2001/11/24
その朝の始まりはこうだった。一度目覚ましが鳴り、暫くして消えた(正確には無意識に消したらしい)。そして再び目を覚ましたら、まもなく6時30分をというタイミングだった。やってしまった。夕べは娘のhaーがバレエの練習のあとの打ち上げでカミサンと共に午前1:00近くに家に戻った。待っている間にパソコンに向かっていた為ついつい寝そびれた結果だった。
それから途中まで同行する娘二人をたたき起こして、何とか7:00に家を飛び出した。集合場所までは約2時間。平日とは違ってこの時間はまだずっと走りやすい。途中の農道で限りなくゆっくり走る軽トラックなどを追い越し、大欠伸をしながら田んぼ道をすり抜け裏道のオンパレードでやっと待ち合わせ場所に到着。娘二人を実家に置いてすぐさま出発だ。同行者は前回同様Kさん、Mさんだ。
快晴、何処まで行っても最高の天気だ。前回、大タコの採集日には天気も危なかったが今回の天気は何だかいい予感!。たとえ何も取れなくても写真は良く撮れそうだ。前回よりもやや標高の高い場所を選定する。
途中の山でのスナップ。
何処にでもありそうな
長閑な風景だ。
(邪魔な電柱など一部合成してみた写真)
目的の場所に到達する間に、途中で細い立ち枯れを見つけて車を降りた。立ち枯れの先端近くにツリガネ茸?が生えていた。一度場所を確認して写真を撮るが、下は固くて虫が入っている硬さではなさそうだ。そこで脚立を取りに車に戻った。脚立を広げて立ててみるが、上りきって叩いてみるとやはり硬くとても歯が立たない状態だった。
何だかとても美味しそうなキノコが生えていた。
同行のK氏も持って帰ろうとしていたが
帰りには忘れていた。
「今日はキノコ採りに来た訳じゃない」
そう云いながらも持ち帰ってみる用意をしている。
コクワの食痕を追うKさん。
コクワガタでもタコよりまし!
ところが、ブチッ!
「いたいた!」とK氏が声をあげる。先ほどのブナの立ち枯れの上部から落ちていた枝を見つけた様でサクサクと切り崩していた。近づいてみると、コクワガタの幼虫が潰れていた。その他の食痕を辿ってみるが他には見つからなかった。ここまでで、普段以上の体力を使ってしまったメンバーはとりあえず、栄養補給に車へと急ぐ。
日ごろの運動量が少ない状況からは想像を越える重労働だが、好きな事をやっているので汗が気持ちいい。
K氏は今回から、足の裏にボツボツの付いた専用?(クワガタ専用なんて聞いたことが無い)足袋のようなスパイクを導入している。また、前回までは刃物も私の小斧をお貸ししていたが都内で仕入れてきたらしい。かなり熱が入っている!!この際、そんなことはどうでも腹が減った。今朝買い付けてあった、おにぎりとパンに食らいつく。何時も朝飯をろくに取らないケンケンパだが、山で食べると食が進む。
一汗かいたメンバー。
何時もの如く?昼飯の風景。
集合が遅れたので
今日のメニューは
セーブオン
セブンイレブン
ファミリーマート
とみんなバラバラだ。
Kさんが珍しく焼きそばパンを持っていない??
標高の低いところは杉を中心に植林されており
高度を上げるとナヤ、ミズナラ、シラカバ他など
が混じり、標高を上げて行くほどブナが
多くなってくる。
時折見かける巨木はミズナラが数本。
絶対数はかなり少ない。
立ち枯れの大木の最上部に
大きな「猿の腰掛け」がいくつも
付いている。
(写真の中央部)
先ほどのポイントからさらに標高を上げて、適当に三人其々立ち枯れを探す。Kさんがいい立ち枯れを発見したらしい。「脚立持ってきて・・・」と叫んでいる。
初めに幼虫が出てきた。
けっこう頭の色が濃いような気がする。
体長にして15mm程度かな?
次いで卵があった。
中央下の薄い黄色が卵です。
少し上が空間を空けてあります。
左は産卵の為に♀が掘った坑道で
切りくずが沢山詰まっている。
(画質が・・。ごめんなさい)
タコトレを振るうM氏
ハイポーズ!
脚立に長時間乗って、
実は足がプルプル。
交代した全員プルプルでした。
カメラのを構える手も
も震えてしまう。
小さ目の幼虫に悪戦苦闘中です。
「ちょっと、待った!」
「ハイ、いいよ!」
「ナイスキャッチ」
ほとんどの幼虫が冬モードへ突入している。
体液を不凍液状にして積雪の多い季節に
備えている。
下の写真も参考にご覧ください。
幼虫のお尻にかけて
透明になっています。
実際のところ
頭の色が濃いのがほとんどなのだが
小さくて判断がつかない。
育ててみてのお楽しみ。
取り出した幼虫は大小合わせて26匹あまり。オオクワガタならば2令幼虫が10匹程度で残りは初令だった。三人で成果を山分けする。採集したら、その場(山)で分けるのが正しい山分け?かな。そういえばMさんには予定があったはずだが、一向に帰ると言わない。今回なかなかの成果に帰るわけにも行かなくなってしまったようだ。
その後も周辺に同様の立ち枯れを探したが、いい条件の立ち枯れは既に誰かが削り取っていた。開口部にコクワガタの蛹室があって、大きな頭だけが入っていた。きっと、誰かが削りだしたときにグッサリやってしまったのでろう。沿道を散策して次回の為に備えた。だいぶ気温が下がってきた所で下山することにした。
後日、山分けした幼虫をKさん行きつけのショップ(宇都宮のアントラー)へ持ち込んだが、やはり小さい幼虫で種類が判定しにくいとの事だった。オオクワガタの可能性が大きいが、場所柄ヒメオオやルリの可能性もあるようだ。