三間美和 銅版画展に寄せて
「夜のにおい ノアール」
日が沈みだした頃、透きとおった空気のなかに、田んぼの水のにおい、草を刈った青々としたにおい、稲が実りはじめた香ばしいにおい、実りの幸福のなかにある冬の近づく不安恐れが、混ざりあいながら夜がやってきます。
一日の終わりにどんなところにいても夜がやってきます。
都会の喧騒でも、森のなか、水のなかでも、一日の出来事と次にくる期待と不安を漂わせながら、黒「ノアール」にとけだして。
学生のころ夜と黒の表現に悩んでいました。いろんな画材を使うも私の思っている黒は表現できないのです。
ただ黒く塗るではだめなのです。黒のなかにはたくさんの表情があります。ゆらぎ、奥行き…透き通るようなベールをまといながらも、近いのか深いのかわからず手を伸ばせば転げ落ちてしまいそうな黒。
そんな時銅版画に出会いました。銅版画からは、夜と水のにおいがしました。それからどんなテーマのものも「夜と水」を思い出しながら少しづつ制作してきました。
今回の展示では、はじめての制作した作品から心境の変化、思い入れのあった作品を中心にしました。ノアール(黒)がつれてきた「夜のにおい」をお楽しみください。
ノアール noir [フランス語で黒・闇]
銅版画作家 三間 美和
メトロギャラリー飯田では三間美和 銅版画展「夜のにおいノアール」を開催しています。表題作「知人」を始め緻密に描かれた版画作品 9点余りを展示しています。銅版画作家三間美和の宵闇に溶け出した世界をご観覧下さい。店内ではポストカードも販売しています。お気軽にお越し下さい。
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あたたかなスープをわける
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