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past news 2007


Live in 横浜 2007/12/09

12月9日夜、細野晴臣&ワールドシャイネスのアルバム発売後初となるライヴが、横浜/サムズアップで行われた。
細野が指名したというZYDECO KICKSの目にも楽しいオープニング・アクトのあとを受け、ワールドシャイネスは20時50分ごろステージに登場。『Flying Saucer 1947』収録曲や最近のライヴ活動のレパートリーを中心に、独特のゆるい空気で細野の歌詞忘れやメロディー忘れをも味方につけ、抽選販売でチケットを得た観客を大いに楽しませた。Swing Slowでもおなじみの「I'm Leaving It All up to You」、そしてMCで「レス・ポール&メリー・フォードで一番好きな曲」と紹介された「I'm A Fool to Care」と、一連のシャイネス関連ライヴでは初めて採り上げるナンバーも披露。ライヴハウスならではの距離感の近さから来るフランクでアットホームな雰囲気の中、展開を間違えてすっきり終われなかった「Pom Pom 蒸気」のリテイクや、「Good Morning, Mr. Echo」で予定外の二度目のアンコールに応えるといったサーヴィスも飛び出す。会場には関係者の顔も多く見られ、小空間での特別な夜を一般客とともに楽しんでいた。
なお細野はMCの中で、「来年はもっと場数を増やしたい」と、このバンドでのライヴ活動の継続を改めて示唆した。
メンバーとセットリストは下記のとおり。

細野晴臣(vo, g, perc)、徳武弘文(g)、コシミハル(accordion, vo, cho)、浜口茂外也(ds, cho)、伊賀航(wood.b)、高田漣(steel.g, mandolin, cho)
01. Pistol Packin' Mama
02. I'm Leaving It All up to You
03. The Wayward Wind
04. Body Snatchers
05. Flying Saucer Breakdown
06. Caravan
07. Bonne nuit minouche ※vo=コシミハル
08. Hong Kong Blues
09. I'm A Fool to Care
10. Morgan Boogie
11. Pom Pom 蒸気
12. Pom Pom 蒸気(Take 2)
13. Sports Men
E1. ろっかばいまいべいびい
E2. Mr. Sandman ※instrumental
E3. Jambalaya ※with ZYDECO KICKS=中林由武(accordion, vo)、西田琢(fiddle)、竹内文科(triangle)、倉田麻里子(rub board)
E4. Good Morning, Mr. Echo


しゃっきとせ Live in Tokushima 2007/11/17

11月17日夜、澤田勝秋(唄, 津軽三味線)と木津茂理(唄, 和太鼓)の民謡ユニット・つるとかめのアルバム『しゃっきとせ』発売記念ライヴが徳島/徳島ホールで行われ、澤田、木津ともに気合充分の迫力ある演奏を聴かせる中、6月の東京公演に続いて細野晴臣と浜口茂外也がゲスト出演した。
第一部終盤の「げんげんばらばら」から細野と浜口が参加し、休憩後の第二部に通しでパーカッション類を担当する構成は東京公演と同様。ただしセットリストには曲順の入れ替えを含め若干の改変がみられた。特に「ちょっとした余興」(細野)として第二部の冒頭を飾った「Pistol Packin' Mama」は、当日になって急遽レパートリーに加えられたと木津が説明。澤田の津軽三味線が印象的な味付けとなり、登川誠仁バージョンをも連想させる、どこかユーモラスな民謡調へと変貌を遂げていた。アンコールのラストに演奏された「幸せハッピー」は、ダンス仕様なのか、ややテンポが速め。曲に合わせて阿波踊りの名手であるゲスト・四宮生重郎らがステージ前で踊り出し、つられた観客も踊りに参加するなど、にぎやかなエンディングとなった。
細野と浜口が演奏で参加した曲目は下記の通り(特記すべきパーソネルのみ併記)。

<第一部>
げんげんばらばら  細野:vo, perc、浜口:vo, perc、鳥居誠:suling
西馬音内盆踊  浜口:suling、鳥居誠:suling

<第二部>
Pistol Packin' Mama  細野:g, vo、浜口:cajon
江州音頭
伊予万才
津軽甚句
津軽小原節
出雲崎おけさ〜選鉱場おけさ  木津:三味線、細野:太鼓、浜口:太鼓
鹿児島はんや〜阿波よしこの節  細野:太鼓、浜口:太鼓、福島俊治:perc

<アンコール>
幸せハッピー  細野:g, vo、福島俊治:三味線


15歳の初体験 2007/11/08

11月8日夜、SPEEDSTAR RECORDSの設立15周年を記念したイベント『LIVE SPEEDSTAR EXPRESS 〜15歳の初体験〜』が開催され、細野晴臣がUAとコラボレートライヴを行った。
全6組のトリに登場したUA(vo, perc)×細野(vo, g, b, perc)のユニットは、内橋和久(g, daxophone)、鈴木正人(b)、高田漣(steel.g, manndolin)をバックに、細野の楽曲で固めたレパートリー全曲でデュエットを披露。ドラムレスのアンサンブルに加え、UAという表現力豊かな歌姫を迎えたことがいずれの曲にも新鮮な表情を与えていたが、中でもライヴでは珍しい「AIWOIWAIAOU」は、途中、UAがヴォーカルでリードをとる「Rydeen」がメドレー風に挿入される意表を突く展開をみせ、このセッションの大きなハイライトになった。基本的にギターを手にしていた細野が1曲だけベースに持ち替えたのが「夏なんです」。この曲を細野がベースを弾きながら歌うのは、あるいははっぴいえんどのステージ以来ではないかと思われる。
公演中、セットチェンジのつなぎに、SPEEDSTARの契約アーティストが自らの「15歳のころ」を当時の写真とともに回想するビデオが映し出された。ステージのMCで「僕はSPEEDSTARの専属じゃないんです。なんでここにいるんだろう」ととぼけていた細野もしっかり登場。「ファッションに目覚める前」というおどけた表情の晴臣少年の写真を肴に、「もうバンドでダンスパーティーに出て、ビーチ・ボーイズの曲をベンチャーズ風にやっていた。ボブ・ディランも聴いていた」と振り返っていた。
ライヴ全編はフジテレビと思しきカメラクルーが収録しており、CS等でのオンエアが期待できそう。
UAと細野のセットリストは下記のとおり。

01. 夢見る約束
02. ろっかばいまいべいびい
03. 夏なんです
04. AIWOIWAIAOU(〜Rydeen)
05. ありがとう


クマグスの森 2007/11/02

11月2日夜、神宮前/ワタリウム美術館で開催中の『クマグスの森』展の関連企画として、雲龍と細野晴臣によるライヴ「森羅万象〜祈り」が行われた。
ライヴは二部構成で、雲龍の呼びかけで参加したという細野は休憩を挟んだ後半から登場。鳴り物で色を添え、雲龍が奏でる笛の静謐な響きを際立たせながら、その演奏は時折、ゲストのKNOBが操るディジュリドゥのリズミカルなうねりと呼応するかのような高まりもみせていた。
会場にはスチロール製の「かまくら」状ドームが設えられ、演者はその中で演奏を行ったため、観客はドームの一部に空けられた穴から覗く以外、演者の姿を肉眼で見ることができない(代わりに会場壁面にリアルタイムの映像が映し出される)。2005年6月5日、同じくワタリウム美術館での『Tenshin Night』における、六角堂内での生演奏を想起させられるシチュエーション。しかしほとんど歓談中のBGMと化していた『Tenshin Night』と違い、この日はライヴそのものがメイン・イベントである。この演出に観客の大半は面喰らった様子だったが、細野はかねてより演者と観客が対峙する形で行われる従来のコンサート形式への疑問をしばしば口にしてきた経緯がある。その意味ではこの日のライヴは、雲龍の主導ではあったにせよ、演者と観客が対立せずにその場に響く音を共有する演奏形態の、ひとつの試みになったと見ることもできるかもしれない。


「犬童一心×細野晴臣」ふたたび 2007/10/16

犬童一心監督が主演に小泉今日子を迎えて撮影中の映画『グーグーだって猫である』の音楽を、細野晴臣が担当する。大島弓子の同名漫画の映画化で、公開は2008年秋を予定。犬童作品の音楽を細野が手掛けるのは、『メゾン・ド・ヒミコ』(2005年)に続き2作目となる。


日本の歌について 2007/09/30

9月30日午後、池上/實相寺で、東京自由大学の公開講座『日本の歌について』が催された。講師は細野晴臣と、ガムラン演奏家・笛奏者の鳥居誠、民謡歌手・太鼓奏者の木津茂理で、司会進行はおなじみの鎌田東二。東京自由大学では細野を講師に迎えた公開講座を2003年から5年連続で開催してきたが、この企画はひとまず今回で終了するという。
まずは細野が、「アメリカに無条件降伏したような幼少期の音楽体験を持つ自分にとって一番遠い存在だった」という日本の伝統音楽に接近し、木津、鳥居のそれぞれと知り合っていく過程を回想。その上で現在は自らの音楽の旅がパーソナルなものになってきたとし、『Flying Saucer 1947』にひとつの結実をみたように、これまで体験してきた様々な音楽を「邦楽も含めて思い出す時期」と語った。一方、山田流箏曲の鳥居家に生まれた鳥居と、民謡歌手を父に持つ木津は、自らの出自と足跡、細野との出会いのエピソードなどを披露。日本の伝統音楽をバックボーンに持ち、それ故にこそ世界の民族音楽とつながる体験をしているふたりの共通性が見えてくるような、興味深い話だった。
休憩を挟んだ第二部では、質疑応答の前に、和装に着替えた木津の唄と太鼓、鳥居の笛を中心とする生演奏が聴けた。「日本の歌」という講座のテーマを一身に背負った木津の歌唱と太鼓、とりわけ「八丈太鼓囃」は圧巻の一言。大小のメディスンドラムを持参した細野は、湿気で「(皮が)ベコベコになっちゃった」と言いながら、「隠岐の田植唄」や、鳥居の循環呼吸によるドローンをフィーチャーした即興で演奏に加わった。
なお、この日細野は環太平洋モンゴロイド・ユニットの活動について、「これまでレコーディングを避けてきたが、10年間試行錯誤を重ねてきたひとつの結果として、来年レコーディングをしてみたい」とのプランを明らかにした。


We are Not Alone 2007/07/28

7月28日夕刻より、日比谷野外大音楽堂で、60歳の誕生日を迎えたばかりの細野晴臣を囲むコンサート・イベント『細野晴臣と地球の仲間たち』が開かれた。
開場と同時に、まずはサブステージ上のmiroque、さらにMICABOX feat.高遠彩子がオープニング・アクトで観客を迎え入れる。
『細野晴臣トリビュート・アルバム』の参加アーティストが大挙駆けつけた第一部は、意表をつく竹中直人のオープニングMCを受け坂本龍一、高橋幸宏とステージに上がった細野がヴァン・ダイク・パークスを紹介して「あとはよろしく」と退場、「Yellow Magic Carnival」で幕を開けた。「風の谷のナウシカ」で久々のステージに立った嶺川貴子まで全10組。多くのアーティストがMCでこのイベントに参加できた喜びを口にし、愛情を込めて楽しげに細野の楽曲を演奏する姿が印象に残った。
休憩を挟んだ第二部の冒頭は、第一部でもセットチェンジの折々に緋田康人とともに現れて笑いを呼んでいた竹中直人が、今度は高橋幸宏と、ファンにはおなじみの「流しの二人」を披露。ひとしきりのネタ見せに続き、この日、9月26日のアルバム・リリースが発表されたばかりのHarry Hosono & The World Shynessのセットとなる。細野は、浜口茂外也(ds, cho)、徳武弘文(g)、高田漣(pedal steel)、伊賀航(wood.b)、コシミハル(accordion, cho)がすでにスタンバイするステージ後方から、UFO関連音源コラージュの盛り上がりとともにド派手に登場。1曲めに映画『未知との遭遇』のテーマを意外なアレンジで聴かせ、ストレンジな音世界へと観客を誘う。自身の軽やかなヴォーカルとギターを中心とするThe World Shynessのサウンドを細野は「クールなカントリー」と説明。「いろいろやってきて、このスタイルに辿り着きました」との言葉通り、2005年の『HMF2005』出演、昨年4月まで続いた東京シャイネス、同年7月のHarry Hosono Quintet@フジロック、そして今年5月のHarry Hosono & His Western Boogie Band@circle '07を経た、ひとつの集大成という感も。レパートリーはアルバム『Flying Saucer 1947』の収録予定曲が中心で、カヴァー曲はもとより「Body Snatchers」も「Sports Men」同様の大胆なカントリー・スタイルで提示し、「60歳になって、テクノはやめた」との発言まで飛び出した。
再登場したヴァン・ダイク・パークスが「The Four Mills Brothers」を歌ったシーンも記憶されるべきハイライトになった。『Discover America』収録のこの曲を彼がライヴで歌うのは「first time」だという。そして、出演者全員がステージに揃っての「さよならアメリカ さよならニッポン」。多くの仲間たちが声を揃えて歌い、35年前にこの楽曲のレコーディングを指揮したヴァン・ダイクがアコーディオンを手に身を揺らす。それは、細野にとってまたひとつの円環が閉じた瞬間だったかもしれない。
本当の大団円は、細野のために全員で「Happy Birthday」を歌うサプライズ。満場の拍手の中でケーキが運び込まれ、細野がロウソクを吹き消す。まさに会場中がひとつになって細野を祝福した、感動的なエンディングだった。
公演の模様は全編映像収録されており、今後のオンエアやソフト化が期待される。
セットリストは下記のとおり(第一部は細野の演奏参加はなし)。

第一部
01. Yellow Magic Carnival/Van Dyke Parks+Sandii
02. 風来坊/Jim O'rourke+Kahimi Karie
03. Midnight Train/畠山美由紀+Bophana
04. 終りの季節/高野寛+イシイモモコ
05. Black Peanuts/Vagabond c.p.a.+片寄明人+ショコラ+片岡知子
06. 北京 Duck/□□□+Bophana
07. 日本の人/Sake Rock Allstars+寺尾紗穂
08. 三時の子守唄/World Standard+小池光子
09. Turn Turn/Cornelius+坂本龍一+高橋幸宏
10. 風の谷のナウシカ/坂本龍一+嶺川貴子

第二部/Harry Hosono & The World Shyness
01. Close Encounters of The Third Kind
02. Flying Saucer Breakdown(新曲) ※匿名情報により、曲名が判明しました。どうもありがとうございました。
03. Body Snatchers
04. The Wayward Wind
05. Morgan Boogie
06. Pistol Packin' Mama
07. Mr. Sandman(feat. 徳武弘文)
08. The Four Mills Brothers(with Van Dyke Parks, 坂本龍一)
09. Pom Pom 蒸気
10. Sports Men(with 高橋幸宏)
E1. 幸せハッピー(with 木津茂理, 木津かおり)
E2. さよならアメリカ さよならニッポン(出演者全員)


Flying Saucer 1947 2007/07/23

7月23日未明放送のInter FM『Daisy Holiday !』で、細野晴臣は、「アルバムを作っている」と発言した。「空飛ぶ円盤」飛来の年と自らの生年とを重ねた"Flying Saucer 1947"なるタイトルともコンセプトともとれるワードを示し、細野は音楽的なテイストを「カントリーっぽい」と説明。「カントリーと(円盤が)合う。なんでだろう」と付け加えた。


Work in Progress 2007/07/18

7月16日夜、木津茂理・かおり姉妹をゲストに招いて、細野晴臣「幸せハッピー」のヴォーカル録りが行われた模様。今秋リリース予定のソロ・アルバムのレコーディングと見られるが詳細は不明。木津茂理の日記7月16日付を参照。


Live Earth 2007/07/07

地球温暖化の防止を訴えるコンサート『Live Earth』が世界8ヵ国9都市で開催され、7月7日夜、京都会場(東寺)のトリを、Yellow Magic Orchestraが務めた。
高橋幸宏(e.perc, ds, vo)、坂本龍一(kbd, cho)と細野晴臣(b, perc, cho)が3人揃ってのライヴは、今年5月、パシフィコ横浜でのHuman Audio Sponge公演が記憶に新しいが、今回のステージにサポート・メンバーの姿はなく、しかもこの名義での登場は1993年6月の東京ドーム以来14年ぶり。聴衆は演奏がはじまる前からほとんど総立ちに近い状態で3人を出迎える。演奏された4曲はいずれもパシフィコ横浜公演とベーシックなアレンジは共通でありながら、フィジカルなバンド・アンサンブルが明らかに強化された。特に細野のベースは「Rescue」を筆頭に刺激的なフレーズを次々に繰り出し、後半2曲での高橋の力強いドラムとの絡みもさすがの相性のよさを感じさせた。
この日の演奏はNHK-BSハイビジョンで後半2曲が中継された他、CSフジテレビ721が22時間に及ぶ『Live Earth』特番の最後に「Rydeen」をオンエア、また、msnの『Live Earth』サイトでは3人の登場から全4曲のライヴ、退場に至る一部始終が配信され、「Rydeen」を除く3曲は7月8日現在オンデマンドで視聴できる(http://liveearth.jp.msn.com/videos)。
セットリストは次の通り。

01. You've Got to Help Yourself
02. Rescue
03. War & Peace
04. Rydeen


しゃっきとせ Live 2007/06/26

6月26日夜、澤田勝秋と木津茂理の民謡ユニット・つるとかめのアルバム『しゃっきとせ』発売記念ライヴが吾妻橋/アサヒ・アートスクエアで行われ、同作に参加している細野晴臣と浜口茂外也がゲスト出演した。
澤田の唄と津軽三味線、木津の唄と太鼓で日本各地の民謡が次々に披露された第一部の終盤、『しゃっきとせ』にも収録の「げんげんばらばら」から細野と浜口が登場。二人は休憩後の第二部も全曲通しで参加した他、予定外のアンコール曲「東京音頭」でも途中から演奏に加わる活躍をみせた。この日の細野は浜口とともに基本的に鳴り物とパーカッション類の担当だったが、第二部の途中ではギターを手にとり、2006年4月の東京シャイネス福岡公演以来となる「幸せハッピー」を木津とのデュエットで披露。踊り出す聴衆が続出した第二部のクライマックスでは、バチを手に木津との太鼓デュオでにぎやかなグルーヴを演出した。
セットリストは木津茂理オフィシャルサイト、Diaryのコーナーにアップされる予定なので参照されたい。


エンケン with ティン・パン 2007/06/05

6月5日夜、SHIBUYA-AXで遠藤賢司の還暦記念リサイタルが開催され、約3時間に及ぶステージの後半、休憩を挟んだ第二部の途中から、ゲストの細野晴臣(b, cho)、鈴木茂(g, cho)、林立夫(ds)がサポートを務めた。
この顔ぶれが集うのはライヴ・アルバム『歓喜の歌』にもなった1973年4月の神田/共立講堂公演以来とあってか、遠藤は「うれしい」を連発。はっぴいえんどの時代から細野らがバッキングしてきた楽曲がレパートリーの中心となり、曲紹介の度に観客からは歓声が上がる。「雨あがりのビル街」での抑制された美しいプレイ。遠藤のほとばしる衝動と呼応する「夜汽車のブルース」でのグルーヴの疾走感。ティン・パン再結集と見ることもできる三人の熟達した演奏に身を委ねるように、遠藤はアンコール1曲目までの5曲を聴かせた。
「これからは『細野』『遠藤』と呼び合うことにした」という旧知の友を迎えた遠藤のMCは自然と饒舌に。若き日の思い出や、細野がかつて遠藤から譲り受けた愛猫・寝図美のことにも話題が広がり、細野が思わず「こういう話を続けてていいの?」とツッコむ様も笑いを生んでいた。
同ライヴは、遠藤の『不滅の男』など、近年意欲的な音楽ドキュメンタリー映画を発信しているアルタミラ・ピクチャーズ系列のアルタミラ・ミュージックが制作、映像収録のカメラが数台確認できたが、詳細はわかっていない。
細野、鈴木、林のゲスト参加曲は次の通り。

01. 待ちすぎた僕はとても疲れてしまった
02. 雨あがりのビル街
03. やっぱりあなたの歌じゃなきゃ
04. 夜汽車のブルース
E1. 寝図美よこれが太平洋だ


circle '07 2007/05/26

5月26日、福岡/海の中道海浜公園で開催された野外フェス『circle '07』に、細野晴臣が出演した。
陽が傾いた18時過ぎ、ひときわ大きな拍手に迎えられて、ギターを抱えた細野がにこやかに登場。徳武弘文(g)、鈴木正人(wood.b,)、高田漣(pedal steel, mandolin, cho)、浜口茂外也(ds, perc, cho)を率いた演奏はカントリー色を強め、昨年7月のHarry Hosono Quintet@フジロックでのパフォーマンスに通じる味わいを、細野のヴォーカルにこだわってさらに深化させたような印象だった。セットの中盤に並べたカヴァー曲では、「子供の頃に聴いていた」という1950年代のカントリー・ナンバー「The Wayward Wind」を初披露。白眉は最後に演奏された「Sports Men」で、想像だにしないアップテンポのカントリー・アレンジがオリジナルのテクノなイメージを軽やかに払拭する。トリビュート・アルバムでの高橋幸宏バージョンも記憶に新しい中、細野自身によるこの新鮮な解釈は聴衆にも大いにアピールするものだった。
約30分にわたり椅子を使わずにステージを務め上げた細野は、「朝6時に起きちゃったから、いま眠いんですよ」と言いながらも終始リラックスした風情で、MCの度に笑いを誘うなど、フェス全体の和やかな雰囲気との相性のよさを感じさせた。
同フェスは映像収録されていたが、放送等の予定は今のところ不明。
セットリストは下記の通り。

01. Morgan Boogie
02. Pom Pom 蒸気
03. Good Morning, Mr.Echo
04. The Wayward Wind
05. Caravan
06. Birthday Song
07. Sports Men


HAS=YMO? 2007/05/19

5月19日夜、小児がんをはじめとする病に苦しむ子供たちと家族の支援を目的とする『Smile Together Project』の一環として、Human Audio Spongeがパシフィコ横浜国立大ホールでスペシャル・ライヴを行った。チケット代金は全額、(財)がんの子供を守る会の活動資金になる。
Human Audio Sponge名義としては2004年10月の『sonarsound tokyo』以来となるステージは、高橋幸宏の呼びかけで実現。高橋(vo, e.perc, ds)、坂本龍一(kbd, vo, cho, ds)、細野晴臣(b, perc, vo, cho, kbd)に、アンコール時に揃いのYMOシャツに着替えて再登場するというチルドレンぶりを見せた三人のサポート・メンバー、権藤知彦(computer, horns)、高田漣(pedal steel, g, mandolin)、高野寛(g, cho)を加え、新旧織り交ぜた17曲を披露した。
昨秋の高橋のソロ・ツアーでのレパートリーだったmarzのカヴァー「Everybody Had A Hard Year」が採り上げられ、細野の楽曲「Sports Men」は高橋によるトリビュート・アルバム・バージョンでの演奏(メイン・ヴォーカルも高橋)。MCも高橋が積極的に担当するなど、サポート・メンバーの顔ぶれも相まって、全体的な雰囲気は高橋のカラーが強い印象を残す。子供の自助を謳う「You've Got to Help Yourself」、「待ってる 一緒に 歌う時」と呼びかける「Ongaku」といったYMOナンバーの選曲が、懐古的なお祭り感よりはイベントの主旨を踏まえた意図を感じさせる一方、これらの曲や「Rydeen 79/07」、さらに坂本がドラムスにまわっての「Cue」をてらいなく演奏する三人の姿は、最近のインタビューなどで語られていたように、YMOという怪物に対するメンバーのこだわりが、確かに消えていることの証であるようにも見えた。
細野は全17曲中「Mars」「Flakes」「Ongaku」以外はベースをショルダーから離さず、手弾きならではのフレーズを随所に聴かせていた。
なお、ステージは全編映像収録されており、NHKで放送予定があるほか、ソフト化の可能性も期待される。
セットリストは下記の通り。(5月21日追記:新曲の曲名が判明しました。)

01. You've Got to Help Yourself
02. Sports Men
03. Fly Me to The River
04. Mars
05. Flakes
06. Everybody Had A Hard Year
07. Riot in Lagos
08. Ongaku
09. Resque
10. Turn Turn
11. Supreme Secret
12. Wonderful to Me
13. War & Peace
14. Rydeen 79/07
E1. Chronograph
E2. Ekot
E3. Cue


more trees 2007/05/18

5月18日夜、坂本龍一が進めているプロジェクト『stop-rokkasho』の1周年記念イベントが西麻布/Super Deluxeで行われ、細野晴臣と高橋幸宏が飛び入りのトーク・ゲストとして出演した。
細野と高橋が登場したのはイベント中盤、中間法人『more trees』の設立に話が及んだくだりで、坂本の呼びかけで桑原茂一、中沢新一とともに『more trees』の発起人に名を連ねている二人にも声がかかったもの。坂本、桑原、吉村栄一との10分ほどのトークは、キリン・ラガービールCMの話を入口に環境問題をめぐってゆるやかに進み、細野は「難しいことはわかんない」としながら、「"Daisyworld"という言葉が表すような多様性がいちばん大事だと思う。最近の世の中は人間が多様性を失っていて、いやな感じ。気温の上昇はわかりやすい現象だが、それと比べて見えにくい"人間の温暖化"が気になっている」と語った。
『more trees』は今後、自然林再生やCO2削減を目指し、植樹や関連団体への寄付などの活動を展開していくという。


卯月の風流 2007/04/26

落語家・立川志の輔と、僧侶にして芥川賞作家である玄侑宗久の対談本『21世紀のあくび指南』の出版記念イベント『卯月の風流 〜落語と禅と音楽と〜』が、4月26日夜、紀尾井町/紀尾井小ホールで催され、玄侑の講話『うかつあやまり』と志の輔の落語『茶の湯』をつなぐ仲入り前の音楽ゲストとして、細野晴臣と環太平洋モンゴロイド・ユニットが出演した。
玄侑に「きょうはどういう音楽を演るのか」と問われ「お経のような音楽」と答えたという細野(perc, g, vo)をはじめ、この日のメンバーは雲龍(笛)、浜口茂外也(perc)、三上敏視(perc, didgeridoo, ukulele)、鳥居誠(gamelan, 笛)、皆川厚一(gamelan, 笛)、高遠彩子(perc, vo)、木津茂理(perc, vo)。各人が繰り出すパーカッシブな響きが徐々に複雑なグルーヴを形成していく様を、満場の聴衆は息を呑んで見守った。
演奏曲は下記の通り。

01. (即興演奏/feat. 雲龍)
02. (即興演奏)
03. 隠岐の田植唄(feat. 木津茂理)
04. Birthday Song ※g, vo:細野晴臣


as HAS 2007/04/18

Human Audio Spongeが、アニメーション映画のコンピレーションのために楽曲を制作している模様。高橋幸宏が雑誌『MAC POWER』5月号掲載のインタビューで語ったもので、作品名等の詳細はわかっていない。


Live!! 対談の本 2007/04/08

4月8日夕刻、神宮前/青山ブックセンター本店にて、細野晴臣の書籍『対談の本 ロックンロールから枝豆まで』の刊行記念トークショーが行われた。
山本淑子を進行役に、テイ・トウワを迎えた第一部は、テイがゲスト出演した3月5日未明放送のInter FM『Daisy Holiday !』の延長戦といった趣きに。1993年に細野が再生YMOのレコーディングで滞在していたニューヨークでの初対面、その後のアンビエント期に伸ばした髪を細野が切るに至った経緯、'90年代後半にポップス回帰に向かった当時の細野の心境、環境問題をめぐる様々なトピックなど、「細野さんは僕のマスター」と言うテイが師に教えを請うような対話となった。
休憩を挟んだ第二部は、『対談の本』のこぼれ話を交えつつ、山本が細野の近況を中心にインタビュー。高橋幸宏とある映画音楽を制作中で、これにはテイも関わっていること、新しいCM出演のオファーが来ていること、はっぴいえんどからYMOに至る細野の活動に影響を与えた音楽の変遷をまとめた新たな書籍の出版計画(J-Wave『Daisyworld』の1コーナー「サウンド・クロニクル」の書籍化?)など、いずれも具体的な内容は明かされなかったが、興味深い新情報が多く聞かれた。また、4月25日にcommmonsから発売予定の自身のトリビュート・アルバムに話が及ぶと、細野は「これは僕は好きなんです。ぜひ聴いてください」と賛辞を惜しまなかった。
なお、ソロ・アルバムについて細野は、「延ばしてもらっているが、今年の秋には"絶対"出さなくちゃいけない。そのくらいのしばりがないとやらない。楽しみでもあるので、もうちょっと遊びながら作りたい」と発言。「秋っていうとまだ先だと思ってしまう。あっという間に時間が経っちゃうことはわかってるんだけど。ソロというのは夏休みの宿題のように、最後の日に大変な思いをして作るもの。生演奏できる人を集めてレコーディングすれば、最後の一日で12曲くらい録れるかな」と、冗談半分に語った。


3人寄れば 2007/03/23

高橋幸宏が雑誌『marie claire』5月号掲載のインタビューで語ったところによると、5月19日にパシフィコ横浜国立大ホールで行われるHuman Audio Spongeのステージ(『Smile Together Project Special Live 2007』)は、「3人で作る新曲を含め、新旧の作品をおり交ぜる」構成になる模様。また高橋は、「記録して形に残しておく」考えがあることも明かしている。


もうちょっと 2007/03/01

3月1日夜、白金/ブルーポイントでSoulJaのメジャー・デビュー・シングル「Dogg Pound」のリリース・パーティが催され、ミッキー・カーチス、ムッシュかまやつ、佐藤博、吉田美奈子らとともに、細野晴臣が出席した。細野はSoulJaと並んで記者会見にも登場。制作中の自身のソロ・アルバムに話が及ぶと、「もうちょっとですばらしいものができそう」と発言したという。


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