Blu-Lay Disc Recrder レポート

keiji clip board (TOP)に戻る   映像記録を考える (目次)に戻る   みなさまの広場 (掲示板)に行く
.
ライトアップされたBDZ-S77クオリアに写るハイビジョン映像は黒も真紅も絶品!!画質はプロフィール16:9とKDF-50HD900で確認

デジタル ハイビジョン放送の美しい映像と音が もたらす感動を、其のままの高画質で録画・保存
して、いつでも自由に楽しみたい!そんな夢が、2003年4月10日に登場した、ソニーのブルーレイ
ディスク レコーダー BDZ-S77によって、ついに現実のものとなりました。

このコレーダーは、BSデジタル ハイビジョン チューナーを内蔵し、BS デジタル ハイビジョン放送
などに採用されたMPEG-2 TS信号を そのままディスクに記録することで、美しいハイビジョンの
放送を快適に楽しむことが出来るのです。さらに 今までの映像を録画する機能も充実しています
ので、まさに全映像をディスクに確保し、アクティブに活用する道が拓けたことになります。

デジタル ハイビジョンは、先に登場したD-VHS(VHSサイズのカセットに、MPEG-2 TSを記録する
規格)でも録画可能ですが、それはテープ方式であるが故に、その使い勝手は今までのビデオの
ままです。つまり、録画にも再生にも頭だし操作が不可欠で、時間も掛かり、ストレスも溜まります。
出画しながらのサーチが基本的に出来ないので、今までのような頭だし操作は出来ないでしょう。
また、メカの動作や保管に問題が有ると、テープを傷めてしまうことも有ります。
参考>多くのD-VHS からのデジタル ダビングが可能ということなので、今までのD-VHS コレクションも活きてくるでしょう。

ディスク録画ではDVD レコーダーが先行しましたが、これは容量が4.7〜9.4GB程度であるために、
ハイビジョン録画には向かず、従来映像でも、使える画質では連続1時間ほどしか録れません。

その点ブルーレイ ディスクなら、転送レートが最大24MbpsであるBSデジタル ハイビジョン放送が
確実に2時間以上そのまま記録できるだけの用量が確保されており、従来の映像なら たとえば
長々と3時間も撮ったHi8テープでも、使える画質で最大2本を丸ごと収めることが出来ます。

DVダビングでテスト中 このページは、そんな期待のディスク レコーダーBDZ-S77の最も重要な
 機能である録画能力などを、少ない時間の中で 取り急ぎテストした結果
 レポートを中心にしたページです。比較・参考としてDVD 録画についても
 書きましたので、未来に引き継ぐべき 大切な映像資産を お持ちの方に
 限らず、DVDによる録画に関心を お持ちの方にも 是非お読みいただき
 参考にして頂ければと思います。m(_"_)m

参考>今回テストできた機材は、製品版直前の試作機であり、最終仕様とは異なる可能性が有ります。また、文中のDVD録画に
ついての記述は、基本的にDVDデッキを想定したものです。パソコンなどでDVDを作る場合は、エンコーダーソフトの性能如何に
よって画質は かなり変わりますが、多くは記録レートで決まりますので、参考になると思います。なお、文中の画面写真は テスト
映像の内容を表す参考であり、それぞれの画質を示すものではないことを ご了承ください。

デジタル ハイビジョンの録画
現在放送されている番組を録画する場合は、録画モードが本体の表示や画面表示でDRモードに
成っていることを確認し、違っていれば録画モード ボタンで選び、あとは録画ボタンを押すだけ。
今までのビデオに必須だった頭出し操作などは一切不要で、機械が自動で、録画済みタイトルの
最後尾に追記してくれるので、ディスクの残容量だけ気にすれば、実に気ままで気楽。

DRモードでは、MPEG-2 TS信号をダイレクトに記録するため、放送に含まれる5.1chサラウンド
音声やデータ放送も そのまま記録され、再生時は オンエアー時と同じように楽しめる。( ̄ー ̄)
参考>放送がハイビジョンではない場合は、データの量が少ないので、DRモードでは録画時間が長く成る。その他のモードでは
480i に変換された上でMPEG-2 TS 記録(再エンコード)される。音声やデータ等を含む総転送レートは、HRモードは16Mbpsの
固定。SR/LRモードは それぞれ平均で約8Mbps/4Mbpsを目指したVariable Bit Rate になっている。SONY によれば、例えばSR
モードでは、画の内容に応じて下は約3〜4Mbps、上は約10〜11Mbps 程度まで可変するという。つまり 録画可能な時間も
変動する。それは即ち、DVDの最高画質を超えるポテンシャルを持つと云うことにも成る。これはDV 端子からの録画でも同じ。

リモコン中央部 縦方向に長いリモコンは、造りがカッチリしていて、金属的な光沢の
 仕上げも美しい。テレビ側のスライド蓋を開けると、内臓BSデジタル
 チューナーの選曲や録画・録画モード選択 等のボタンが有り、蓋の
 上面にもボタンが配される。そして操作者側のスライド蓋を開けると、
 再生時の手動選曲やインデックス、DVD再生用のボタンも現れる。

 再生などの基本操作や 詳細な操作は、リモコン中央部の操作系で
 集中して行う設計。再生ならば再生ボタンも有るが 「タイトル リスト」
ボタンで録画済みタイトルのリストを表示し、ジョイスティックの上下&押し込みで再生を選ぶのが
スマート。そのジョイ スティック手前のレバーは、再生中に倒すと 早送り・早戻し(可変式で、倒す
回数により10倍→30倍→120倍速まで)になり、一時停止中に倒すとフレーム単位の正逆コマ
送りになる。ボタン類のサイズは問題ない範囲だが、人によっては小ぶりに感じるかも。
参考>画を出しながらの早送りなどは、間欠再生になり音は出ない。時間軸方向にも圧縮されているので、これは仕方ないかも。

録画は、当然ながら一時停止も出来る。そのレスポンスは、何コマの誤差が有るか?まではテスト
できなかったが、画面の表示上では即座に反応し、遅いとは感じられなかった。
また、事前に録画一時停止ボタンを押しておくと、録画スタンバイに成り、もう一回ボタンを押せば
即座に録画スタートする。これも問題ない。(これらの動作は、DVDの それと同様である)

しかし、ひとたび録画スタンバイにしてしまうと、録画モードを違えていても、録画スタンバイを解除
するまでは録画モードを選び直せない。しかも未だ録画していないにも関わらず録画スタンバイを
解除する都度に録画後の処理(INFO 情報の書き込みらしい)が行われ、しかも それが遅いのは
気になった。(15秒ほどを要する)

まあ、これについては操作前にモードを確認すれば済む問題だし、録画後の処理時間も、DVDの
それよりは遅いものの、ディスク録画では それが普通なのかも知れない。

そのハイビジョンの録画画質は、ソースに比べて僅かにコントラストなどが狭まる…などの情報が
有るにも、しかし それは画質が変化すると云うべき事では無いだろう。素肌のキメ もシットリ感も、
木々の枝葉も、着物の質感も…全てがハイビジョンの それであり、ケチが付けられない。厳密に
比較した訳では無いが、どう見ても劣化は見られない。そのままであるとしか云いようが無い。

人間の感覚とは捻くれたので、放送される生の画と同じだと、感覚的にイマイチ感動が薄い(苦笑)
でも、再生一時停止でも、コマ送りでも、早送りも出来る。何回でも、気の向くままに再生できる

ここで触れておきたいのが、専用開発されたハイビジョン用ブロックノイズ リダクションと云う回路。
絵柄が複雑で動きが激しい映像をMPEG圧縮すると、処理し切れない情報は近似した絵柄(幾多
ものパターンの幾何学模様)に置き換えられ、その絵柄がモザイクに見えるのでブロック ノイズと
云われるが、それを元の解像感は損なわずに軽減してしまうという、ド偉い回路である。

短い間のテストだったし、微細なハイビジョンのノイズだけに、効果を強く実感するまでには至らな
かったものの、そう云えばノイズは目に付かず、高精細で 滑らかなハイビジョン映像だったように
思う。(元より悪くなっているのは判りやすいが、良くなっているのは判りにくいと思うが…)
タイトル リスト画面1タイトル リスト画面2
再生の操作は極めて快適。タイトルリスト ボタンで 録画済みタイトルの一覧が表示され、リモコン
中央部のスティックを上下に操作し 録画済みタイトルを選択。スティック押し込めば、再生が選択
された状態のサブ メニューが出るので、もう一回押すと再生になる。つまりタイトル→スティックで
選択して二度押しするだけ。其れらをガイドするグラフィカル・インターフェイスも、動きが滑らかで
安定して不安が無い。誤って小刻みにボタンを押してしまっても、それは不意に反応せず、しかも
カチカチと小気味よく操作できるだけの程よいレスポンスが確保されている。
NTSC映像資産からのダビング
DV 映像
フロント ドアのアップ・ダウンキーに触れると、ピッ♪と鳴って本体前面のフロント ドアが 滑らかで
高品位な動きで開き、各操作キーとディスク トレイ、B-CAS カード挿入口とDV 端子が現れる。
精密に出来ているDV 端子に、神経を集中してケーブルを繋ぐ。適当だと上手く入らない。再生は、
ソニー WV-DR9(DV+S-HVSのダブルビデオで、今は生産完了されている)と、DV カメラを使用。
アップ/ダウン ボタンB-CASカードとDV端子編集点を設定中

ダビングは、システム メニュー ボタンから始めると、BDZ-S77 側からDV 機器をコントロールでき、
解かりやすく簡単に行える。ダビングなどの機能や手順は、同時期に発売された DVDレコーダー
RDR-GX7と基本的に共通に作られていて安心感が有る。(基本が共通といっても グラフィックは
全く別もの)プログラム ダビングが便利で、イン点/アウト点を指定して1つのシーンが記憶される。
シーンを指定したら確定し、録画モードをHR/SR/LRの中から選択。実行すると、BDZ-S77が DV
機器をコントロールし始める。
参考>イン点・アウト点についてはフレーム単位で指定できるが、今回は時間の関係で、編集の精度まではチェックできなかった。
あるユーザーの方からの報告では、(ディスク上で??)CMカットを行う場合、編集点はフレーム単位で指定できるが、編集結果は
微妙にズレるという。時間軸方向にも圧縮するMPEGで、このズレを無くすのは難しいのかも知れない。

ここで発掘?したのが対応するDV 機器について。カタログには、DCR-VX1000/700とDHR-1000を
除く、2002年6月末日までに日本国内で発売した機器…とあるが、1997年製のDCR-VX1000は、
何事もなく普通にコントロールされ、正常にダビングされた
。DV 入力に切り替え、再生画像を
DV 端子からスルー入力することも 普通に行えた。初期の仕様のDV 端子(正式な IEEE1394とは
仕様が異なるらしい)を備えたVX1000 などではダメだと思われるが、これは嬉しい事態であった。
この嬉しい事態を受けて、じつはDHR-1000でも使えるのではないか…?と、密かに思っている。
参考>SONY に確認すると、動作は保証できないので、稀に動かなかった場合は原因を究明できないという。
同じくVX2000撮影。岸辺の岩に注目撮影はDCR-VX2000。川べりの細部に注目
その肝心の DV からのダビング画質。期待のHRモードでは、(MPEG圧縮 特有の)0.5秒周期で
細かな絵柄がゴニョッ ゴニョッと動く現象は、例えば流れる沢が 画面の多くを占めるような厳しい
映像でも ごく僅かに収まり、ほとんど無視できる範囲にある。さすがに最高画質のレートである。
なお、解像度はD1(720×480ドット)以上と云うような情報が有るが、実際の映像では判らない。

しかし、DCR-VX2000撮影などの、限界まで解像度が伸びたDV 映像が元である場合は、微妙に
シャープネスが落ちて甘くなった
のが目に付いた。また全般に、やや輪郭が太くなるようだった。
解像度がVX2000 ほどは伸びないDCR-VX1000 の映像では、解像感の低下も殆んど気にならず、
オリジナル映像の滑らかで清い雰囲気は、よく伝わっていると思う。色味やコントラスト感などの
変化も感じられなかった

SRモードでは、解像感はHRモードと変わらないものの、条件が厳しくなってくると、映像中の静止
部分が細かく ゴニョッ ゴニョッ と動く量が増え、細部も崩れてくるが、ブロック ノイズはコマ送りで
チェックしない限り見えない。恐らくDVD最高画質より低ノイズで優秀だろう。極端に厳しい画を
除けば十二分に使えると思う。

元のDV の画が、余りにもハイレベルであるが故に厳しく書いてしまったが、一般的な被写体では
見た目が損なわれるようなノイズは生じず、滑らかで高精細な映像を純粋に楽しめるだろう
SONYによれば、シャープネス他の画質は 録画時/再生時ともに調整可能であり、DV→MPEG-2
TSへの変換は高精度に行われるので、先に挙げたような目に見えた劣化は起こらないという。
専門誌によるテストでは、解像度は確保されることが報告されている。今回のテストは、店頭デモ
などで使用される試作機だった上に、設定を追い詰めるには至れなかったのが悔やまれる。

しかし、そもそもDV 信号はMPEG-2 TS信号に変換される上に、DVのタイムコードやデータコード
なども一切コピーされないので、DV 映像のディスク化には、本当の意味では不向きであると云わ
ざるを得ない。DV 映像のディスク化は、DV 信号を 無変換で記録できるディスク、もしくは仕様が
登場するのを待ちたい。維持・管理を誤らなければDV テープは10年や そこらでは死なない!
DV を再生できる機器も、まだ当分の間は無くならないと断言したい。(因みに放送局では、DV と
親戚であるDV-CAMという規格も広く使われており、それは家庭用であるDV も再生できる…)

ゆえに、DV 映像は保険(バックアップ)&活用を目的にダビングするのが正しいと云いたい。

Hi8映像
CCD-TR555(TBCはONで、エディットモードはOFF)再生で、S映像から録画。手動で録画ボタンを
押してダビング。HRモードでは、走る車の窓から手持ちで撮った(フレーム相関圧縮は不可能な)
激しい動きの映像を コマ送りで意地悪にチェックしても、ブロック ノイズなど見えない 恐るべき
優秀な映像だった
。解像感も損なわれていないし、輪郭も変化しているようには見えない。

SRモードでは、上記のようなフレーム相関が取れない 動きが激しい映像では、さすがにブロック
ノイズは散見される。しかし、私の車載カメラで撮影した走行中の映像でも ノイズは最小限であり、
コマ送り再生で重箱の隅を突付かない限り、概ねノイズは見えないので、問題には成り難い。
たとえば、乱雑なカメラ振り?で動く子どもを撮ったような映像でも、肌の表情などは崩れなかった。
ビットレートで見ると、DVD のHQモードより少ないが、エンコーダーの性能で勝っている感は有る。
家庭で撮影される ごく一般的な映像では殆んど崩れは生じず、納得のダビングが出来るだろう。

撮影はCCD-TR705。路面や山林に注目撮影はCCD-TR555。肌の表情に注目
Variable Bit Rate だから 記録可能な時間は変動するが、平均8Mbpsに収まれば、3時間のHi8
テープが、ディスク一枚に2巻まで丸ごとバックアップできる
計算。素晴らしい!

Hi8映像でも 本来ならばHRモードが理想だが、経済的には厳しいのが常であり、SRモードで
対応するのが妥当
と云うことになろう。(何かのムダ遣いを無くせば、ディスク代に回せるが…)

なお、デジタル8再生なら、DV 端子で接続できるので、アナログ接続に有りがちな画質などの
バラツキが無くて再生能力も優れているので理想的。しかし、この場合にはDV へのダビングが
相応しいだろう
。信号の変換は繰り返さないほうが良い。この法則は不変である。

Hi8映像のダビングは、デジタル8が タイムコードやアフレコしたPCM 音声等にも対応し、其れを
DV やMPEG-2 TS信号などとして出力できるように成り、尚且つ それらをダイレクトに記録できる
レコーダーが登場する際に本格的に行うものとし、今は万が一の保険としてバックアップしつつ、
ディスクの特性を活かして日常的に活用する目的で行いたい。

EDベータ映像
これは、以前にEDベータのデモ テープからDVにテスト ダビングしていたものを、DV 端子経由で
ダビングしてみた。EDV-8000 再生の画を DV 化した映像である。他のテスト同様に、HRモード
ではMPEGノイズも目に付かず、細部まで緻密なEDベータ映像らしさは良く伝わっており、これは
かなりポイントが高い
EDV-8000の画をWV-DR9で。草花の細部に注目

SRモードでは、さすがに風に揺れる草花などをコマ送りでチェックすると 細かいブロックノイズが
出ているのが判る。しかし動画のままだと殆んど気にならない。解像感も健在である。アナログの
段階で有った 高域の細かいノイズは、DV 化した段階で変わっているので、其れが どう変化する
かは、残念ながら比較チェックには至れなかったが、細かなノイズまで良く記録されている
ただ、デモテープに含まれているモノ スコープ パターンで、細部の ぎこちなさ(パターンの周囲が
デジタルっぽく崩れる)が、そういう視点で見れば、少し目についた。

ハイバンド ベータ映像
SL-HFR70(シャープネスは中立で ハイバンドはON)再生で、コンポジット映像より録画。時間の
都合でカメラ撮りの映像は用意できず、ソースはテレビをハイバンド録画したもので試した。
これは私が録ったテープではないが、恐らくデッキとセット?であり、自己録再と思われる。
なお、録画モードがHRモードでは、さすがに不経済だろうという判断で、SR/LRモードで試した。
録画はSL-HFR70。動く際のノイズに注目画面の左右に縁取りが…

SRモードでは、複雑な画柄でパンニング等が入ると、やはり細かいブロック ノイズは散見される
ので、水平解像度がスーパー ハイバンドより低い映像であっても、これで完全とは言い切れない。
しかし必要十分な低ノイズであり、経済的なバランスも考えると 難しい事は云わずにSRモード
録るべきかも知れない。(ノイズを減らせるように、解像度を3/4 D1に抑えた6時間録画モードを
追加してほしい!)

ハイバンド ベータの映像は、思いのほか情報量が多く、水平解像度が340TV本のLRモードでは
解像度が足りないことが判った。解像感の面だけでなく、ノイズの点でも不合格となってしまう…。
むろん、ハイバンド映像でなくてもベータなら迷わず8MbpsのSRモード以上を選ぶべきだろう

画面の左右には、薄っすらヘンな縁取り?(写真右上を参照)が出るのも目についた。圧縮に起因
する 歪みの一種だと思うが、これはSRモードでも、無視できるレベルながら少し見られる。
参考>今回テストできた機材は、製品版直前の試作機であり、最終仕様とは異なる可能性が有る。

なお、この再生でも 微妙なジッターで画曲がりが出ていたが、それは目に付かなくなった。これは
入力TBCの効果。昔のビデオからダビングする際には、揺らぎや曲がりが解消され、映像本来の
美しさも蘇るので、映像を見て活用する際には嬉しい 有益な機能である。(お馴染みの?スキュー
歪みを未来に伝えるためにも、ディスク再生時にTBCのオン・オフが選択できると嬉しいが…)
NTSC映像資産からのダビング・まとめ
このブルーレイ ディスク レコーダーでは、アナログ映像を、デジタルのディスクにバックアップして、
万が一のテープ損失に備えつつ、ハイビジョン映像と共にアクティブに活用し楽しむ!そんな使い
道こそ、正しく 美味しい本来の使い方であると私は断言したい。普通のテレビ録画などはDVD で
十分…というより、DVD が順当である。映像を上手に作ってあるので崩れも少ない。

なお、60分未満といった短いDV カメラ撮りの映像などは、DVD へのバックアップでも概ね良い。
しかし、Hi8などのアナログ映像は DV カメラ撮りの映像より長いのが普通なので、DVDでは対応
し難い。それは高画質の長時間録画に適したブルーレイ規格が成すべき所業だと云える。

ただし先にも書いた通り、8mm系はデジタル8で再生できるので、DV にダビングする方が本当は
適しているだろう。したがって、ベータ映像をディスクに バックアップするのが正しいと云えるか。

参考までに、それぞれの映像の、バックアップとして在るべき録画モードを、長さに別に纏めた。
バックアップと云うからには、元と全く同じコピーを作るのが原則と思うが、現実の話としては 元と
全く同じコピーを作ることは不可能なので、元映像のらしさ(解像感やノイズ感など)を出来るだけ
保ったコピーを行うことを目標に、経済性などの無視できない要素も加味して、まとめてみた。
故に、そういった用途でなければ より長時間のモードなど、お好みのモードを選ぶと良いだろう。

なお、ノーマルVHS など 低解像度で情報量も少ない傾向にある映像をダビングする場合は、DV、
ED-Beta、Hi-Bandベータ、Hi8、S-VHS などの映像をダビングする場合よりも経済的な長時間の
モードを選べる可能性が増えるだろう…との考えで、表は2つに分けてみた。
 ▼DV、Hi8/8ミリ、EDベータ/Hi-Bandベータ/ベータ、S-VHS収録など、情報量が多い映像に応じた録画モード
元映像の長さ〜60分〜90分〜120分〜150分〜180分〜6時間〜12時間
Blu-LayHR/SRHR/SRHR/SRHR/SRHR/SRSRLR不可
DVDHQHSP注意SP緊急LP不可LP不可SLP不可×
 ▼ノーマルVHS収録など、情報量が少なめの映像に応じた録画モード
元映像の長さ〜60分〜120分〜140分〜180分〜210分〜6時間〜12時間
Blu-LaySRSRSRSRSRSRLR緊急
DVDHQ/HSPSP注意LP不可LP不可EP不可SLP不可×
【表の説明】
録画モードを2つ記してある項目: 撮り直しが出来ない重要な映像は、可能な限り高画質モード(左側)を選ぶことを推奨する。
: 条件が厳しくなると細部が崩れてくるので、これで万全ではないが、9割以上のケースで許容できるだろう。
注意: 条件が厳しくなると細部の崩れが多くなってくるので、許容できないケースが増えてくるだろう。事前の試し録りは必須。
緊急: 条件が厳しくなると崩れが多くなってくるので、重要な映像には使うべからず。基本解像度だけは確保される。
不可: 崩れる量が多く、さらに基本解像度が確保されない場合もあり、重要な映像には緊急用としても使えない。

参考>DVDの各録画モードは ソニーのDVDレコーダーでの呼び方で、HQ=60分、HSP=90分、SP=120分、LP=180分、EP=240分、
SLP=360分。これを他メーカーでは60分のモードを「高画質」「XP」などと呼ぶ場合があり、これ以外は概ね同様の呼び方だろう。
ただし、メーカーに依っては 90分や180分のモードが無い場合や、マニュアルで180分程までをフルの解像度(720×480ドット)で
記録できる(SPモードより更にノイズは増える)など機能に違いが有るので、購入/使用の際には目的を明確にして熟考されたい。


具体的な例を挙げると、たとえば VHSで70分収録された結婚式ビデオでは、如何に情報量が
乏しいVHS とは云え、カメラのフラッシュが連発する場面などは厳しいので、できるだけ高画質の
モードを選びたい。しかしDVDでは、60分を越えるためHSPモード(90分録画)しか選べない。SP
モード(120分録画)はノイズが目立って厳しいだろう。何れも予め録って見て確認するべきである。
ブルーレイでは、HRモードは経済的に不釣合いだろうから、まあSRモードで対応するのが現実に
即していると思われる。(HRモードに越したことは無いが…)
参考>今や数千円でも買えるVHSデッキだが、安いデッキの再生画質は良くないと思ってほしい。最低でも S映像端子が備わる
機種を選びたい。もちろん元テープがS-VHSの場合はS-VHSのデッキを使うこと。画質補正 機能が有る場合は切ること。再生に
用いるデッキの機種名や接続法、設定内容などを控えて置くと、後々の管理・活用の際の参考に成るだろう。


8ミリビデオで撮影された子育てビデオでは、一般的に 薄暗い環境でカメラを振り回して撮って
いる場合が多いなど、うまく圧縮できない映像が多いと思われ、DVDでは最低でもHQモード(60分
録画)で対応したい。HSPモード(90分録画)は厳しいと思う。もちろん 予め録って確かめるべきで
ある。それ以上長いテープのDVDへのバックアップは危険だろう。ブルーレイと云えども最高画質
(HRモード)で対応したいが、経済的に厳しいならSRモードも許容できるだろう。

参考>デジタル8機器に加え、標準DVカセット対応のDV機器を持っている場合は、デジタル8再生で標準DV カセットにデジタル
ダビングすれば、MPEG特有の画質に変化(静止した部分が0.5秒周期で微細に動くようになる)せず、一回のデジタル変換で済む
ので、画質の観点では望ましい。DVテープは 270分(4時間半)まで有る。但しブルーレイ ディスクの方が安価(2003年9月現在)。
DVカメラでは 80分までしか対応できない(LPモードで120分まで伸ばせるが、長期保管や他機での再生には向かない)ので注意。
もしDVカメラとデジタル8くらいしか買えない場合は、ミニDVテープを2〜3本使い、繋ぎ目を 幾らか重複させてダビングするのが
最も安上がりかも知れない。と云うのは、後でディスクなどに再ダビングする際に、一本を復元できる可能性を残せるから。


こうしてみると、個人で撮影した重要な映像を安易にDVDにダビングして完結させるのは、極めて
危ういことが お解り頂けたと思う。ブルーレイなら実質 全てをカバーできる(120分以上のS-VHS
フルサイズ カセットに3倍モードで撮ったような特殊なケースには、さすがに対応できないが…)と
云えるが、それでも完璧では無いのだから…。

では、録画DVD というメディアは何なのかと云うと、それは重要な映像をアーカイブするメディア
ではなく、より広く手軽に映像を活用し、多彩に見せる(魅せる)メディアであると断言する。
そのことは、DVDという規格が、再生専用ROM から出発していることにも現れていると思う。
ゆえに、VHSビデオの代わりにテレビを録ったり、出先で再生したり、映像をプレゼントするような
用途であれば、2時間まで、そして2時間以上の録画も、気軽に行うことを薦めたい。

その他
ディスク カートリッジの外観中のディスク ブルーレイというのは青紫色レーザーを
 使うことから来たネーミング。何とな〜く
 ディスクまで青いイメージが有る?のだが、
 そうではなく記録面は黒っぽい…(^へ^;ゞ

 今はディスクは密閉式カートリッジ入りと
 なるのだが、先々にはDVDのような裸の
 ディスクも予定されている。裸になったら
今のDVD(淡い金色)のような華やかさが望めない(?!)のは、ちょっと残念でもある…(笑)

しかし プロ ユースでは、ブルーレイと同じく23.5GBの光ディスクに 青紫色レーザーで記録する
Professional Disc と云う超強力な規格が登場(使い勝手・信頼性・ランニング コストなど様々な
部分でテープを超えるという)したことからも、青紫色レーザーを使う光ディスクがマジで使える
ことが伺い知れる。間もなく本格化する家庭用ハイビジョン カメラとの連携を考えても、今から
ワクワク。。心が躍る。

なお、中のディスクはDVDと同じ直径(12cm)と厚さだが、記録密度はDVD の約5倍程で、まさに
限界の密度だという。これ(23GB)以上の容量は、二層や両面で対応するしか無いというわけ。
ちなみに一巻のDV カセットは約22GB。DV 信号を そのままコピーすると、テープ一巻が一枚の
ディスクに成る。MPEG圧縮なら、その数倍の記録時間が得られるが、状態は変化してしまう…。
DVはDV で!これは原則だが、アナログはDV or MPEG?この選択は悩ましい…(@_@;)

この次の規格では、従来の記録密度を上げてゆく手法では無く、光の干渉を利用して ディスクの
厚み方向に干渉縞?を記録するホログラフィーなる技術で、今より2ケタも用量が増えるらしい…。
つまり、テラバイトの世界である。当然その圧倒的な容量ゆえに、今とは違う用途も考えられる。
非圧縮のハイビジョンやDV だって、ドンドン飲み込める!放送されている全テレビ番組を一呑み
するなんて離れ業も!(@_@;)もちろん、一枚に全てを集中してしまうと、それを失った際のリスクも
大きくなるので、一枚だけにアーカイブするのではなく、複数のコピーを作るのは常識だろう。

こうした超大容量なディスクが出た時の住み分けを勝手に想像してみると、今のDVDは無くなりは
しないが、今のCDのように最も安価で手軽なメディアとなり、標準記録メディアはブルーレイとして
普及。その超大容量のディスクは、プロユースは当然ながら 家庭用としては主にストレージとして
今のHDDを補うものと成る…?! もちろん家庭用として出るのは未だ何年も先の話だろうけど…(^^;
参考>今回採りあげたBDZ-S77では CDやDVD、DVD-R、DVD-RW の再生も可能だが、DVD+RW も再生できた。そもそもDVD
+RW とは、DVDとの互換を保ちつつ録画・再生の使い勝手を改善した規格なので 当然といえば当然か。嬉しかったのは、通常の
DVDプレイヤーでの再生よりもブロック ノイズが(私がコマ送りで見た限り)少なかったこと。ダテに高いワケでは無かった…。

メーカー様への要望
ユーザーが持つ、多くの貴重な映像資産を未来に伝えるため、ユーザーには、ダビングに適する
機器を格安で提供し、さらには先々の生産予定や維持可能な期間などの情報を常にユーザーに
提供すること。そして重要なのが、ダビングに必要な知識なども、販売店と組んで提供すること…。
そしてオリジナル テープは最後まで破棄しないよう呼びかけること…。これらはメーカーの重大な
責務だと断言させてください。厳しい経済情勢の中ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
謝辞・文責
長文にお付き合いくださった方々には、取り急いだテストだったため、長々と綴った割には肝心の
部分が判らない?!中途半端なレポートに成ってしまいましたことを お詫び申し上げます。m(_"_;m

このページ内に使用した著作物(一部の画像)は、以下の通りです。
BDZ-S77の画面表示 著作・制作 ソニー(株)
ED Beta DEMONSTRATION TAPE 著作・制作 ソニー(株)
テレビ番組 全く情報が有りませんm(_"_;m

なお、このページの文責は溪慈に有ります。このページ内の文章に対するご意見、ご質問などは、
掲示板および、掲示板に有りますMailで 溪慈 宛てに お願い申しあげます。万が一、質問などが
集中した場合や返答困難な場合は、対応できない場合も有りますので、その際はご容赦ください。

keiji clip board (TOP)に戻る   映像記録を考える (目次)に戻る   みなさまの広場 (掲示板)に行く
2003_7/10 19:55開始→8/2→8/10→8/12→8/14,15→8/19→9/9→9/10→9/15→9/18→9/21〜29