながらの前進である。30分以上掛けてセットを完了した。


何のためにそこまでするか?と問われれば
イメージの確認に他ならない。
確認してみたい衝動に駆られて林中にセットを運び入れる。
この光量では沿道からもトラップの存在すら気づかないだろう。
初めての理科の実験みたいな新鮮な気持ちで胸が膨らむ。

外灯を周り始めた頃。
真っ暗な場所では蛍光灯の明かりでさえ全て見て回った。
一際明るい外灯を見つけては入念にチェックしていたが、時にはたいした明るさじゃない電柱の照明で
或いは裸電球のような外灯下で オオクワを見つけていた。納得がいかないケースが多々あった。
半径2メートルほどの張り場は「真夜中の実験室」だ。
少し離れた場所では強大なビームが飛んでいるのが判る。
 

単純に見た目で比較すれば行燈とナイター照明だが結果はどうか?
有名になっているポイントに攻め方の工夫が今回のテーマだ。
てな事を言っている間に、いきなり♀が飛んできた。

続いて♂、とダブル飛来。
やった。でも、ちいさー。

車に戻って撮影。腹部には咬まれた痕が・・・。

調子良くゲット出来たのであったが1時間経ってもその後に追加は無かった。
諦めよう。目的は早々に達成されたのだから。

発電機は点けっ放しで器具の回収に入ったところで1♀を追加した。
下に潜り込んでいたのだった。危うく潰してしまうところだった。
ヤッケのファスナーをあけて再び放り込む。
さっき放り投げたミヤマが足元に再飛来している。
踏み潰さないように、もう一度投げた。


 


またまた時間を掛けてエッチラ・オッチラ。懐中電灯だけが頼りだ。
僅かばかりの光にも蛾がまとわり着く。顔の辺りがモゾモゾする。
途中からは力なく運んでゆく。体力を使い果たしてしまった。
車に積み込んでリポDとアリナミンを飲み干し元気気分。最後にアクエリアスでトドメだ!!
実際効くのか????一次しのぎの興奮剤か??おしっこだけは黄色くなるよな?


 

爽快な気分で帰路に着く
はずだった。

 

帰りの国道沿いで、御尻を振りながら外産生物が歩いている。
眉間の辺りに白い模様の入ったやつだ。
他の場所では 何度も出くわせているが、視界に入って直後から見ているのはいつもお尻だ。
まして正面から捕らえるチャンスには到底出会えないと思われる。
道路脇をあまり急いでいるとは云えない調子で先導している。
もっと近づいて行ったら途端に藪に逃げ込んでしまった。

ユーモラスな走りに魅了されているうちに
外灯群が視界に飛び込んできた。
比較的、撤収時間が早かったので少しドライブしながら見て歩く。

外灯の先行者が途切れた合間なのか?来ていないのか?
アカアシ、コクワ、ミヤマがあちこちにいた。
1時間ばかりで2♀を追加できた。
そろそろ明日の仕事が頭を過ぎる。
「おれはアスリートじゃないし、止めよう!」
健全な判断で直ぐに方向転換する。

それにしても十分な成果だった。
40*4*2>・・・・・1/m二乗が確認できた訳だ。

 


本日の成果。