2004/08/15
一緒に採集された方、Yさん、ライターさん。


この日は正直なところ不戦敗だった。
勝負に出るほうが、おかしい天候だ。
栃木のベースキャンプにいても涼しい。
天気予報はtubasa気象庁に聞くまでも無く寒い。

山の中はきっともっと寒いに違いない。

ところが、Yさんから電話。
口実にしてさらに出かける。採れるかどうかは運次第
口実が出来てしまった以上、じっとしているわけには行かない。


結果は寒さにクワガタはノコ♀1
Yさんはクワガタ0だったようだ。たまにはそんなこともアリです。
疲れもあってYさんはご傷心だ。

Yさんに依れば、知らないうちにライターさんが
途中参戦で?私が片づけしている間に帰って行ったらしい

やっぱり全部でノコ1??かも

帰り道、Yさんにベースキャンプに立ち寄って頂き
前日までの成果から2♀♀持ち帰って頂いた。

Yさん、ライターさんお疲れ様でした。 


余談

昨日は散々な結果となった。
雨、霧とで尊大な実験室を作り上げた。なにせ自然が創り上げた物にはどう逆らってもカナワナイ。
ちっぽけな採集者など何の相手にもならない。様々な採集者によって破壊、侵食を繰りかえされて
荒廃して行く環境のなかにあっても自然の掟のようなものが息づいているのだ。

直近では休止中の浅間山の噴火が火山灰を東北地方にまで降らせている。人の手を介して環境が
変化してゆく以上に昆虫達にも大きな試練を与えているに違いない。
無論、人による破壊を肯定するつもりは全くないが、突然に予想を遥かに上回る変化を伴う。
そこにはなにか無秩序なようでいて、どこかしっかりとした法則があるに違いない。

初めてネットに接続した頃、エントロピーとかフラクタクル理論などPCの演算機能を駆使して擬似的
な自然を再現するソフトに出会った時には「目から鱗が落ちた」気分だった。
公式に変数を指定すると演算の結果を二次元でプロットしてビジュアル化したものだった。
ある数字を入力すると原始時代を彷彿とさせるシダ類の思わせる画像が出てきて、また数値を変化
させるとブナやクヌギの樹冠を思わせる画面となって、植物の進化を連想させるソフトに感激したこと
があった。現在も私と違って数学的にすぐれた先人達がさらに面白い物を公開しているので、興味が
湧いたなら探してみていただきたい。


 

近未来

「全国的にオオクワガタが戻ってきた」
昭和の終わりごろから平成初期にかけて、一大ブームとなったオオクワガタだが
当時、採集目的で台場クヌギのホコラの中に煙幕や酢酸エチルを入れて
成虫を中から取り出したり、半枯れや立ち枯れたクヌギやその他の木々を
破壊し、幼虫を取り出したりする行為によって全国の産地はすっかり壊滅してしまった。
各県でレッドデータから絶滅種に変更されつつあった。

あれから50年かつてのブームを支えていた年代の老齢化が進んだほか少子化により
国内の人口が著しく減った事などが細々と生き延びたオオクワガタに活路を与えた。
大地震の影響と人口の激減でスラム化して廃墟と化した東京地区にもオオクワガタの
生息が確認されて、年々増えていることが確認されている。

しかし、一部地域では当時海外から盛んに持ち込まれた種が交雑、増殖してしまった上
悪質なブローカーに依る故意に行われた交雑種の定着によってかつての生息域であって
もオオクワガタが全く姿を消してしまった地域もある。