2002/06/12
福島県某所 単独灯火決行。
先週から天気図を眺めながら、台風の様子を気にしていた。
私の頭の中は、台風=温風+湿度=オオオクワの飛来。その模式図が駆け回っていた。
福島県を通過するのは6/12だ。この日に万難を排して臨まなければと思って1週間後を待った。
多少は日程がずれるものと思っていたが、ほぼ予定通り天候は進んでいた、はずだった。
ところが、台風は12日を前に勢力を落とし熱帯低気圧に変わってしまった。おまけに思ったより早く6/11にはとても蒸し暑い夜となってしまった。正直ガッカリしながらも仕事を済ませて、福島に向かう。
暗闇の中、先週と同じ場所に灯火をセットする。今回は腰を痛めているので軽量の発電機を持って来た為ワット数は稼げない。300w2灯、200w1灯で合計800wだが、前回より僅か天候に恵まれているのでその分を差し引いて十分な光量が取れていると思われた。
セット直後からミヤマ♂が飛来、続いて♀と好調なスタートだったが時間と共に気温が低下した。18℃まで下がって、多少の霧が出てきた。クワガタの飛来が止まってしまう。ゴールデンタイムを終えて12頭のミヤマと3頭のコが来た。一度飛来が止まった時間から40分経過してカミキリが飛んできた。まだ大型の甲虫が飛べる条件は揃っているようなのだが。さらに30分待っても何も飛んでこない。そこに雨が・・・。思い切ってセットを畳む事にした。明日の事を考えるとこれ以上は無理だ。少し外灯を見て下山しよう。
小雨の中、一人セットをたたんで外灯に出た。
様子は決して悪くないようだ。外灯にはコ、ミヤマが沢山落ちている。雨も路面が濡れるほど降っていない。いつもの外灯コースを半分以上回ってしまい、目指すオオクワガタはまだ見ることが出来ないでいる。今日は飛んでいないのか?
考えてみると、さっき見た看板のポイントもミヤマがいたのだが、看板の隙間から顔を出していた。
飛来したタイミングは、きっと昨日だったのではないか?
昨日はこちらも蒸し暑かったはずだ。
オオクワガタも沢山発生していたに違いない。
都合がつけられなかった事に今更ながら腹が立つ。
同時にこうなると迷いが頭を過ぎってくる。
「これ以上探しても無理だから帰って寝た方がいい。」
「いやいや、もう少し探せよ!きっと見つかるよ」
二人の人格が交互に話し掛ける。
しかし、どうしても後者の声が大きく聞こえてしまう。
そして深夜の俳諧を続ける。
やがて久々にその時がやってきた。
何しろ今年はもう外灯で3連敗、灯火で今日をいれて3連敗だこれ以上打率を落としたくない。
外灯コース終盤で気温の低い地域のアスファルトの上を一度行き過ぎて、さっき来た道を引き返すと
何か怪しい影が懐中電灯の光に映し出された。
慎重に近づいて見ると待望のオオクワガタ♀だった。やっと巡り合えた!
一度手にして改めて写真を撮った。撮ってから、どきどきする気持ちを何度も反芻する。
タコボーズの山を作ってやっと手にしたオオクワガタ。
そして6/12が自己採集で最短記録となった。
この日の結果は最大のミヤマ69mm(中央2段目)を含めてミヤマ21、コ34、オオ1と高収穫。
オオクワガタ♀を帰ってから測定すると42mmあった。なかなかのサイズだ。
前日の暖かさがかなり影響したと思われた。