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映画を聴きましょう 2009/12/24

12月24日夜、『キネマ旬報』創刊90周年記念イベントとして、映画音楽に特化した細野晴臣のプロデュース・ライヴ『映画を聴きましょう』が、恵比寿/ザ・ガーデンホールで催された。
第一部はクラシカルなアコースティック・ユニット=といぼっくすによる器楽曲の演奏。山本直純『男はつらいよ』、武満徹『どですかでん』『他人の顔』、伊福部昭『ゴジラ』、カルロ・ルスティケリ『鉄道員』、エリック・サティ『幕間』、エンニオ・モリコーネ『ニュー・シネマ・パラダイス』、ジョルジュ・ドルリュー『イルカの日』、モーリス・ジャール『ブリキの太鼓』、そして細野の『銀河鉄道の夜』を、6名という小編成を感じさせない巧みな編曲(=磯田健一郎)で奏でるステージに、MC役で登場した細野も「いやー良かった!このあとじゃ出にくいよ」と賞賛を寄せた。
休憩を挟んだ第二部、ヴォーカル曲中心の細野のセットには、映画ファンとしての、また音楽愛好家としての細野の趣味が色濃く映し出される。既に近年のライヴ・パフォーマンスでおなじみのレパートリーにも1曲ごとに丁寧な解説MCが添えられ、映画という表現媒体がいかに細野とその音楽を触発し、深く影響し続けているかを窺い知る上でも興味深い。ニノ・ロータ「Cadillac」やカルロ・ルスティケリ「Sinno Me Moro」「Amori di Alfredo」といった、耳を惹く初演のナンバーたち。細野と神田智子&高遠彩子のヴォーカルが溶け合うように交差する「Lullaby in Ragtime」の至福。細野自身による歌唱(2004年9月、森羅万唱@熊野のMCでサビの一節を歌ったことを除けば、公式には初であろう)が会場を静かに揺さぶった「風の谷のナウシカ」の奇跡。「100曲くらい考えた」(細野のMC)中から絞られたものが今回の「献立」であるならば、残りの楽曲もいつの日か味わわせて欲しい。そんな期待さえ抱かせる、聖夜にふさわしい寛ぎに満ちた音楽会は、トナカイのかぶり物姿の細野が客席に降りて風船を配るという微笑ましいサーヴィスでしめくくられた。
なお、コシミハル、高田漣、伊賀航のレギュラー陣に、初共演の今堀恒雄を迎え、浜口茂外也も久々に参加したこの日のバンドの名前を、細野は"マカロニ・スパゲッティ"と紹介していたが、その本気度は例によって定かではない。
第二部のセットリストとパーソネルは下記の通り。

01. Close Encounter(『未知との遭遇』1977年) 細野:g、浜口:ds、コシ:accordion, cho、今堀:g、高田:pedal steel、伊賀:b
02. Smile(『モダン・タイムズ』1936年) 細野:g, vo、浜口:ds、コシ:accordion、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b
03. Ramona(『Ramona』1928年) 細野:g, vo、浜口:perc、コシ:accordion、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b ※日本語詞:細野
04. ムーラン・ルージュの唄(『赤い風車』1952年) コシ:kbd, vo、細野:g、浜口:perc、今堀:g、高田:banjo、伊賀:b
05. Hong Kong Blues(『脱出』1944年) 細野:g, vo、浜口:ds、コシ:kbd、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b
06. Cadillac(『甘い生活』1960年) 細野:g、浜口:ds、コシ:kbd、今堀:g、高田:pedal steel、伊賀:b
07. Le Notti di Cabiria / Ma La Vita Continua - Finale(『カビリアの夜』1957年) 細野:g, cho、浜口:ds、コシ:accordion, cho、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b
08. Sinno Me Moro(『刑事』1959年) 細野:g, vo、浜口:perc、コシ:accordion、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b
09. Amori di Alfredo(『アルフレード・アルフレード』1972年) 細野:g、浜口:ds、コシ:kbd、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b
10. Pennies from Heaven(『黄金の雨』1936年) 細野:g, vo、今堀:g
11. Hit The Road to Dreamland(『Star Spangled Rhythm』1942年) 細野:g, vo、浜口:ds、コシ:kbd、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b
12. Lullaby in Ragtime(『5つの銅貨』1959年) 細野:g, vo、浜口:ds、コシ:kbd、今堀:g、高田:pedal steel、伊賀:b、神田:vo、高遠:vo
13. Winter Wonderland 細野:g, vo、浜口:ds、コシ:accordion、今堀:g、高田:pedal steel、伊賀:b、神田:cho、高遠:cho、Wiki Wiki Ukulele Twitters(*):ukulele
14. 風の谷のナウシカ 細野:g, vo、浜口:ds、コシ:kbd、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b、神田:cho、高遠:cho、Wiki Wiki Ukulele Twitters:ukulele, cho
E1. アーユルヴェーダ 細野:g, vo、浜口:ds、コシ:kbd, cho、今堀:g、高田:mandolin、伊賀:b、大城正司:soprano sax、木ノ脇道元:flute

*細野が即席で命名。高田漣が講師を勤めるウクレレ教室(吉祥寺/Air Garage)の生徒たち。


デイジーワールドなう! 2009/11/30

11月30日夜、表参道/EATS and MEETS Cayで、2009年最後となる『デイジーワールドの集い』が開催された。参加者は、細野晴臣、ワールドスタンダード(with 土岐麻子、今野英明)、コシミハル、岡田崇(16mmフィルム上映)、The GOASTT、YOKO ONO PLASTIC ONO BAND。
前半は「デイジーワールドなう!」のタイトル通りのプログラム。ワールドスタンダードが去る11月24日に出演した公演(『スタンダードナンバー〜オトナの歌謡曲』@新宿文化センター大ホール)から歌謡曲カヴァーを抜粋して聴かせ、YENワークスをまとめた『Epoque de Techno』をリリースしたばかりのコシミハルが久々のソロ・パフォーマンスで魅せる。ショーン・レノンから贈られたというボウタイ姿の細野は、「このあとがあると思うと...。早く演って早く終わろう」と、直前の告知通り姿を表わした客席のオノ・ヨーコ・ファミリーを意識しながら、3曲のみの演奏でステージを譲った。
「CHIMERA MUSIC NOW」と化した後半、まずはショーンとシャーロット・ミュールのユニット・The GOASTTが、本田ゆか、小山田圭吾、清水ひろたか、あらきゆうことともにステージへ。「細野さんありがとう。You are Real Cowboy」(シャーロット)「細野さんの声がよかったのは、僕があげたボウタイのおかげだね。ナイショだけど」(ショーン ※注:編者によるものすごい意訳)などのフレンドリーなMCを挟み2曲を終えたところで、シャーロットと入れ替わりにヴァイオリン・ベースを手にした細野が「ママも呼ばなきゃ」とオノ・ヨーコを招く。いつもはゆるゆるの会場にスタンディング・オベーションを巻き起こした「CALLING」のグルーヴは、短いツアーを経たYOKO ONO PLASTIC ONO BANDの一体感の象徴にも聴こえたが、その結束の高まりを裏付けるように、2010年2月ニューヨーク、10月アイスランド/イマジン・ピース・タワーにおいて、細野を加えた同メンバーでのライヴが計画されているという。
細野の演奏参加曲は下記の通り。

<細野晴臣> 細野(g, vo)、コシ(accordion)、高田漣(mandolin)、伊賀航(b)、伊藤大地(ds)
01. Smile
02. Cow Cow Boogie
03. Hong Kong Blues

<YOKO ONO PLASTIC ONO BAND> オノ・ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
01. CALLING


東京アートダイバー 2009/11/28

11月28日夜、中沢新一が講師を務める青山ブックセンター本店/カルチャーサロン青山の講座『東京アートダイバー』第3回に、細野晴臣が出演した。
幼年期の音楽体験から青年期へ、時代を追って投げかけられる中沢の問いに答える中で、細野は、文化的な「引き裂かれ感」を引きずる戦後生まれとしての葛藤や、日本の音楽状況に対する「絶望はしていないが、スレスレ」との心情を吐露。かつてはっぴいえんどの音楽に、高度経済成長〜東京オリンピックによってそれまでの風景を失った「東京の叫び」を聴いたという中沢は、東京の改変で負った「傷」がその後の細野の様々な音楽探究につながっているのではないかと指摘する。その語り口は終始やわらかではあったが、個人の体験を超えた記憶を掘り起こすような、著書『アースダイバー』に連なる考古学的視座で細野の音楽を捉え直そうとする意図も見て取れた。
およそ2時間にわたる対談の最後、聴講者から音楽業界についての意見を問われた細野は、「僕は音楽業界とは縁を切った。関わらないとやっていけない部分もあるが、関係を持ちたくない。相手は大組織。こっちは個人だから、個人ができる範囲のことをやっている。大事なのは、音楽が好きな人が、自分でやり方を考えて音楽をやり続けるということ」とも語っていた。


YOKO ONO PLASTIC ONO BAND Special Tour 2009/11/26

アルバム『Between My Head and The Sky』のリリースを記念したYOKO ONO PLASTIC ONO BANDのジャパン・ツアーが終了。11月18日@有楽町/東京国際フォーラム ホールC、24日@ウェルシティ大阪厚生年金会館芸術ホール、26日@恵比寿/リキッドルーム(『CHIMERA MUSIC SHOW #1』)の3公演すべてに、細野晴臣がスペシャル・ゲストとして参加した。
声と身体を駆使して強烈な存在感を放つオノ・ヨーコのパフォーマンスを支えるバンド・メンバーは、息子ショーン・レノンとその永年にわたるコラボレーター・本田ゆか、そしてコーネリアス・グループ・マイナス1(小山田圭吾、清水ひろたか、あらきゆうこ)。細野の登場は意外にも早く、「It Happened」「Waiting for The D Train」「Between My Head and The Sky」の冒頭3曲を終えた場面で訪れた。「細野さんが一緒に演ってくれるとは思っていなかったので、私たちもうれしい」(26日公演でのMC)というオノ・ヨーコが、親愛を込めたハグで出迎える。「恩返しができてよかった」(18日公演でのMC)と語る細野には言葉の通りの思いがあったのだろう。ゲストと言うよりもバンドの一員として、以後、ほぼ出ずっぱりでステージに立ち続けた。
ショーンと清水ひろたかがベースに回った数曲を除いてヴァイオリン・ベースを担当した細野の演奏には、極めて稀にみるアグレッシヴなプレイも含め、曲調に応じた多彩なボキャブラリーが横溢。若き才人たちとのアンサンブルはそれ自体が既に聴きものであったが、その音楽的快楽とは一人別次元に立つオノ・ヨーコの圧倒的な孤高と自由こそが、観る者の心には強く刻みつけられたのではないだろうか。
各公演における細野の演奏参加曲とパーソネルは下記の通り。

11/18@有楽町/東京国際フォーラム ホールC
11/24@ウェルシティ大阪厚生年金会館芸術ホール
04. 苦しい  ヨーコ(vo)、ショーン(pf)、あらき(ds)、細野(b)
05. Walking on Thin Ice  ヨーコ(vo)、ショーン(b)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(perc)
06. Rising  ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
07. Toyboat  ヨーコ(vo)、ショーン(g, cho)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
08. Moving Mountains    ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
09. CALLING    ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
10. Mind Train    ヨーコ(vo)、ショーン(vo, g)、本田(kbd)、小山田(TENORI-ON)、清水(b)、あらき(ds)、細野(perc)
E2. Don't Worry Kyoko    ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
E3. The Sun is Down!    ヨーコ(vo)、ショーン(vo)、本田(kbd)、小山田(TENORI-ON)、清水(b)、あらき(ds)、細野(perc)
E4. 女性上位ばんざい    ヨーコ(vo)、ショーン(g, cho)、本田(kbd, cho)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
E5. Give Peace A Chance    ヨーコ(vo)、ショーン(g, cho)、本田(kbd)、小山田(perc)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)

11/26@恵比寿/リキッドルーム ※The GOASTT(ショーン・レノン+シャーロット・ミュール)との対バン
04. Walking on Thin Ice  ヨーコ(vo)、ショーン(b)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(perc)
05. Rising  ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
06. Toyboat  ヨーコ(vo)、ショーン(g, cho)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
07. Moving Mountains    ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
08. CALLING    ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
09. Mind Train    ヨーコ(vo)、ショーン(vo, g)、本田(kbd)、小山田(TENORI-ON)、清水(b)、あらき(ds)、細野(perc)
E2. Don't Worry Kyoko    ヨーコ(vo)、ショーン(g)、本田(kbd)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
E3. The Sun is Down!    ヨーコ(vo)、ショーン(vo)、本田(kbd)、小山田(TENORI-ON)、清水(b)、あらき(ds)、細野(perc)
E4. 女性上位ばんざい    ヨーコ(vo)、ショーン(g, cho)、本田(kbd, cho)、小山田(g)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)
E5. Give Peace A Chance    ヨーコ(vo)、ショーン(g, cho)、本田(kbd)、小山田(perc)、清水(g)、あらき(ds)、細野(b)


音とアニメ 2009/11/03

11月3日夜、京都国際マンガミュージアム/多目的映像ホールで、漫画家ウィスット・ポンニミット(以下、タムくん)と細野晴臣のコラボレーション・イベント『音とアニメ』が催された。
自身のライヴ演奏とともに上映されるタムくんのアニメーション(サイレント)に細野とゲスト・内橋和久が即興的にサウンドを加え、時に可笑しく、時に怖く、とても切ないタムくんの世界を彩ってゆく共演は、細野のソロ・セットをも随所に挟み込み、全編を通じて実に音楽的なジョイント・ライヴといった趣き。特にダクソフォンをSEとしても駆使する内橋の演奏はアニメーションとの親和性が高く、細野をして「僕は何もしなくてもいいくらい」と言わしめる絶妙の効果を上げていた。
タムくんの気ままなペースを尊重しつつ、この試みに楽しみながら参加している風情の細野のソロ・セットは、自曲とカヴァーとが半々。「アーユルヴェーダ」にはPVとして制作された猫がいっぱいの新作アニメが付され、「三時の子守唄」「ろっかばいまいべいびい」「Love Me」では愛すべきキャラクター「ホソノくん」を活かしたライヴ・ドローイング(画面を見た細野が演奏中にもかかわらず思わず笑ってしまう楽しさ)が見られるなど、タムくんによる秀逸な細野トリビュートという側面も強い。
圧巻は、タムくんが歌うことを条件に採り上げられた「風の谷のナウシカ」。細野と内橋のギターにのせて響くタムくんの歌声は、メロディの美しさをそのまま宿したようなイノセンスに溢れ、作曲者本人による演奏の稀少性も相まって、静かな感動で会場を包んだ。
1時間半の予定を大幅に超えたイベントのラストでタムくんから今後の予定を訊かれた細野は、「この間『De La FANTASIA』に出て面白かった。新しい気持ちになったので、ツアーをやります」と発言。京都への再訪も誓っていた。
細野の演奏参加の一部とソロ・セットのリストおよびパーソネルは下記の通り。

<ウィスット・ポンニミット>
Tシャツを着て  タムくん(g, voice)、内橋(g)、細野(perc)
Happiness Is...  タムくん(g)、内橋(daxophone)、細野(electronics)
ハリケーン・ドロシー  タムくん(pf)、内橋(daxophone)、細野(perc)  ※作曲:タムくん
ロケット  タムくん(g, humming)、内橋(daxophone)、細野(perc, electronics)
部屋  タムくん(pf)、内橋(daxophone, g)、細野(perc)

<細野晴臣>
Smile  細野(g, vo)、内橋(g)、タムくん(pf)
アーユルヴェーダ  細野(g, vo)、内橋(g)、タムくん(cho, pf)
三時の子守唄  細野(g, vo)、内橋(g)、タムくん(live drawing)
ろっかばいまいべいびい  細野(g, vo)、内橋(g)、タムくん(pf, live drawing)
Love Me  細野(g, vo)、内橋(g)、タムくん(pf, live drawing)
Hong Kong Blues  細野(g, vo)、内橋(daxophone)、タムくん(pf)
風の谷のナウシカ  タムくん(vo, pf)、細野(g)、内橋(g)


De La FANTASIA 2009/10/30

10月30日夜、恵比寿/リキッドリームで幕を開けた新しい音楽フェス『De La FANTASIA』の初日「FANTASIA Label Show Case 09」に、細野晴臣がヘッドライナーとして出演した。
これまでにない深く長いイントロが付された「Smile」にはじまる50分強のセットは、ダークネスと紙一重のスウィートネスを湛えつつ、中盤以降、徐々にアッパーな高まりへと聴衆を誘う構成。Swing Slowにおけるレパートリー「Good Morning, Mr.Echo」「I'm Leaving It All up to You」には大胆な新アレンジが施され、コシミハルの代表曲のひとつ「Petit Paradis」も生楽器ならではの豊かな音色によって提示される。
さらに細野は、カヴァー曲を中心とするレパートリーの中に、未だレコーディングすらされていない(「するかどうかわからない」との発言も)オリジナルの新曲を違和感なく溶け込ませた。人生の旅路を映画というモティーフになぞらえたと思われるその楽曲「Lonesome Road Movie」は、疾走感のある曲調から一転、"Silent Movie"、"Happy Ending"の印象的なワードでしめくくられ、眠りに落ちるような余韻を残す。文字通りの初演を終えるや、細野は「まあまあですね」と手応えを口にした。
20世紀の音楽遺産を指して自身の言う「あの世の音楽」へとよりディープに踏み込んだ、新機軸とも言うべきこの日の世界観が、近く制作されるソロ・アルバム以降の細野のモードとなってゆくのか、あるいは過渡的な試みに終わるのか。自ら"Chow Chow Cats"と命名したというバンド(高田漣、伊賀航、伊藤大地、コシミハル)の行く末とともに、しばし見守る必要があるだろう。
セットリストとパーソネルは下記の通り。

01. Smile  細野(g, vo)、コシミハル(accordion)、高田(harmonium, mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)
02. Love Me  細野(g, vo)、コシミハル(accordion)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)
03. I Love How You Love Me  細野(g, vo)、コシミハル(kbd)、高田(harmonium)、伊賀(b)、伊藤(ds)
04. Ramona(Japanese Version)  細野(g, vo)、コシミハル(accordion)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds) ※日本語詞:細野
05. Good Morning, Mr.Echo  細野(g, vo)、コシミハル(kbd)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
06. Slow Poke  細野(g, vo)、コシミハル(kbd)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
07. Petit Paradis  コシミハル(accordion, vo)、細野(g)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)
08. Lonesome Road Movie  細野(g, vo)、コシミハル(accordion)、高田(banjo)、伊賀(b)、伊藤(ds) ※2010/01/20 タイトル追記(『TV Bros.』2010年1月23日号で判明)
09. Cow Cow Boogie  細野(g, vo)、コシミハル(kbd)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
10. I'm Leaving It All up to You  細野(g, vo)、コシミハル(kbd)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
11. Hong Kong Blues  細野(g, vo)、コシミハル(kbd)、高田(banjo)、伊賀(b)、伊藤(ds)
12. Body Snatchers  細野(g, vo)、コシミハル(accordion)、高田(banjo)、伊賀(b)、伊藤(ds)
E1. Pom Pom 蒸気  細野(g, vo)、コシミハル(accordion)、高田(pedal steel, cho)、伊賀(b)、伊藤(ds)


デイジーの秋、音楽の秋 2009/10/20

10月20日夜、10回めの節目となる『デイジーワールドの集い』が、表参道/EATS and MEETS Cayで行われた。参加者は、細野晴臣、tico moon、青柳拓次、木津茂理。セット・チェンジの合間には三上敏視もステージに上がり、著書『神楽と出会う本』(10月22日発売/アルテスパブリッシング)の告知を行った。
お休みモードだった前回とうって変わり、この日の細野は冒頭から東榮一とともに進行役として登場。tico moonのあとを受けた青柳拓次と木津茂理のコラボレーション・セットにも、1曲ヴァイオリン・ベースで加わった。
セット・チェンジ後、マイクを携えてフロアに降り立った細野は、11月3日に京都国際マンガミュージアムで共演予定のウィスット・ポンニミット、夫人・原田知世のアルバム『eyja』(細野も参加)の発売を翌日に控えたエドツワキ、さらに一般客へのインタビューを敢行。「こんな会でいいんでしょうか」「僕に敵意は?ない。よかったー」などと自虐を孕むやりとりで会場を笑わせる。続くライヴ・セットでは高田漣、伊賀航、伊藤大地を呼び入れ、『De La FANTASIA』(10月30日@恵比寿リキッドルーム)出演に向けて準備中の新レパートリー(いずれもカヴァー)を試奏。「公開リハーサル以前の公開打ち合わせ」と称するセッションには、まったくの練習段階にある楽曲も含まれ、個々の楽曲の簡単な解説なども挟みながら、ライヴ・アレンジの興味深い途中過程を垣間見せた。
なお、10月5日未明放送のInter FM『Daisy Holiday!』で「あと1回くらい」と細野が発言していた『デイジーワールドの集い』だが、東榮一は終宴を告げる際に「来月もやります」と高らかに宣言。少なくともこの1回での終了は回避された模様。
細野の演奏参加曲は下記の通り。

<青柳拓次(vo, organ)、木津茂理(太鼓, vo)、細野晴臣(b)>
(曲名不明)  ※「できたばかりの曲」と青柳がコメント。

<細野晴臣>
01. Ramona(Japanese Version)  細野(g, vo)、高田(weissenborn) ※日本語詞:細野
02. Slow Poke  細野(g, vo)、高田(weissenborn)、伊賀(b)、伊藤(ds)
03. I Love How You Love Me  細野(g, vo)、高田(mandoln)、伊賀(b)、伊藤(ds)
04. Cow Cow Boogie  細野(g, vo)、高田(weissenborn)、伊賀(b)、伊藤(ds)
05. Pom Pom 蒸気  細野(g, vo)、高田(weissenborn, cho)、伊賀(b)、伊藤(ds)


京浜ロックフェスティバル 2009/10/12

10月12日午後、快晴に恵まれた川崎/東扇島東公園で、久保田麻琴プロデュースのもと開催された野外フェス『京浜ロックフェスティバル2009』に、細野晴臣が出演した。
傾いてゆく陽を背にほぼ予定通りの15時30分ごろ登場した細野は、高田漣、伊賀航、伊藤大地とともに4曲の演奏を終えると、事前にゲスト参加決定の報が伝えられていた久保田をここで招き入れ、Harry & Macの再会が実現。如実に厚みを増したアンサンブルにのせて、久保田をフィーチャーしたヴァン・モリソンの「Crazy Love」(Harry & Mac『Road to Louisiana』にも収録)や、新たなレパートリーとなるカヴァー=エラ・メイ・モーズによるヒットで知られる「Cow Cow Boogie」を聴かせ、気心の知れた久保田とのやりとりも微笑ましく、細野は終始快調にステージを務め上げた。
この日もザ・バンドの日本語によるカヴァーを2曲披露した細野だが、MCで久保田が2010年に来日予定のレヴォン・ヘルムに触れて「前座やらせてくれるかな」と話題を振ると、「何か一緒に、という話はある」と共演の可能性を示唆。今後の展開が注目される。
セットリストとパーソネルは下記の通り。

01. Smile  細野(g, vo)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds, whistle)
02. I'm A Fool to Care  細野(g, vo)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
03. Hong Kong Blues  細野(g, vo)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)
04. All La Glory  細野(g, vo)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)
05. The Night They Drove Old Dixie Down  細野(g, vo)、久保田(g, cho)、高田(pedal steel, cho)、伊賀(b)、伊藤(ds)
06. Crazy Love  久保田(g, vo)、細野(mini accordion)、高田(pedal steel, cho)、伊賀(b)、伊藤(ds)
07. Cow Cow Boogie  細野(g, vo)、久保田(g)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
08. Pom Pom 蒸気  細野(g, vo)、久保田(g, cho)、高田(pedal steel, cho)、伊賀(b)、伊藤(ds)
09. Body Snatchers  細野(g, vo)、久保田(g)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)


いろいろ盛りだくさんな夜 2009/09/28

9月28日夜、表参道/EATS and MEETS Cayにて月例『デイジーワールドの集い』が開かれ、Daisyworld Discsに関連するふたつのプロジェクトについてプレゼンテーションが行われた。
冒頭を飾ったウクレレえいじのマニアックなモノマネに続いて、まずは岡田崇が、リリース時期未定の中で制作進行中のレイモンド・スコット・トリビュートをプレゼン。レイモンド・スコット本人の出演作を含む関連映画の1シーンを見せながら、ジャン・ジャック・ペリー、ブノワ・シャレ、オプティガナリー・ユアーズ、徳武弘文、上野耕路、片岡知子、星野源、ハーモニカ・ライナーズ、コシミハル、細野晴臣らトリビュート参加アーティストのラインナップを発表し、既に届いている音源の一部をダイジェストで聴かせた。岡田は10月に渡米して集中的にアーカイヴ調査を行う計画であり、その成果が反映されるはずの資料性の面でも期待が高まる。
もうひとつのプレゼン・テーマは、10月30日から開催される新しい音楽フェス『De La FANTASIA』。3日間にわたる4つのプログラムの出演アーティストを、東榮一が写真と映像、音源を織り交ぜつつ、順に紹介してゆく。このうちausとAmetsubの2組は、ステージに登場してライヴを披露した。
さらに最後には『De La FANTASIA』にも出演する細野晴臣グループから高田漣(mandolin)、伊賀航(b)、伊藤大地(ds, whistle)が、細野を除いた「マイナス・ワン」(高田)の編成で「Smile」「Sambolero」を演奏。本来この日は休日だったという細野は客席で聴き入っていたが、「Hong Kong Blues」が始まるとおもむろにステージに上がり、「メロディがないよ。カラオケだ」と演奏を制して客席を沸かせる。「テンポも遅かった。ものすごく速くやろうか。速くやったら早く終わる」との言を受けた、かなりのアップテンポ、しかも細野はギターを持たずヴォーカルのみという、実に珍しいテイクの「Hong Kong Blues」で宴はしめくくられた。


未完の横尾忠則 2009/09/13

9月13日午後、横尾忠則の個展『未完の横尾忠則 - 君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの』を開催中の金沢21世紀美術館で、同展を記念した横尾と細野晴臣の対談が催された。
横尾曰く「インファンテリズム(幼児性)でつながっている」二人の対話は、常に結局は中学生レベルの話に帰着するという。「横尾さんの絵をいっぱい見るといつもただ圧倒される。怒濤のようなエネルギーを感じて疲れます(笑)。疲れるほどエネルギーがすごいということ。誉めてないですかね?(笑)」とする細野の同展への感想から始まったこの日のフリートークもまた、横尾の絵画制作の在りようや作品が生まれる源泉に分け入るディープな話題と、1978年のインド旅行、『Cochin Moon』レコーディング、YMO結成時などの具体的なエピソードとを、流れに任せた脱線を伴って行きつ戻りつしながら、終盤、大の病院好きを公言する横尾が近年の「病歴」を子どものように嬉々として語る思わぬ展開に。新たなスイッチが入った横尾のペースに圧倒されて話の収束をあきらめた細野の合いの手が的確に笑いのツボを突く。終了時刻を20分弱超過してまとまらないままカット・アウト(個展のタイトル同様に「未完」と言うべきか)となった対談は、それ故にこそ、一切の予定調和を超えて拡散する横尾のアーティスト・パワーの一端をリアルに覗かせる時間ともなった。
また対談の中で、ほぼ日刊イトイ新聞における連載『細野晴臣夢日記』最終回のために依頼されている絵画について横尾は「キャンバスを用意してあるし、細野さんのポートレイトを入れ込むために写真も撮った(*)。金沢から帰ったら近いうちに描きます」と発言。細野も「横尾さんは催促しないと描いてくれない。切羽つまった顔でアトリエに行きます」と語り、およそ2年にわたり未完となっていたプロジェクトにいよいよ進展がありそう。

*対談時、細野が発言している最中に横尾が客席や細野をデジカメ撮影。細野は「(話を)聴いてますか?」「落ち着かないなぁ...」とツッコんでいた。


月はきえゆかず 2009/09/06

9月6日夜、UA『Tour ATTA』の初日となる日比谷野外音楽堂公演に、細野晴臣がサプライズ・ゲストとして出演した。
ライヴ中盤、UAがこの日二回目のゲスト・コーナーを知らせる『徹子の部屋』のテーマを口ずさむ(一回目の際は観客の一般女性を"ゲスト"としてステージに並んで腰掛け、しばし歓談)。「ゲストは、東京・白金の細野さんです」の声にどよめいた客席は、ステージに登場した細野を大歓声で迎えた。
少女時代に「Rydeen」をエレクトーンの発表会で演奏した頃から縁を感じていたというUAは、「本物の『徹子の部屋』に出たことはありますか?」「見る度に泣いちゃう映画はありますか?」「小学校の同級生を憶えていますか?」などと気ままに話題をふり、細野との会話を長く楽しみたい様子。対する細野は受け答えをしながらも「(曲を)演ろうか」「早くやって早く帰ろう」といつものスタンスを崩さず、その微妙にかみ合わない感じも笑いを誘った。
共演は2曲。ライヴ初演の「月がきえてゆく」では、細野はヴァイオリン・ベースの演奏に比重を置きながら時折UAのヴォーカルに声を重ねる。空にはちょうどその時、曲名の逆をゆくようにきれいな真ん丸い月が浮かんでいた。
細野の演奏参加曲とパーソネル(メンバー紹介がなかったため一部は暫定)は下記の通り。

夢見る約束  UA(vo)、細野(g, vo)、内橋和久(daxophone, g)、青木タイセイ(tbn)、権藤知彦(euphonium)
月がきえてゆく  UA(vo)、細野(b, vo)、内橋(g)、芳垣安洋(perc, ds)、鈴木正人(kbd)、青木(tbn)、塩谷博之(cl)、権藤(euphonium)、太田美帆(cho)、メグ(cho)


久しぶりの音楽の夜 2009/08/24

8月24日夜、表参道/EATS and MEETS Cayでの月例イベント『デイジーワールドの集い』が、ダメじゃん小出(演芸)、岡田崇(バスビー・バークレーの16mmフィルム再映)、ワールドスタンダード、細野晴臣、高田漣 & His Ukulele Orchestraの参加により挙行された。
ワールドスタンダードが新曲「銀河」を含む2曲の演奏を終えたあと、細野はセットチェンジの済んだステージに、眉毛を大増量した淀川長治キャラでおもむろに登場。健康問題を中心とするトークでひとしきり会場を笑わせ、高田漣と伊賀航を呼び込む。ここからの演奏は、去る8月12日に亡くなったレス・ポールを偲ぶ2曲。まず高田(g, vo)が伊賀(b)とともに「It's Been A Long Long Time」を聴かせ、細野(眉毛は元通り)が加わっての「I'm A Fool to Care」 が続いた。レス・ポールの音楽を「永遠に幸せになれる」と評した細野の言葉も静かに胸を打つ。
宴の最後には、高田が吉祥寺/Air Garageで講師を担当しているウクレレ&スチールギター教室の生徒たちが大挙ステージに招かれ、細野との共演が実現した。白いトップスと耳元の白い花でゆるやかに統一された佇まいのメンバーに囲まれ、細野の耳元にも可愛らしい白い花が。多幸感にあふれた2曲のセッションは、演奏に参加した一人ひとりにとって忘れ得ぬ貴重な体験になったことだろう。
細野は眉毛増量中のトークにおいて、Yellow Magic Orchestraでビートルズ「Hello, Goodbye」やスライ&ザ・ファミリー・ストーンのカヴァーをレコーディングしたと発表。リリース形態は依然明かされないながらも、YMOオフィシャルTwitter上でのつぶやき以来、ファンの間で様々な憶測を呼んでいたこの問題に、ひとつの回答が与えられた。また細野はこのレコーディング時、坂本龍一と高橋幸宏に、60歳を超えたことを理由にリタイアの意向を(恐る恐る)宣言したところ、「65歳まで頑張ってほしい」と返されたとの逸話も明かした。
細野の演奏参加曲は下記の通り。

<細野晴臣(vo, g)、高田漣(manndolin)、伊賀航(b)>
I'm A Fool to Care

<高田漣(mandolin) & His Ukulele Orchestra(ukulele, steel.g)、伊賀航(b)、細野晴臣(g, vo)>
三時の子守唄
はらいそ  ※Ukulele Orchestra:さらにメンバー追加


We are Yellow Magic Orchestra 2009/08/09

8月9日夕刻、昨年に続き東京/夢の島公園陸上競技場で開催された野外フェス『World Happiness』のファイナル・アーティストとして、Yellow Magic Orchestraがライヴを行った。
一昨年のLive Earth@京都、昨年のロンドンおよびスペイン公演、そしてHASYMO名義で出演した『World Happiness』と、メンバー自身の手応えを反映するように徐々に高められてきたライヴ・バンド性が衒いなく全面に打ち出されたステージは、アンコールを含め全10曲。もはや定番と言うべきレパートリーもさらにグルーヴィーなリズムで提示される中、今回新たに加えられた楽曲群が鮮烈な印象を残す。誰もが予想だにしなかっただろういきなりのビートルズ・ナンバー「Hello, Goodbye」のインパクト。『BGM』バージョンのイントロ・フィルイン(この部分は生ドラムではない)が一瞬にしてファンの狂喜を呼んだ「1000 Knives」が纏ったメッセージ色(サビのフレーズを右手で弾きながら、坂本龍一が左手に持った"平和の虹の旗"を大きくはためかせる)。細野晴臣のまさかのマリンバ(シロフォン?)速弾きをフィーチャーしたアンコール「Fire Cracker」の愉楽。軽やかなサーヴィスという側面もあろうそれら一つひとつのシーンから、懐古趣味を拒む現役バンドとしてのYellow Magic Orchestraが立ち表れる。
演奏の主役となっていたのは疑いなく高橋幸宏のドラムスであり、全体的には各曲のキュー出しを担っていた坂本がコンダクター役だったのだろう。細野はバンドをリードするポジションからは遠く退いているように見受けられるが、プレイヤーであることに専念したそのベース演奏をライヴでこれほどまでに堪能できる場は、高橋・坂本とのコラボレーションの他にはないと言ってよい。
公演のダイジェストは9月12日夜、NHK-BSにて放送予定。
メンバーとセットリストは下記の通り。

Yellow Magic Orchestra:高橋幸宏(ds, vo)、坂本龍一(kbd, vo)、細野晴臣(b, perc, vo)
with 小山田圭吾(g)、高田漣(mandolin, pedal steel)、権藤知彦(horns, electronics)

01. Hello, Goodbye
02. Rescue
03. 1000 Knives
04. The City of Light
05. Tibetan Dance
06. Supreme Secret
07. Still Walking to The Beat
08. Riot in Lagos
09. Rydeen 79/07
E1. Fire Cracker


夏の夜の映画会 2009/07/27

7月27日夜、表参道/EATS and MEETS Cayで、月例イベント『デイジーワールドの集い』が開かれた。"夏の夜の映画会"と題された今回は、岡田崇所蔵の多彩かつ貴重な16ミリフィルム(ジャッキー・グリーン、チップマンクス、アニメ「ティン・パン・アレー・キャッツ」、ジム・ヘンソンの実験映画、ピエール・エテの短編映画など)の上映をフィーチャー。ミュージシャンによる演奏はなく、清水宏、寒空はだかのスタンダップ・コメディが冒頭と中盤に配された。
細野晴臣は、岡田とともに上映前後の解説トークでたびたび登場。すべての上映終了後には、岡田、コシミハルと、自身の健康問題を中心に生『Daisy Holiday!』とも言うべき鼎談を行った。コシがミニ・アコーディオンを携えていたことから終盤に予定外の演奏が行われそうな空気になりかけるも、東榮一から半ば強引にギターを渡された細野は「練習してないから」とまともには応じず、この日の日中に立ち寄った秋葉原での実体験を文字通り弾き語る。コシのアコーディオンを従えたその佇まいはギター漫談さながらの妙味にあふれ、図らずも、細野の新たな芸風が開花したようなかたちになった。
次回の集いは8月24日に開催予定とのこと。


as close as possible 2009/07/03

7月3日夜、鎌倉/cafe & bar UNIVIBEで、細野晴臣がライヴを行った。当初計画されていたホール・コンサートから一転、すみずみまで生音が行きわたるほどの小空間にわずか60名程度の観客を集めた、プライヴェート感あふれる催しとなった。
6月29日の表参道/EATS and MEETS Cayにおける公開リハーサル同様、高田漣、伊賀航がサポート。カヴァー曲を中心としながら「It Was Sad when That Great Ship Went Down」「The Wayward Wind」ではオープンCのチューニングによる演奏が新たに試みられ(ここで細野が使用したのは3月に栗林慧から謹呈されたMini Guitarか?)、「Honey Moon」「ろっかばいまいべいびい」「終りの季節」といった久々に演奏される自曲も要所に配される。途中、地元湘南エリアを拠点とするハミングキッチンをゲストに迎え、高田漣のソロ・コーナーも挟んで全14曲。細野のヴォーカルとギター、そして話芸を間近で堪能できる稀少な機会に観客は充分満たされたのだろう、アンコール・ナンバーを強く求めようとはしない。その潔さは終盤に疲れを見せはじめた細野へのいたわりすら感じさせ、心が親密に通うようなこのライヴのムードを象徴する幕切れだった。
MCで「こういうシチュエーションは初めてで楽しい。大きいコンサートはますます嫌いで、狭ければ狭いほどいい。観る人と距離があるのは好きじゃない」と語った細野。同様の小規模にして贅沢なライヴは今後も企画されるだろうか。
セットリストとパーソネルは下記の通り。

細野晴臣(g, vo)、高田漣(mandolin, weissenborn, g)、伊賀航(b)
01. Honey Moon
02. Pennies from Heaven  ※後半の訳詞:細野晴臣
03. Hong Kong Blues
04. Lazybones
05. It Was Sad when That Great Ship Went Down
06. The Wayward Wind
07. I'm A Fool to Care
08. ろっかばいまいべいびい
09. Smile  ※with イシイモモコ(vo)、眞中やす(g)
10. Hit The Road to Dreamland  ※with イシイモモコ(accordion, cho)、眞中やす(g)
11. 心のアンテナ  ※細野ソロ(g, vo)、1コーラスのみ
12. It's Been A Long Long Time  ※高田漣ソロ(g, vo)
13. All La Glory(Japanese Version)
14. 終りの季節


再会ならず 2009/06/29

6月27日夕刻から九段下/九段会館で開催された『岡林信康コンサート2009』に、細野晴臣がベーシストとして参加する計画があった模様。「5曲くらいなら」とする細野と曲数の点で折り合いがつかず、実現には至らなかったという。三部構成のコンサートのうち、ロック期のナンバーで固めた第一部(ギタリストとして徳武弘文が参加)への出演がオファーされていたものと思われる。
6月29日夜、表参道/EATS and MEETS Cayでの公開リハーサルの途中、細野が明かした。


カーテンショー 2009/06/29

7月3日に鎌倉/cafe & bar UNIVIBEでライヴを予定している細野晴臣が、6月29日夜、『デイジーワールドの"今夜は期待しないでください"』と銘打ち、高田漣、伊賀航とともに公開リハーサルを行った。会場は毎月下旬に『デイジーワールドの集い』が催されている表参道/EATS and MEETS Cay。
ステージを覆った紗幕の向こうで細野の気の向くままに1曲ずつ音あわせがされ(会話の多くはマイクが拾っており、姿は紗幕越しに透けて見える)、納得がいったところで幕が開き、「本番」の演奏が聴かれるという趣向。これを3曲ぶん繰り返したのち、「飽きてきた」(細野)、「カーテンを閉めると暑い」(高田)との理由から、後半は幕を開け放したままリハーサルは進む。貴重な初演となるはずだった中川翔子への提供曲「心のアンテナ」を演りかけたものの「こんな曲じゃないです」とあっさりやめ、「漣くん何か演ってよ」と豪快なむちゃブリも炸裂、さらに、客席からリクエストを募った場面では、「♪皆様リクエストお待ちしていますぅ〜」とド演歌調の即興ジングル(?)を披露する(瞬時にあわせた高田&伊賀の対応も見事)など、完成されたショーの対極にある、しばりのない自由さが満開。ヴァン・ダイク・パークスのヴァージョンがなじみ深い「Bing Crosby」のフレーズをイントロにもってきた「Pennies from Heaven」(細野の日本語詞で初演された2006年7月『FUJI ROCK FESTIVAL』以来となる演奏)のアレンジが完成されゆくさまも興味深い。予定の60分を超えておよそ90分に及んだ「音楽好きには面白い見せ物」(細野)はまた、音を奏でる歓びの原点に立ち戻るような、演者の楽しみをも漂わせていた。
セットリストとパーソネルは下記の通り。

細野晴臣(g, vo)、高田漣(mandolin, weissenborn, g)、伊賀航(b)
01. Love Me
02. Hong Kong Blues
03. Pennies from Heaven  ※後半の訳詞:細野晴臣
04. 心のアンテナ(unfinished)  ※細野ソロ(g, vo)
05. はらいそ  ※客席のリクエストによる
06. It's Been A Long Long Time  ※高田(g, vo)、細野(g)、伊賀(b)
07. Lazybones


いつもよりゆるめ 2009/05/26

5月26日夜、5回めを数えた月例イベント『デイジーワールドの集い』が、表参道/EATS and MEETS Cayで開催された。参加者は、細野晴臣、白石冬美(「Lotus Love」朗読)、tico moon、岡田崇(エセル・スミス、マキシン・サリヴァンなどのフィルム上映)、伊藤ゴロー(トーク/演奏)、ウィスット・ポンニミット(アニメーション+ピアノ演奏/ライヴ・ドローイング)。
細野は宴を締めくくる自身のライヴ・セットの他、開宴早々に淀川長治ばりに眉毛を増量して登壇し、「怖いですネ、怖いですネ」とインフルエンザ講座を展開。ボサノヴァに精通する伊藤ゴロー(細野が楽曲提供を予定している原田知世のプロデューサーでもある)とのトークでは、伊藤のギターをフィーチャーして演奏も行った。
また、岡田崇によるフィルム上映では、1982年頃に細野と杉田かおるの共演で制作されながらお蔵入りとなった幻のCM映像「日立パディスコ」(BGM「夢見る約束」は元々このCM用に制作されたもの)が、その永い封印を解かれた。細野所蔵のカセットテープを整理中に岡田が偶然発見したものだそうだが、当の細野はこのCMを「憶えていない」という。
細野はイベント中、SAKEROCKの映像作品への出演(撮影済→7月29日発売DVD『ラディカル・ホリデー その1』収録)、ウィスット・ポンニミットとのパフォーマンス(11月/京都)といった近況や今後の予定にも言及。演奏されるレパートリーからのぞくリアルタイムの音楽的関心に加え、活動に関する新情報が毎回少しずつ与えられるこの集いは、確実に細野の「いま」と「これから」を感じることのできる場ともなりつつある。
細野の演奏曲とパーソネルは下記の通り。

<伊藤ゴロー+細野晴臣>  伊藤ゴロー(g)、細野(vo, g)、伊賀航(b)、伊藤大地(shaker)
01. O Sapo

<細野晴臣>  細野(g, vo)、コシミハル(accordion)、伊賀(b)、伊藤大地(ds)
01. Sambolero
02. Love Me
03. Hit The Road to Dreamland


STRANGE TOMATOES 2009/05/15

5月15日夜、下北沢/ラ・カーニャで行われたハミングキッチンのレコ発ライヴ『STRANGE TOMATOES』のアンコールに、細野晴臣がゲスト出演した。細野の出演予定は事前の告知が一切なく、まさにサプライズな参加となった。
眞中やすから「最も尊敬するアーティスト。追いつけない存在」と紹介されて登場した細野は、「いいバンドだなと思って聴いていた。追いつけないのはこっちのほう」と、まずはハミングキッチンとサポート・メンバーの心地よいパフォーマンスを讃える。続いてイシイモモコとのデュエットで披露されたのは「Chow Chow Dog」。自ら「歌ったことない」と語る楽曲であり、細野本人による歌唱はライヴでは極めて貴重と言えるだろう。
二部構成で進行したこの日のライヴには、第二部とアンコールの最後に小坂忠もゲスト出演。新鮮なアレンジに乗せて「ほうろう」「機関車」「People Get Ready」の熱唱が聴けたほか、小坂を招き入れる際、トリビュートの意味合いを込めてイシイのヴォーカルで演奏された「アイスクリームショップガール」(作詞・作曲:細野)のカヴァーも秀逸だった。
細野の参加は下記の1曲のみ。

E1. Chow Chow Dog  イシイモモコ(vo)、眞中やす(g, cho)、上原"ユカリ"裕(perc)、高井"ニック・ダンゴ"亮二(b)、伊藤隆博(tbn)、細野晴臣(vo)


BULLET'S 10th Anniversary 2009/05/08

5月8日深夜、西麻布/BULLET'Sの10周年イベント『BULLET'SEN』に、細野晴臣が高田漣を伴って出演した。同店への細野の出演は2005年8月以来。
細野のライブセットは日付が9日に変わろうとする間際、直前の出演者・中山ケイによるDJプレイからシームレスにスタート。クラブという場を意識してか、冒頭と最後にラップトップを駆使した即興を久々に聴かせ(高田もiPhoneを楽器として使用するなど音をさまざまに加える)、間に最近のレパートリーであるカヴァーの歌モノ3曲を挟む構成だった。演奏だけでは35分の持ち時間に満たないと、和やかなトークもたっぷり。フロアの赤絨毯をぎっしり埋めた聴衆を笑わせながら、細野は「さっき演ってみて、エレクトロにもまだやることはあるなと。きょうは(エレクトロとアコースティックな歌モノが)バラバラだけど、いつか一緒にできるのでは」と語り、近く制作予定というソロ・アルバムへの展望ものぞかせていた。
セットリストは下記の通り。

01. Improvisation(ex. scotoma ?)  細野(electronics)、高田(electronics)
02. Smile  細野(g, vo)、高田(mandolin)
03. Lazybones  細野(g, vo)、高田(mandolin)
04. Hit The Road to Dreamland    細野(g, vo)、高田(electronics, mandolin)
05. Improvisation 〜 Life Tides  細野(electronics)、高田(electronics)


Springfields'09〜東京場所 2009/05/03

5月3日午後、会場を東京/日比谷野外大音楽堂に移して行われた音楽フェス『Springfields'09』"東京場所"で、細野晴臣がトリを務めた。
忌野清志郎急逝の悲報からわずか一日。「きのうは眠れなかったです。僕ひとりだけお通夜の気分」と口を開いた細野は、当然とはいえ明らかに大阪場所とはモードが違う。MCを極力排して歌い、演奏する姿は、どんな言葉よりも雄弁にその心情を語っていた。
全体のおおまかな構成は"大阪場所"のものを踏襲しつつ、セットリストにはいくつかの変更も。ハミングキッチンをフィーチャーした「パノラマの丘」と、大阪で初演を果たしたばかりの「Sambolero」、唯一の自曲だった「Pom Pom 蒸気」が省かれた一方、「Lazybones」と、大阪で飛ばされてしまった不遇の曲「Moments Like This」が加わった。しかしそのような些事を気にする者などいない。音に込められた想いを共有するかのように、観客は静かに身を揺らしている。
アンコール、演奏の前に細野は改めて亡き清志郎について触れる。「清志郎と僕は、作詞作曲のゴールデン・コンビ。これからだと思っていたので残念です」「ついに僕のライヴは観に来なかったな、あいつは。きょうは来てるかもしれない」。選ばれた曲は、細野が清志郎作のうち「一番好きな詞」という「幸せハッピー」。この日の全ての出演者が揃ったステージで、1コーラスめを細野がただ一人、ギター一本だけで独唱する。そこに溢れていたのは楽曲への愛情ばかりではない。忌野清志郎という人物に対する細野の親愛の、これほどむきだしな表現がかつてあっただろうか。演奏はやがて観客をも巻き込んだ大合唱となり、天上へと溶けてゆく。それは、さまざまなライヴで披露されてきたこの曲の幾多の演奏の中でも、確実に永く記憶されてゆくだろう名演だった。
セットリストと各曲のパーソネルは下記の通り。

01. All La Glory(Japanese Version)  細野(g, vo)、高田漣(mandolin)、伊賀航(b)
02. Lazybones  細野(g, vo)、高田(g)、伊賀(b)、伊藤大地(ds)
03. The Wayward Wind  細野(g, vo)、高田(vln)、伊賀(b)、伊藤(ds)
04. Taxi Driver  イシイモモコ(vo)、眞中やす(g, cho)、細野(g)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
05. Moments Like This  イシイ(vo)、細野(g, vo)、高田(g)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)
06. Smile  イシイ(vo, 鉄琴)、細野(g, vo)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)
07. The Night They Drove Old Dixie Down(Japanese Version)  細野(g, vo)、高田(pedal Steel, cho)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g, cho)、イシイ(cho)
08. Hit The Road to Dreamland  細野(g, vo)、高田(vln)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)、イシイ(鉄琴, cho)
E1. 幸せハッピー  細野(g, vo)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g, cho)、イシイ(cho)、all casts(cho)


Springfields'09〜大阪場所 2009/04/29

4月29日午後、大阪/服部緑地野外音楽堂で幕を開けた音楽フェス『Springfields'09』の"大阪場所"に、細野晴臣が出演した。
トップバッターとして登場した細野は、「こんなに早い時間に演ったことがない。いつもは寝てる時間。寝ちゃったら起こしてください」と、開口一番まずは眠気をアピール。高田漣・伊賀航とのトリオに始まり、ドラムス伊藤大地、さらにハミングキッチンの眞中やす・イシイモモコとメンバーを増やしながら、カヴァー曲中心のセットで快晴の空の下に心地よい音を響かせる。
月例イベント『デイジーワールドの集い』で"公開リハーサル"を重ねてきたレパートリーたちがここに実を結んだ感もある中、イシイモモコとのハモリも美しいルイス・ボンファのカヴァー「Sambolero」はこの日が初演。これはフェルナンド・メイレレス監督の映画『ブラインドネス』(2008年)に使用されていた楽曲であり、あるいは秋に計画されているという映画音楽のカヴァー・コンサート(詳細未定)につながる選曲かもしれない。また、NHK特集『マネー資本主義』のテーマ曲「Smile」では、オンエア・バージョンでヴォーカルを担当しているアン・サリーが大阪場所のみのゲストで参加し、やさしい歌声を聴かせていた。
本来の予定では「Moments Like This」もセットリストに加わっていたようだが、それを飛ばして細野が「Hit The Road to Dreamland」を弾き始めたため、既に別の楽器をスタンバイしていた高田漣が大慌てする場面も。結局「これ(「Hit The Road〜」)が演りたいんだよ」という細野のひとことで「Moments〜」は省かれたものの、この辺りの自由さもまたひとつの芸風として、観客は爆笑とともに歓迎していた。
セットリストと各曲のパーソネルは下記の通り。

01. All La Glory(Japanese Version)  細野(g, vo)、高田(mandolin)、伊賀(b)
02. The Wayward Wind  細野(g, vo)、高田(vln)、伊賀(b)、伊藤(ds)
03. Taxi Driver  イシイ(vo)、眞中(g, cho)、細野(g)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
04. パノラマの丘  イシイ(vo)、眞中(g)、細野(g)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
05. Smile  アン・サリー(vo)、細野(g)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)、イシイ(鉄琴)
06. Sambolero  細野(g, cho)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)、イシイ(cho)
07. Hit The Road to Dreamland  細野(g, vo)、高田(vln)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)、イシイ(鉄琴, cho)
08. The Night They Drove Old Dixie Down(Japanese Version)  細野(g, vo)、高田(pedal Steel, cho)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g, cho)、イシイ(cho)
09. Pom Pom 蒸気  細野(g, vo)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g, cho)、イシイ(cho)


細野歌謡とお楽しみ 2009/04/27

4月27日夜、月例イベント『デイジーワールドの集い』4回めが、青山/EATS and MEETS Cayで開かれた。
ウクレレえいじの細かすぎるモノマネで幕を開けたこの日は、発売を2日後に控えている6CDセット『細野晴臣の歌謡曲〜20世紀BOX』にちなみ、前半はオーディションを通過した一般参加者によるカラオケ歌唱、そしてゆかりのアーティストたちによるカヴァーを織り交ぜた、細野作曲作品しばりの「のど自慢大会」。細野本人が審査委員長を務め、下記エントリーの中から最優秀賞に選ばれた一般男性(機材トラブルに負けず「ピンクのモーツァルト」をアカペラで怪唱)に、トロフィーと副賞の『20世紀BOX』が贈られた。

01. わがままな片想い/一般女性
02. ままごと/ハミングキッチン
03. 風の谷のナウシカ/一般女性
04. 天国のキッス/MICABOX feat.高遠彩子
05. ピンクのモーツァルト/一般男性
06. ラムはお好き?/ワールドスタンダード
07. Oh, My Love 〜ラジオから愛のうた/木津茂理

細野メロディーを交えたネタが笑いを呼んだ阿佐ヶ谷姉妹の演芸に続く後半は、これまた目前に迫った『Springfields'09』公演に向けた、細野バンドの「公開リハーサル」。4月29日大阪、5月3日東京での演奏予定曲から6曲を抜粋し、やはり2日後にアルバム「STRANGE TOMATOES』をリリースするハミングキッチンもフィーチャーしながら、新メンバー・伊藤大地(SAKEROCK)を含むアンサンブルがまとまりゆくさまを、もはや細野節と呼びたいボヤキ調のMCとともにゆるゆると披露した。
高野寛、テイ・トウワ、原田知世、今野英明ら、客席には今回も賑やかな顔ぶれが集っていたが、細野バンドの演奏の終盤には、自身のツアーのため日本滞在中の坂本龍一がふらっと来場。演奏を終えてステージに残った細野が「ちょっと話す?」と坂本を誘い、急遽、ふたりのトーク・コーナーも実現した。このあと、ほとんど強要に近い客席のリクエストに加えて細野が「どうぞピアノのほうへ」とダメを押し、坂本はまったく予定外に「Normandia」をショート・バージョンで演奏。調律の怪しいアップライトで坂本が弾く、かつて「坂本風に」とのオーダーに応えて作った自曲に、細野が聴き取れないほど微かなアルペジオをギターで添える。夢の中の出来事のようなその光景の余韻に包まれたまま、宴はお開きとなった。
細野は映画音楽のカヴァーに特化したコンサートの開催が今秋計画されており、他にもライヴのオファーが寄せられているという。今後の情報解禁を注目して待ちたい。
細野の演奏曲とパーソネルは下記のとおり。

<細野晴臣>
01. Hit The Road to Dreamland  細野(g, vo)、高田(vln)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)、イシイ(鉄琴, cho)
02. Moments Like This  イシイ(vo)、細野(g, vo)、高田(g)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)
03. Taxi Driver  イシイ(vo)、眞中(g, cho)、細野(g)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)
04. The Wayward Wind  細野(g, vo)、高田(vln)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(pf)
05. Smile  イシイ(vo, 鉄琴)、細野(g)、高田(mandolin)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g)
06. Pom Pom 蒸気  細野(g, vo)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、伊藤(ds)、眞中(g, cho)、イシイ(cho)

<坂本龍一> 坂本龍一(pf)、細野晴臣(g)
01. Normandia


Soul Connection 2009/04/26

9年ぶりのアルバム『Connected』発売を記念した小坂忠のビルボードライブ・ツアーのうち、4月13、14日@大阪(計4公演)、26日@東京(2ndステージ)に、細野晴臣がゲスト出演を果たした。
細野は小坂忠・高橋幸宏とともに、開演直後のオープニングからいきなり登場。この演出に客席は早くも沸く。小坂と細野のギター&ヴォーカル、高橋のコーラスでしっとりと奏でられた「ありがとう」に続き、ツアーバンド=Soul Connectionが揃って本編のスタートを告げる細野の提供曲「everyday angel」へ。立ち上がりの落ち着いたムードを打ち破る、高橋の最初のキックのインパクトがすさまじい(全編を通して、高橋のプレイは永く閉じていた引き出しを惜しみなく開放した感があり、まさにさまざまなドラム・パターンの見本市のようだった)。ステージに残った細野はここでシェイカー片手にコーラスを担当。手練のメンバーが完璧に再現するサウンドに乗り、その声は確かな存在感を放っていた。
この冒頭2曲を終えたところで細野は一旦退場するが、4月18日放送のInter FM『高橋幸宏 Extra-Ordinary Life』での高橋と小坂の対話によると、当初細野の出番はこれで終了のはずだったらしい。細野が次に姿を現したのはアンコールの2曲め。バンマス佐橋佳幸の発案で、細野が大阪入りしてから急遽決定したという小原礼とのツインベースが「ゆうがたラブ」で実現したのだ。中央に高橋のドラムスを挟み、向かって右に立つ小原と、左に立つ細野が対峙する。互いのフレーズを聴き合い、キャラクターを活かし合いながらベースで対話するかのような応酬は、小坂をして「素晴らしい光景」と言わしめた(26日東京公演では、もうひとりのゲスト・尾崎亜美も演奏に加わった)。
大阪公演初日の13日の細野の演奏参加は上記3曲。これが14日の公演ではさらに増え、アンコール1曲めの「機関車」で、細野はマンドリンを担当することになる。その音色が加わることで楽曲の哀調は確実に深みを増したが、26日東京公演のみ、明らかにマンドリンのサウンド・バランスが低すぎたのは惜しい。
なお、小坂はショウの中盤で「自分の音楽人生のターニング・ポイントになったアルバム」として細野プロデュースの『ほうろう』を挙げ、「ふうらい坊」「ほうろう」を続けて熱唱した。特に「ほうろう」の演奏に漲る各プレイヤーの気迫は、各公演約90分のショーの中で、ひとつのピークに達していたと言ってよいだろう。
細野の演奏参加曲とパーソネルは下記の通り。

01. ありがとう  小坂(g, vo)、細野(g, vo)、高橋(cho)
02. everyday angel  小坂(vo)、高橋(ds)、小原(b)、Dr.kyOn(kbd)、佐橋(g)、山本拓夫(sax)、西村浩二(tp)、鈴木桃子(cho)、石井真由美(cho)、細野(shaker, cho)
E1. 機関車  小坂(vo)、高橋(ds)、小原(b)、Dr.kyOn(kbd)、佐橋(g)、山本(sax)、西村(tp)、鈴木(cho)、石井(cho)、細野(mandolin) ※4月14、26日のみ。
E2. ゆうがたラブ  小坂(vo)、高橋(ds)、小原(b)、Dr.kyOn(kbd)、佐橋(g)、山本(sax)、西村(tp)、鈴木(cho)、石井(cho)、細野(b)、尾崎(organ, cho=26日のみ)


ホントに毎月やってます 2009/03/26

3月26日夜、3回めの開催となる『デイジーワールドの集い』が、青山/EATS and MEETS Cayで挙行された。参加者は、MICABOX feat.高遠彩子、岡田崇(クロード・ソーンヒル、ローレンス・ウェルクなどのフィルム上映)、児玉奈央、東京ガールズ(演芸)、Praha(ベリーダンス)、細野晴臣、清水宏、今野英明。
翌日に締め切りを3つ抱えた状況下での宴を「大人の修羅場」と表現した細野の演奏は22時ごろから。いきなり意表をついてドラムスに鎮座するや、まずは高田漣・伊賀航とともに、徳武弘文のギターをフィーチャーした2曲でサポートを行う。センター・ポジションに移って以後は、コシミハルを加えた「ワールドシャイネス・マイナス1」の布陣でカヴァー・ソング3曲を披露。「僕が出てきたらリハーサルと思ってください」と語る細野は、月例のこの集いでは毎回新たなレパートリーを試奏する方針を固めたようで、今回選ばれたのはチャールズ・チャップリンが映画『モダン・タイムス』(1936年)で作ったあまりにも有名なエンド・テーマ「Smile」だった。実は翌日の締め切りのひとつが、NHKスペシャル『マネー資本主義』(4月19日より全5回放送予定)のためにこの楽曲をカヴァーするプロジェクトであり、先ごろアン・サリーを迎えて行われた歌入れの際に「自分でも歌えそうだ」と思い、今回採り上げたのだという。ギターのアルペジオをキープしながら歌うのには苦労したらしく(リテイクもあり)、細野は演奏後、「難しい曲だ」と呟いていた。
飛び入り参加にも関わらずこの日のトリを務めた今野英明のソロ・セットでは、トリロー・ソング「ゆらりろの唄」の途中から、細野が再びドラマーとしてステージへ。今野のその場の思いつきで演奏メンバーが徐々に増えていく中、清水宏の破壊的な即興詞が炸裂したオーラス「幸せハッピー」までリズムを刻み続けた。
またこの日、栗林慧(ダブル・フェイマス)が自身の弦楽器ブランド「Ka Lani The Strings」で製作したMini Guitarを細野にプレゼントするために来訪。舞台上で贈呈式が行われ、白の美麗なケースに収められた現物が、満場の拍手の中で栗林から細野に手渡された。
その他、この日の新情報としては、細野が中川翔子に提供する楽曲がアニメーション『ポケモン』に使用されることが明かされ(そのミックスの締め切りも翌日)、4月9・10日にソウルで行われる舞踊家・金梅子(キム・メジャ)の公演で、細野・三上敏視・鎌田東二・高遠彩子・嵯峨治彦が音楽演奏を担当する予定が、MICABOXのセットにおけるMCで三上から発表された。
細野の演奏曲とパーソネルは下記の通り。

<徳武弘文> 徳武(g)、細野(ds)、高田(pedal steel)、伊賀(b)
01. Caravan 
02. Mr. Sandman

<細野晴臣>
01. Smile  細野(g, vo)、徳武(g)、コシ(accordion)、高田(pedal steel)、伊賀(b)
02. I'm A Fool to Care  細野(g, vo)、徳武(g)、コシ(accordion)、高田(pedal steel)、伊賀(b)
03. Winter Wonderland  細野(g, vo)、徳武(g)、コシ(accordion)、高田(mandolin)、伊賀(b)

<今野英明>
04. ゆらりろの唄  今野(vo, banjo, kazoo)、細野(ds)
05. これが自由というものか  今野(vo, banjo)、細野(ds)
06. Day Dream Believer  今野(vo, banjo)、細野(ds)、徳武(g) ※訳詞:ZERRY(忌野清志郎)
07. 僕は特急の機関士で  今野(vo, banjo)、細野(ds)、徳武(g)
08. 幸せハッピー  今野(vo, banjo)、細野(ds)、徳武(g)、高田(pedal steel)、伊賀(b)、高遠彩子(cho)、清水宏(vo, dance)


デイジーホリデーSHOW! 2009/02/26

2月26日夜、月例化に向けて始動した『デイジーワールドの集い』の2回め『デイジーホリデーSHOW!の巻き』が、青山/EATS and MEETS Cayで開催された。参加者は、坂本頼光(活弁士)、ワールドスタンダード、岡田崇(スリーサンズ、アルビノ・レイ、ホーギー・カーマイケルの珍しいフィルムを上映)、星野源(トーク)、lemo、荒木巴(マジシャン)、清水宏、細野晴臣、ハミングキッチン。
細野のライヴ・セットには前月と同じ高田漣、伊賀航に加え、コシミハル、鈴木惣一朗、三上敏視、さらに久保田麻琴、徳武弘文が飛び入りに近い形で参加。「公開リハーサル。誰もいないつもりでやる」というスタンスは崩さず、ザ・バンドの新たな日本語バージョン「All La Glory」を含む5曲が披露された。
また、トリのハミングキッチンが最後に行った「Chow Chow Dog」のセッションでは、「幻のドラマー」と紹介されてステージに上がった細野の、極めて貴重なドラム・プレイが聴かれた。
細野はイベントの各所で東榮一とともに司会進行の役回りも務め、星野源とのトーク・コーナーでは、話題の中心となった原田知世本人を急遽客席から呼び入れるというサプライズも演出。「回を重ねるごとに面白くしていきたい」との言葉どおり、前回に輪をかけてバラエティに富んだ内容になったが、こうした集いは3月、4月と引き続き開かれる計画であるらしい。
なお、原田知世、中川翔子へ、細野の楽曲提供が予定されていることが、イベントの途中でさりげなく明かされた。 
細野の演奏曲とパーソネルは下記の通り。

<細野晴臣>
01. Hit The Road to Dreamland  細野(g, vo)、コシ(accordion)、高田(fiddle)、伊賀(b)、鈴木(ds)
02. Bonne nuit minouche  コシ(accordion, vo)、細野(g)、高田(mandolin)、伊賀(b)、鈴木(ds)
03. All La Glory(Japanese Version)  細野(g, vo)、高田(mandolin)、伊賀(b)、鈴木(ds)、三上(g) ※訳詞:細野
04. The Night They Drove Old Dixie Down(Japanese Version)  細野(g, vo)、高田(mandolin)、伊賀(b)、鈴木(ds)、三上(g, cho)、久保田(g, cho) ※訳詞:細野
05. Mr. Sandman  徳武(g)、細野(g)、高田(mandolin)、伊賀(b)、鈴木(ds)

<ハミングキッチン>
04. Chow Chow Dog  イシイモモコ(vo)、眞中やす(g, cho)、細野(ds)、久保田(g, cho)、田中佑司(pf)、伊賀(b)


デイジーワールド新春の集い 2009/01/24

1月24日夜、daisyworld discsの公開新年会『デイジーワールド新春の集い 〜祝・旧正月と節分の巻き〜』が、青山/EATS and MEETS Cayで催された。
A&Rの東榮一(TCHES)と広報担当の八木曜子(コロムビアミュージックエンタテインメント)が司会進行を務め、参加者の寒空はだか、MICABOX feat.高遠彩子、ワールドスタンダード、細野晴臣、伊藤ゴロー、青柳拓次、清水宏、木津茂理(登場順)が次々に演奏やスタンダップ・コメディを披露するという趣向。関係者も一般客も隔てなく飲食を楽しむ中で、宴は和やかに進んでいく。
細野は自らのセットを、高田漣、伊賀航のシャイネス組に伊藤ゴローを加えた編成による3曲のカヴァーでまとめた。「Hit The Road to Dreamland」は1月19日未明放送のInter FM『Daisy Holiday !』での予告通り。ザ・バンドのカヴァーについては高田からプッシュがあり、前夜、CDを聴くうちに選曲が固まったという。そこから譜面や訳詞作りなどの作業をした細野は寝不足で当日を迎えており、当初は完全なるぶっつけ本番で披露する覚悟もあったようだが、予想を超える人の多さを見て急遽楽屋でメンバーと音合わせをしたと明かしていた。しかし、それでも思い通りにいかないのが生の醍醐味。「ちょっと待って」と演奏をストップしながらリトライするさまはセッションの過程そのものにも見え、まさに「公開リハーサル」と呼びたい面白さがある。本来は身内の集いという気安さも手伝ったのだろう、いつにも増して「素」に近いと思われる細野のMCも、ボヤキ満載で爆笑を呼んでいた。
会も終わりに近づいた23時前、持ちネタを終えた清水宏が例によって「細野さんを熱狂的に求めてみよう」と会場をあおりまくり、必要以上にヒートアップさせるのを「やめてくれ〜」と笑っていた細野は、あり得ないほどの拍手と歓声に背中を押されるように改めてステージへ。一週間前に同じ場所で共演したばかりの木津茂理を迎えて「Gado Gado Djakarta」を、続けてこの日登場したミュージシャンほぼ全員をステージに上げて「幸せハッピー」を演奏し、圧倒的な幸福感のうちに宴を締めくくった。
細野はこの他にも、開会の乾杯、スタッフらを鬼に見立てた中盤の豆まき、閉会の三本締めと大忙し。「出ずっぱりなんだな」と当人は首をひねっていたが、集まったファンにとっては、それらを含めたすべてがお年玉のようにうれしい時間に感じられたことだろう。
細野の演奏曲とパーソネルは下記の通り。

細野晴臣(g, vo)、高田漣(mandolin, cho)、伊賀航(b)、伊藤ゴロー(g)
01. Long Black Veil
02. The Night They Drove Old Dixie Down(Japanese Version) ※訳詞:細野晴臣
03. Hit The Road to Dreamland
 
木津茂理(vo)、細野晴臣(guitalele)、高田漣(mandolin)、伊賀航(b)、三上敏視(perc)、青柳拓次(accordion)
01. Gado Gado Djakarta
 
木津茂理(vo, 太鼓)、細野晴臣(g, vo)、高遠彩子(vo)、木津かおり(vo)、高田漣(mandolin, cho)、伊賀航(b)、三上敏視(perc, cho)、青柳拓次(accordion)、
鈴木惣一朗(g, cho)、藤原マヒト(accordion)、武嶋聡(clarinet)、神田智子(perc, cho)、田中佑司(pf)、寒空はだか(dance) 他
01. 幸せハッピー


テンツクmeetsクロンチョン 2009/01/17

1月17日夜、青山/EATS and MEETS Cayで開催された木津茂理のソロライヴ『木津茂理の玉手箱 テンツクmeetsクロンチョン』に細野晴臣がバンド・メンバーとして出演し、気心の知れた仲間たちとともにサポートを行った。
木津、特別ゲストの雲龍と開演直後の鏡割りにも参加した細野が、再びステージに登場したのは第二部の冒頭から。伝統的な民謡のスタイルに根ざした第一部と打って変わり、ここでは木津が民謡の枠にとどまらないエキゾティックな音楽世界への挑戦を試みる。それは木津自身の多様な探究心の表れであると同時に、細野が辿ってきた音楽の旅とも無縁ではなく、とりわけ2006年頃より細野や浜口茂外也が顕著な関心をみせていたインドネシアのポピュラー音楽の一形態・クロンチョンのスタイルが、具体的な演奏として実を結んだことが興味深い(クロンチョンの楽器編成に則して、高田漣がヴァイオリンを、伊賀航がチェロを担当する場面もみられた)。木津のMCによれば、木津からライヴの相談を受けた細野がこの日のメンバーを人選し、選曲の参考にとCDを貸与したりもしたといい、細野もまたサポートの意味合いを超えたコラボレーションとして、今回のライヴを新たな実験の機会ととらえていただろうことは想像に難くない。それでいてシリアスさのかけらもなく軽やかな遊び心に溢れた1時間強は、レパートリーもさることながら、おなじみの楽曲のアレンジにおいても、稀少にして貴重な"異種混交"が聴かれるステージとなった。
細野の演奏参加曲とパーソネルは下記の通り。

木津茂理(vo, 太鼓, 三味線)、細野晴臣(g, guitalele, vo, cho, hand clap)、浜口茂外也(perc, 笛, flute, vo, cho, hand clap)、鳥居誠(笛, perc, cho, hand clap)、
高田漣(e.g, vln, pedal steel, mandolin, cho, hand clap)、伊賀航(b, vc, hand clap)、木津かおり(笛, 三味線, perc, cho)
<第二部>
01. 西馬音内盆踊
02. Gado Gado Djakarta
03. 閑吟集
04. Bali Ha'i
05. Corazon De Melon
06. げんげんばらばら
07. Hong Kong Blues
08. 亀田甚句
E3. 江差餅つき囃子 ※with 澤田勝秋(三味線)
E4. 幸せハッピー ※with 澤田勝秋(三味線)、渡邊香澄(三味線, cho)、木津茂理社中(三味線, cho)


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