映像資産の維持・管理

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このページは、撮り溜めてきたビデオなどの映像資産の今と未来を考えるページです。
ものすごく長いですが、一気に読みきってほしいとの願いで1ページに列挙しています。
| ≫ 家庭用VTR「ベータ マックス」が果たしてきた役割
ベータ(β )と聞いて、良い印象を抱く方は極めて少ないことでしょう。

『昔、でんきやに「良いよ」と薦められ、高いカネを払って買ったのに、結果的にはVHSが普及して、
不自由な思いを しただけ損だったよ』
『去年で生産が打ち切られ、デッキも故障しているから、もう手持ちのテープも捨てるしか無いなぁ』
『消費者のことを考えないメーカーの、フォーマット競争の産物だったね。まったく迷惑な話だよ』

…ここをご覧の皆さまも、いろいろな ご意見をお持ちのことでしょう。(正解か どうかは別にして)

でも、ひとつ大事なことを忘れては居ませんか…?
家庭の中の、その時々の大切な記録を、最高の映像でコンパクトに残せるVTRであったという
ことを!それに、まだテープを生かす環境は失われては いませんよ。

Internet Explorer では、この色の語句を マウスでポイントしてください。
ベータは、コンパクトでありながら、「画質」という、ビデオの「命」を中心に携えたVTRであったため、
ノイズを厚化粧で誤魔化さずとも低ノイズで、入力信号への忠実度は高かったのでした。

そのため、カタログ上の数値ではVHSと同等の解像度でありながら、細部の質感描写などに優れ、
トータルでの映像の情報量は多く、鮮鋭感が高かったのです。しかも 文庫本サイズのコンパクトな
カセットでありながら、高画質な長時間モードも準備されていました。

その当時の記録を、今 改めて見てみても、当時の機械でダビング編集を行っているにも関わらず
鮮度が高くて、良質な映像であることが改めて確認され、ベータを作ってきた当時の技術者たちの
思い、そしてベータを選び、記録してきた人たちの思いに ジン…と来てしまいます。

そして、いささか高価では在りましたが、1987年には水平解像度500本、其れまで放送局でしか
扱えなかった究極の高画質が、EDベータ規格によって一般家庭でも扱えるように成りました。

特にEDベータの映像をDVにダビングすることで、其の記録の確かさが確認できました。今までの
TBC非搭載のデッキでは除去することが不可能だった微小なジッターが、ダビングすることで取り
除かれて安定し、15年も前に記録された映像とは思えない超高画質ぶりに圧倒されるのでした。
むしろDVへのダビングでは、圧縮ノイズの付加が目につき、圧縮を行うDV方式では、ダビングの
受け側としては役不足な面も有るとさえ思えるのでした。

また、ベータは ただ単に最高の映像記録の世界を拓いてきただけで無く、ベータの開発や進化の
過程で育まれた数々の技術ノウハウは、後に登場する 様々なAV(オーディオ ビジュアル)機器の
発展にも大きく寄与してきたのでした。
乗鞍:ツリガネソウ?
 1982年8月15日の「乗鞍・
 上高地 方面」の記録より。
 当時の私は、図鑑で花の
 名前を手引いたり、珍しい
 ものを追ったり…
 遊ぶことに夢中だった…
乗鞍:霧滴が綺麗
乗鞍:昔、図鑑で調べたが…ミヤマ…?
≫ 映像記録の意義
映像の記録とは、"いまの次の瞬間には 時の彼方に消えて 誰の目に留まることも無くなってしまう
様々な出来事を、目で見たイメージのまま 未来に伝えることが出来る唯一の手段"
であり、其れは
全宇宙的にも貴重なことと云うことに成ります。

そんな記録を、未来に引き継がずに消してしまうということは、いままでの記録や保管などに要した
資金や手間を無駄にする行為であり、一つの歴史を抹消するのと同じであると、私は考えます。
記録が残っていない、或いは消し去ること=(イコール)実質としては無かったことと同じでしょう?
そうした記録が無ければ、未来の人が どんなに願おうとも、それを目にすることは不可能なのです。

記録と云っても 色々な形態が考えられますが、必ずしも万人に向けたものである必要はなく、誰に
宛てたものでもない個人的な記録でも、何もないよりはマシです。自分には詰まらないと思う記録も、
ずっと先の誰かが必要とするかも知れません。

もし、平安時代・戦国時代・江戸時代…そういった頃に、個人がビデオや写真などで 頻繁に撮影を
行って、今に残していたとしたら、内容は何であれ、ものすご〜く見てみたいと思いませんか?
でも実際には、そんな映像記録などは存在しませんから、逆立ちしても見ることは出来ないのです。

「有」から「無」は、いつでも可能ですが、「無」から「有」は、いつまで経っても不可能なので、絶対に
誰にも見せられない記録で無い限り、先ず「有」を確保すべき ということが判って頂けたと思います。

高松からのフェリー甲板上の車にて乗鞍:寒い中を全員で乗鞍:弟は面白い遊びを良く見つけた
↑車内ベッド上で嬉しくて興奮。でも食べてる私。 ↑寒いので早く車に…(左奥が私)     雪渓の上で。↑弟(右)「おもろいで〜」
≫ 今からでも映像メモを!
特に映像の記録は、一般的に文章等による記録と比べて情報量が多い上に、手軽に行えるという
利点が有りますから、肩肘 張らずに 「ビビッとセンサー」、或いは「美Bit センサー」などを駆使して、
ちょっとでも気に引っ掛かったものは、どんどんメモ録っておくのが良いでしょう

もちろん、全く気に引っ掛からなかったものも、無作為かつ簡単にメモっておくと よいですし、古くて
壊れそう(壊されそう)なものや、道行く人々、どうぶつ達の様子なんかもコマめにメモ録していれば
映像メモ?としては完璧です♪(人々の様子がカメラに写る場合には、問題に成らないように注意)

え?そんなにドンドン録っていたら、撮り溜めたテープに埋もれてしまう?
いやぁ…大丈夫でしょう。
私が7年間8ミリビデオで録ってきましたが、まだ小型のプラスチック製の
引き出しつき収納BOX 一つを使い切っていません
。そんなに多くは成らないのです。

最近は、カメラ付き携帯電話での撮影が流行っていますが、これは喜ぶべき動向だと思います。
専用のカメラでは撮ることを躊躇するような場面でも、抵抗なく お気軽に撮って遊べることろが良く、
実際の使われ方も かなり良い方向にあると思えます。得られる画質レベルは低くても、取りあえず
撮っておけば、後で何とでも成るものです。

四万十川の支流にて。水面の夕焼け雲を撮ろうとしたが…アケビの大きさを他の果物で表現ダイスケは、いつも口か足が来るホゲス犬

≫ β テープと機器の保全について
映像/音声の進化の過程に いつも在って、私たちに素晴らしい世界を拓いてくれたベータ VTR…。
しかしそのテープやデッキも、最近は過去の遺物として、邪険に扱われることが増えています。
中には、保管状態が悪いためにカビを生やして、再生できなくして大量廃棄する人も見かけます。
もっとヒドイのが、使えるし保管場所も有るのに、過去の遺物として処分してしまう人達の存在です。

ソニーによるベータ方式 VTRの生産は、たしかに2002年末で打ち切られました。しかし、修理や
情報提供などの業務、そしてテープの供給は継続されています
。また 大切な資産である録画済み
テープのダビング サービスも、じつは行われています。(URLは、このページの末尾に)

修理の実例としては、古い機種の専用部品は 既に供給終了となっている場合が有りますが、主な
共通部品は確保されており、16年ほど前の、EDベータ以前の機種でも修理できた例が有ります。
故障内容の大部分は、やはり経年変化で劣化する部品とか 消耗部品の磨耗に拠る症状が多くの
割合を占めるのは致し方ないでしょう。即座に思いつく具体的な症例としては…
  • ゴム系ベルトの伸びや、プーリーの汚れなど(昭和57年頃までの機種)
  • ピンチローラーの劣化や磨耗など
  • ブレーキの磨耗
  • キャプスタン モーター(のスラスト軸受け)磨耗(ベータでは、この症状は記憶が無いが…?)
  • 回転ヘッドと、ヘッド ドラム(上下)の磨耗や汚れ
  • ローディング機構などのグリース切れ(昭和57年頃までの機種)
  • コンデンサーの劣化(容量抜けや、漏れた電解液による周囲の腐食)
  • 基盤のハンダ盛り部の熱疲労や、基盤の炭化など
  • IC、トランジスタ、ダイオードなどの半導体の損壊など
部品の法的保有期間を過ぎてもソニーは多くを持ちますが、専用部品の中にはエンドとなっている
モノも有ります。しかしながら、電気的な部分では他の部品で直せる場合も有りますし、他のデッキ
から部品を流用することも出来ますので、最後まで希望を捨てないことです!

修理に出す場合の留意点ですが、低価格を売りにする某 量販店に修理依頼した際、機器の製造
時期だけ見て(故障診断は せずに)「修理は出来ない」と云われたケースが実際に有りました
ので、
先ず でんきやさん や、修理専門店に相談し、ダメでも複数店を訪れてみるべきでしょう。

そのとき 高額修理に成る場合は連絡してくれるのが普通ですが、修理金額の上限を指定しておく
ことも出来ます。(修理後 三ヶ月以内に同一個所の 同一の症状が出た場合は修理保証の対象と
成ります) 万が一、メーカーや販売店で修理を完了できなかった場合も、ベータの方面に詳しい
有志の方々に、部品の融通など最後の望みを託してほしいと思います。ページの最後に情報を…。
※メーカーは、基本的には異なる部品を用いた修理は 行えない立場にあります。また販売店修理も、自店で対応できない場合は
メーカーに依頼せざるを得ないため、メーカー修理と同じ条件に成ることも…<(_"_)>

また、店によっては、小回りの利いたダビングを行える場合がありますので、とにかく早まって捨て
ないように お願いいたします。<(_"_)>

↑安物とは別格の、高信頼・高耐久のダイレクト ドライブ メカ  カビてても↑美しく再生された   今でも使える↑SL-J20

≫ テープのカビについて
ビデオテープや撮影機のレンズなどに生えて私たちを 困らせるカビは、「カワキ コウジカビ」という
何処にでも存在するポピュラーで特異な、人には無害なカビらしいです。

このカビは、僅かな油分や汚れ、ホコリなどを栄養源とし、湿度は比較的低い環境でも繁殖できて
乾燥しても死に絶えることなく休眠し、湿度が戻れば復活するということです。(ある意味 理想的で
究極な生き方の生物だ…!?)

カビは高湿度の環境で最も よく繁殖することは理解に易いのですが、テープに生えるカビは10℃
程度の低温環境で最も良く繁殖するということなので、湿っぽい押し入れなんかに閉じ込めて越冬
させるとヤバイでしょう。ダンボール箱も、空気中の湿気を吸う性質が有るので、ヤバイ
ようです。

カビを避ける上で一番よいのは、風通しが良く、一時的な湿度も すぐに去り、埃も少ない場所です。
私の家の、南向きの居間に有るビデオ ラックのβ テープは、23年経ってもカビは見られません。

カビたテープの扱いですが、そのままデッキで再生するとヘッドを汚し、再生できなくなります。また、
ベッドやローディング機構などを介して、他のテープにカビを染すという情報も有ります。

消毒用アルコールなどで ある程度は落とせるようですが、一本のカセットに収まるテープの長さは
100メートルを越える長さであり、手作業で落とすのは極めて困難でしょう。

それでは、カビたテープは捨てるしか無い?と云う話になりますが、私は待ったを掛けたいです。
それは、(未確認ながら)私の近所にて カビ落としのサービスを行っている方も居られるからです。
そう…デッキを改造するなど、それ相応の装置を作れば、不可能ではないハズですよね。

カビが生えても、テープの磁性粉に磁気は残っています。つまり、記録が失われる訳ではないので、
未来の人を思い、再生できる可能性が全く無くなるまでは、記録を保つ方向に在るべきでしょう。

≫ その他のテープの保全と複製について
ベータのことばかり書いてしまいましたが、ビデオ撮影に革命を齎した8ミリ/Hi8、ベータよりも前の
ドカ弁サイズ カセットのUマチックのVTRでも同じです。何れのフォーマットも 再生環境が失われた
わけでは有りませんので、先に書きましたように、むやみに捨てないように お願い致します。

とはいえ、これからの記録メディアは、その殆んどが使い勝手が良くて 保存に際する安全性も高い
ディスクなどのメディアに置き換わるでしょうから、再生する機器が多くある内に、デジタルの複製も
制作して、オリジナルと平行保存するべき
でしょう。

予想される反論「えっ?"複製も"って、コピーしたら、以前のテープに用は無いでしょ?(^へ^)」
う〜ん。果たして そうでしょうか。いくら高画質にコピーしても、オリジナルと違うものに換わることは
知っておくべきだと思います。

特にDVDなどでは、記録容量の都合でMPEG-2ビットレートが不十分である場合が殆んどであり、
オリジナルにある情報は一定の計算手順で省略され、四角く味気ない?ノイズに、容赦なく置き換え
られてしまいます。

特に目につくのが動く被写体による影響で、フィックスの画の中に大きく動く被写体があった場合は、
動かないハズの背景まで、動くものに引っ張られての四角いノイズが目に付くようになります。

また、オリジナルの画がノイズっぽい場合は、必要な情報に割り当てるべきビットまで ノイズを記録
するために消費されてしまい、貧しい画に変身してしまうのです。それはDVDレコーダーなどが元の
画の内容を見分けて処理しない限り、現時点では解決できない問題でしょう。

現状で最も ダビング先のメディアとして適しているのは、記録レートを十分に高く設定できるブルー
レイ ディスクの規格(後術します)です。

デジタル8で再生しても、8ミリ系に採用されたデータ コードや、アフレコしたPCM音声も、現時点
では一切出力されませんので、対応品が出るまで8ミリ系をカンペキに コピーするのは不可能です。
という訳で…事質上 カンペキに コピーできるように成るまでは(仮複製は制作しても)オリジナルは
保全しないと後で後悔しますよ〜!という、やや説教がましい?先見のご案内でした。
☆完全にコピーできても、最高の数本くらいは時代の空気?として残しておいてほしいですが…(^^;ゞ

畳平にて。家族の思いを乗せる車。。乗鞍スカイラインにて。大切な記録が各一本ずつでは、消失が怖い…。
≫ コピーに際する留意点
仮のコピーを作る場合に、知っておくべきことを幾つか挙げます。
本当の仮コピーなら適当で良いのですが、何かの災難でオリジナルを失えば、コピーがマスター
成るわけですから、やはり品質には最大限に気を配ったコピーを行いたいものです。

再生する機器の選定
ベータの古いテープは、新しいデッキでの再生よりも 自己録再の方が結果が良い場合が有ります。
同じメーカーのデッキ同士でも、作られた時期に拠って トラッキングなどが微妙に違っていることも
あり、トラッキングが合わないと、画面に木目のような薄い縞模様や バーノイズ等の症状が出ます。
ダビングは、トラッキングが合えば、S 端子が使えるデッキで行うべきですが…。

8ミリ/Hi8でも、トラッキングや記録電流のマッチングなどの観点で、自己録再が望ましいのですが、
それよりは再生機の再生能力の差が大きいので、最新のデジタル8デッキで再生する方が結果が
良く、LPでも破綻は見られない※ということです。※8ミリ/Hi8の画質にいては、ビデオサロン2003年2月号より
ダビングは、周波数特性色相を一定に揃えるために、DV 端子経由で行うべきでしょう。

VHSは、いま再生機に事欠くことは有りませんが、再生の質を云うと、少々クエスチョンが附きます。
一頃には 高画質の波がVHS機器の画質を押し上げ、良いデッキが多く売られていましたが、今は
低価格が何より優先され、平均的な画質は低下の傾向にあるでしょう。ですから、よい機種を手に
入れるためには中古も考慮に入れるべきでしょう。特にTBCの有無で、画質は大きく左右されます。

録画するメディアと機器の選定など
2003年4月10日、高精細なデジタル ハイビジョンも 2時間以上そのまま 録画できるブルーレイ
ディスク レコーダーが、とうとう発売されました。NTSCでは記録レートを今までにないほど高く設定
することも出来るので、家庭用の領域を越える高画質でも録画できます。
ブルーレイディスク・レコーダー

 しかし、さすがに高価ですので、お遊びごと?は かなり節約しないと買え
 ないかも知れません。気になるのは今後の価格推移ですが、今のハイ
 ビジョン テレビの普及度を考えると、今のDVD ほど劇的に安く成るとも
 思えません。ダビングする機会を失わないうちに買わないと…。

ブルーレイ ディスクに NTSCソースをダビングした画を 未だジックリと見たことが無いのでハッキリ
したことは云えませんが、記録レートが同じなら、DVD と同等?だと想像するのが無難でしょう。でも、
録画時間が長いというメリットは大きいですね。(NTSCの4Mbpsでは、片面一層で最大12時間)
デシタル ハイビジョンの録画はハッキリ云って そのまま画質!!ですが、NTSC 画質については今後レポートを載せたいと思います。

現時点でブルーレイは、DV 信号を そのまま受け入れる機能が備わっていないため、DV テープを
ディスク化する用途には やや不適当で、アナログ映像のデジタル化が本来の用途だと思います。

ベータと8ミリは、元々の解像度がVHSと大差ないので、ブルーレイやDVへのダビングは勿体ない
感も有ります。(最も重要なテープを除けば)情報量の乏しいDVDへのダビングも、致し方ないかも
知れません。DVDの録画モードは、D1記録だと その解像度にビットが費やされメリットも薄いので、
マニュアルにて2/3 D1記録を選ぶのが適当だと思います。(ハーフD1では 明らかに情報が不足)

DVDそのものの選定は、HDDの有無よりもフォーマットが大事で(公に 具体的なデータを出すのは
遠慮しますが)RAM 系よりもR、RW 系を選んだほうが、後で良かったと思う場合が多いと思えます。
そして、既存のテープ(作品)を其のまま(未加工)でダビングするのであれば、元画への忠実度が
高くて、+RW に対応する機種が最適だと思えます。

EDベータやHi8などの高解像度なソースは、DV か、ブルーレイの8Mbps 以上のモードにダビング
するべきでしょう。(DVDで8Mbps も充てると、記録時間が厳しい上に、それでも最低限である)
Hi8は、水平解像度が400本程度なので、単純にDVD の3/4 D1記録が最適であるように見えます。
でもノイズが多めであることを考えて、D1記録にビットを多く充ててダビングするべきだと思います。

キャノンのDV カメラでは、DVのオプション規格である解像度を落とした録画が可能なので、ナロー
バンド
のアナログ映像のデジタル化には けっこう適する規格だと思っています。

録画機器は、入力TBC効果を持つ機種を 念頭に置いて選ぶべきだと思います。ジッターを含んだ
ままデジタル変換すると、後からジッターを取り除くことが出来ずに後悔するかも知れません。
ジッターも情報の一つで、時代の空気みたいなものなので、そのまま記録するべきでしょうけど…。


再生機の設定など
シャープネス調整は、とりあえず中立(中間)が良いと思います。(好みの問題でしょうが…)

ハイバンドのON/OFFは、再生画の特に白い部分などに黒い引っ掻き傷のようなノイズが出ている
場合は、ハイバンド録画をノーマルバンドで再生している状態なのでON にします。(ベータ)

ハイファイ音声のON/OFF は、無記録の音声は再生されないので、普通は常にON で良いでしょう。

エディット モードが有る機種については、ちょっと難解です。この機能はアナログ同士のダビングを
最良の画質で行うための機能なのですが、メーカーや機種毎での取り組みが具体的に公表されて
いないので、どのようなビデオ信号が出力されるのかが イマイチ謎なのです。基本的には、ビデオ
信号
をストレートに(高域までフラットに)出力している筈ですが、ダビングに拠る高域のロスを補完
する目的で高域を持ち上げて出力する場合も有るようです。

ビデオ信号をストレートに出力してくるなら、デジタルへのダビングにも打って付けと思いたいところ
ですが、輝度のノイズが補正されずに出る上に、色ノイズが結構目立つようになることもあり、必ず
しもデジタルへのダビングに適するとは云えないと思います。

というわけで、エディットモードはノイズが気になったり不自然な画に感じる場合を除けばONの方が
映像の情報が多くなるので良い?というところでしょうか(^へ^;ゞこれは きちんと調べたいと思います。

TBCは、テープの録画状態などによって再生画が不安定になる場合も有りますが、普通は基準の
信号
が正規の信号に置き換えられ、揃ったタイミングで出力されるので、精度も良くジッターも無い
安定した画質となります。但し、先にも書きましたように、ジッターも情報の一つと云えるので、必ず
しも取り除くのが最善ではないかも知れません。

ダビング操作の留意点
ビデオのことを知っている人が撮影したテープは、テープの冒頭に15秒ほどの白、黒、カラーバー
などの映像を、本編の手前に入れているものですが、一般的に 殆んどの人は、テープの冒頭から
直ぐ本編を撮り始めています。この場合、本編の最初の部分がダビングできないことが有ります。
ダビングの際の、本編 冒頭の欠落を回避する方法は二つほど有りますが、どちらも不完全です。

1.再生側は、コマ送りなどで映像の最初の一コマより前の位置まで巻き戻してスタンバイし、録画
開始後に、再生側は数秒たって再生を開始する。→最初の一秒ほどは同期が乱れるのが欠点。

2.再生側は、コマ送りなどで映像の最初の一コマより前の位置まで巻き戻し、そのあとコマ送りで
画を見ながら一コマごと進め、最初の一コマ目の映像を頭出ししてスタンバイし、録画側をスタート
して、約1秒後に再生側もスタートする。→最初の一秒間ほど音声が再生されない(録画されない)
のが欠点。

これを回避するためには、これからの撮影は、最低でも 4秒以上は本編では無い映像をテープの
冒頭に録ってから、通常の撮影を行うことです。加えて、日付・時刻、場所などが判るように撮れば
カンペキです。

再生側のテープが正しく録れている場合は、再生を先に行い(録画側が同期するのを待ってから)
録画をスタートするのが基本です。録画側(ディスクなど)の冒頭にも、新規に数秒の黒画面などを
入れておけば、それを活用(プレゼント向けの再ダビングなど)する際にも問題が起こりません。

記録内容ごとのコピー優先度
お手持ちのテープを全てコピーするのは、費用や時間に保管場所、その他の問題が有りますので
コピーすべき内容は、重要度に応じて選定せざるを得ませんよね。(^へ^;

先ず最も重要なのは、世界で一つしか存在しない、あなたがカメラで撮ったオリジナル映像や音声
であることは云うまでもないのですが、中でも古い記録であれば あるほど、近似のものを再現する
ことも難しくなるため、無条件に貴重度は増します。(失敗のカットに入っている音声すら貴重です)

また記録の内容としては、すでに失われた命や風景やモノ、出来事などは無限大に貴重です。
これは、あなた自身による記録だけではなく、知人や他人?から受け継いだ記録も同じく貴重です。
逆に、いまも健在で 今後も当分の間は存続するであろうモノ(建物や場所など)の記録や、複数の
人が同じ内容を記録している場合(演事の発表会など)の記録は、とりあえずは複製が存在するし、
近似する映像を再現することも比較的 容易なので、失われたものより貴重度は低いでしょう。

テレビ放送の録画は、昔の放送なら 放送局にマスターが存在しない可能性がありますが、最近の
放送ならマスターは有るハズなので、個人のカメラ撮りの記録より、だいぶ貴重度は低いでしょう。
(理想を云えば、放送された番組なども、全国の個人が録画してくれることで多数のバックアップが
全国に点在することになり、映像資産の保存という観点では有効でしょうが、それは無理もある…)

それらを加味すると、個人のカメラ撮りや録音のテープ(特に記録時期の古いものや失われしもの
など)は、優先的に最高のコピーを行い、他人による近似の記録が既に有ったり、テレビ番組等の
録画といった記録は、DVD など、安くて手軽なものに コピーするのが現実的だと云えるでしょう!
2003/4/20 keiji


ソニー ベータ マックス ご相談センター ■ベータに関する お問い合わせ窓口など。
ソニー・ベータ ヒストリー ■NHK 某番組でも放送されたVHS 対 beta の背景も、実際にはチョット異なっているようです。
【e-Support】メディア コンバート サービス ■ソニーによる、β→DV などのメディア コンバート(変換)サービス。
お客様が撮影された「お子様の成長記録」、「結婚式」や「旅行」などの思い出の詰まったビデオテープを DVD、他のテープ 
フォーマットに変換いたします。→安くはないサービスですが、お近くに ダビングを行ってくれる処が無い場合には<(_"_)> 

なお、VHSへの変換は、劣化が激しいので お薦めしません。DVDへのダビングは、テープのようなドロップアウトは無いかも
知れませんが、記録レートが低いので私的には あまりお薦めしません。今はDV系(miniDV/DVカセット・Digital8)が画質の
点では最善だと思います。(Digital8は、DVよりもドロップアウトが多そう?)ブルーレイ ディスクへのダビングが可能になれば
画質の面でも将来への備えの面でも最も理想的だと思います。注意★今は何れにもデータコードなどはコピーされません!!
思いを繋ぎます (リンク) ■当サイトのリンク ページです<(_"_)>追加が無いか、時々更新情報を ご確認くださいませ♪
溪慈へのメール ■私の家でも、ベータ・VHS系・8ミリ系・DV間での簡易ダビングは可能ですし、修理も大量でなければ…。

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