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◆ 読書日記 2004年12月    徒然なるままの読書の独断に満ちたメモ的感想録。

◆ 『キノの旅3 ――the Beautiful World――』『キノの旅4 ――the Beautiful World――』 時雨沢恵一 電撃文庫(2001.01)(2001.07)
 こうもネタが尽きないのは凄いなと思う。マンネリになっているようで、完全にマンネリにはなっていないというか、読んで飽きないし。 4巻のあとがきが面白い。
(2004.12.29)

◆ 『帝国の娘 前編 流血女神伝』『帝国の娘 後編 流血女神伝』 須賀しのぶ 集英社コバルト文庫(1999.07)(1999.09)
 シリーズ1巻めと2巻目の前後編。普通の平民の家庭に育ちながら、攫われて皇子の身代わりとなったカリエの激動の物語。 あまりコバルトらしくないような気がする。登場人物の運命が、かなり容赦がないし。激動型ストーリーで、物語の先も気になるし、 熱中して読めるのだけれど、私の好みとはちょっと違うかも。
(2004.12.28)

◆ 『風の王国』 毛利志生子 集英社コバルト文庫(2004.06)
 シリーズ1作目。唐の皇帝の養女になって吐蕃国(現在のチベット)に嫁ついだ文成公主の史実に基づく物語。 説明が多いのか、文章が固いのか、微妙な読みにくさがあるし、こうなるなと思ったとおりになるどこかで読んだことのある展開なのですが、 でも面白かったです。こういう、出会って徐々に親しくなって惹かれあっていく話っていいよね、と。
(2004.12.26)

◆ 『星々の舟 VOYAGE THROUGH STARS』 村山由佳 文藝春秋(2003.03)
 直木賞受賞作。禁断の恋に落ちた兄妹のその後と、その家族の心のうちを描いた連作短編集。ある意味、戦後の日本を描いた力作。
 どうにもならないことが多くてやるせないが、それでも生きていかなければいけないことを伝えてくれて、後味は悪くない。 恋愛小説を期待して読むと物足りなさも残るのだけれど。
(2004.12.21)

◆ 『背中合わせのくちづけ2』 真瀬もと ディアプラス文庫(2004.12)
 ボーイズラブ。1巻目のアロンとショーンに代わって、特別捜査官のウィリアムと新父のオーブリーが主人公。かなり、シリアス。 こう来るかという感じです……。ボーイズラブだし、ひとには積極的には薦められませんが。書き下ろしの短編(とはいっても、結構、長め)は、 打ってかわって、ほのぼのとした感じ。
(2004.12.19)

◆ 『鏡のお城のミミ 〜カンタン王国の大冒険〜』 倉世春 集英社コバルト文庫(2003.05)
 シリーズ1作目。元気系の女の子が主人公のほのぼの系ファンタジー。 国王の隠し子であり、お城の騎士にさらわれていった弟のフィディルを追いかけて、お城に潜り込んだ王子の姉のミミが主人公。 あとがきにあるとおり、深く考えないで楽しめる話。こういう軽く読めるほのぼの系は結構好きです。
(2004.12.18)

◆ 『よろづ春夏冬中 yorozu akinaichu』 長野まゆみ 文藝春秋(2004.10)
 14作収録の短編集。わりとセクシュアルな感じなものが多い。ひとつひとつの起承転結がはっきりしているので、短編集にしては読みごたえあり。
(2004.12.17)

◆ 『魔女と暮らせば 大魔法使いクレストマンシー』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 田中薫子・訳 徳間書店(2001.12)
 1978年ガーディアン賞受賞作。『魔女集会通り26番地』というタイトルで出版されていたものの新訳。 魔法使いもののファンタジー。『ハリー・ポッター』の源流もこのあたりにあるのかなと思う。 児童文学だけれども大人の読み手も飽きさせない展開のうまさを感じる。 大人に打ち明けることのできない子ども心がいじらしい。
(2004.12.12)

◆ 『銀朱の花』 金蓮花 集英社コバルト文庫(2004.01)
 『砂漠の花』の約500年後の話。『砂漠の花』の方は結構好きだったのだけれど、これは私にはあわなかったらしく、ちょっといらいらしてしまった。 主人公どうも他力本願に感じられるのと、そもそも彼がもう少し主人公に説明していればもっとあっさり うまくいったでしょ、と突っ込みたくなってしまう。
(2004.12.05)

◆ 『塩の街 wish on y precious』 有川浩 電撃文庫(2004.02)
 第10回電撃ゲーム小説大賞受賞作。塩が世界を埋め尽くす塩害の時代、崩壊寸前の近未来の東京が舞台。 なんというか、著者の趣味を思う存分発揮して書かれているなあという感じがする。 なので、著者と趣味があう人の方が楽しめるのではと思う。軍隊系が好きな人なら楽しめるのでは? 塩の街という発想は面白いのだけれど、個人的にはほとんど現代と思われる東京が舞台よりファンタジー的世界か、 せめて外国が舞台の方が嵌まれた気がする。
(2004.12.05)

◆ 『クラウディア』 中村幌 集英社コバルト文庫(2004.11)
 2004年度ロマン大賞入選作。第2次世界大戦後の東ヨーロッパの架空の国が主な舞台。 謎めいていて、雰囲気があって楽しめました。でも、なんというか、ラストに盛り上がりがないからか、繰り返し読み返したいという気分にならないのが 残念なところ。どこかにもうひと盛り上がりあれば、読み返したい本になったんだろうけれど、と思うと惜しい気がします。 架空の国でなくて、実在の国を舞台とした方がもっと現実感があってよかったかもという気も。イラストも雰囲気があっていい。
(2004.12.04)

◆ 『アダルシャンの花嫁』 雨川恵 角川ビーンズ文庫(2004.12)
 第2回ビーンズ小説賞読者賞受賞作。10歳の皇女と結婚することになった20歳の王弟の年の差、政略結婚もの。 シリアスだけれど、結構ほのぼの。王道的少女小説ファンタジー。異母兄弟の微妙な関係とか、主従関係なんかも楽しめます。 かなり私の好みに嵌まりました。まあ、なんとなく構成的というか展開的にすっきりしないところもあるのだけれど、 文章も読みやすいし、デビュー作だしということで大目に見て、ビーンズの雑誌によると3月に出るらしい続編を楽しみにしています。 好みに嵌まる新人作家さんの出現はとても嬉しい。
(2004.12.04)