2001/07/26(木)

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このところ暑さは絶好調だ。毎日朝から暑いし、湿度も十分である。昼間の仕事も連日連夜の出動でかなり息切れをしている。夜になって蒸し暑いのはいいが、昼間だけは涼しくあって欲しいなどと勝手なことを考える毎日だ。仕事も絶好調ならいいのだが、このところ全般に不景気が影を落とし始めて困っている。業種が特殊であるためか今年の前半まで、およそ去年までが特別に良かった。

今年の外灯オオクワ採集は仕事に反して今のところとても順調だ。2000年は7月の終わりから10月に掛けてかなりの時間を使って4頭を採集したのだが、今年は7月までにもう4頭とかなりいいペースでめぐり合っている。こうなるとそろそろ運が尽きてくるか?それともこのままこのペースで採れ続けるか????本人は勿論後者しか考えない。そんなに甘いはずはないのだが・・・。

外灯採集も、昼間に現地入りして周辺の環境など下調べが大切だと思う。外灯を従えた山々の距離はどのくらいか?その山の樹種はどんな風に分布しているか?風向きはどうか?天気予報なども重要な情報源の一つになる。そうは言ったものの、普通のサラリーマンが平日の日中から山に入っていられるほど世間は甘くない。外灯がどの辺にあるかが解っていても、夜にならないとどんな色でどのくらいの明るさに点灯しているかはやは解らないのだ。去年から精力的に南会津全域を採集しているが、本人が思っているよりも行動しているその範疇は狭い。まだまだ知らない外灯が沢山あるに違いないのだ。

そこで、さらにこれまでに見ていない外灯を探してみることにした。仕事で出発時間が遅くなって第一陣のゴールデンタイムを完全に逸してしまったので、いつも通り過ぎているだけの橋の袂から細い道路をたどって山の奥に入っていった。暫くすると、川を渡ってさらに奥のダムに通じる道に出た。途中の橋でアカアシ♂♀とコクワ♀を見つけてさらに奥に進んだ。小規模なダムがある場所で、水銀灯を見つけた。探せばそれなりには見つかるものだな〜と勝手に感心したりしている。ここでも大きめのアカアシ♂を追加した。しかし、オオクワの姿はありませんでした。

新潟に続く道の途中もあちこち見てみるが、オオクワ大のガムシにお目にかかっただけで、外灯は沢山あるのにクワガタが極めて少ない。もっと奥地に車を進めてみたが、中ぐらいのダムがあった場所で諦めて戻ることにした。明日のことを考えるとそろそろ戻りながら見ていかなければならない。時折月が薄っすらと覗き込んでいて怪しいムードだ。再び標高の低い場所に戻って、いつも立ち寄るポイントへ到着した。外灯のカバーにコクワらしきものがとまっている。覗き込んでも眩しくてはっきりと見えないので暫くそのポイントで落ちてくるのを待った。回りを探すと、外灯のポールの真下にガムシとノコ♀がいた。15Mほどの範囲にコクワ2♀を見つけた。

ここは外灯の下が見やすい場所であるため他の採集者も多く訪れる。20分くらいの間に1台の車が近づいてきて私に気がついて帰っていった。平日でもライバルは走り回っている。外灯の光が反対側の白い壁に当たってちょうどライトトラップのように作用しているらしく、たまに壁に当たって近くにクワガタが落ちてくる。風向きが川から吹いてくるときにそんなケースが多い。反対側からの風が吹くとあまりクワガタがいない傾向だ。今日は川からの風が吹いていてちょうどいい強さだ。瞬間強い風が吹いて同時に、ポチッ、ポタと音がした。アスファルトにクワガタかガが落ちた音だ。壁に当たって落ちたようだ。小走りに近づいて見ると、背中にゴミを背負った大きな♀が落ちていた。懐中電灯で重石代わりにしておいてデジカメを取ってくる。走りながら目に焼きついたクワガタ姿を反芻する。オオクワガタ♀に間違いない。しかも大きい。
懐中電灯をどかすと、さっきまで沢山ついていたゴミが取れていたがやっぱり大き目のオオクワだった。急いでシャッターを切った。

採集したゴミのついたオオクワ♀の写真

南会津産オオクワ1♀(43mm)











 

昨日のうちに飛んできたモノがどこかに隠れていたのかもしれない。先ほどまでついていた蜘蛛の巣のような物ゴミは懐中電灯に引っ付いていた。結果、ケンケンパの保有する野外産オオクワガタの中では2番目に大きなオオクワガタとなった。でも、もっと大きいのがいるに違いない!次はもっと大きいのを採るぞ!!

いつもの事だが、これでさっと帰るわけには行かない!(帰れば良いのに・・・。)
またまたあちこち見て回って疲れ果ててしまい、途中の舘岩村の駐車場で日の出まで寝てしまった。帰り道の直射日光が容赦なく目を攻撃してくる。もう少し頑張って暗いうちに帰ればよかったな〜。