ギフチョウ観察

                              羽化した直後のギフチョウ             

                            このページは開設者が早春より、ギフチョウの生態観察を行いその観察記録をもとに作成しました。

                                        コシノカンアオイ
                          私がフイルドにしている所で、コシノカンアオイを見つけた事から もしかして
                        ギフチョウを観察できるかも知れないと思い、まずカンアオイの群落と生育状態を調査した。
                        この森は、杉の植林地で明治43年、杉、桧、1万本と記録にある。
                        杉は相当数あるが、桧は数本しか残っていない、標高は250から300メートルで30度から
                        40度の傾斜地である、杉の枯れ葉はおもに初雪時に相当な量落ちる、それに油性の葉で
                        腐食速度と分解が遅い、この様な腐葉土が厚く体積し、コシノカンアオイの根は地中深く入り
                        こんでいる。落葉の隙間を縫う様に、葉柄は長く曲がり、光をもとめ伸びてきた様が伺える、
                        林中は人手は入らずヒメアオキ、雪椿、紫式部等の低木が繁茂している。生育範囲は中心部
                        に少なく、森の縁部分に多くみられ、この縁部には回りから、ブナ、コナラ、ミズナラ、ハンノキ
                        マルバマンサク、そしてホウノキも進入している。

                                 タチツボスミレに吸蜜
                             5月3日待望の春の女神。今期は雪も多かったので遅れて出現
                            すみれの花に吸蜜、ここではすみれの他にカタクリ、ショウジョバカマ
                            山桜に吸蜜するようです、

                                 地面に降り一休み
                            林中を飛び回り、疲れたのか時折地面に降り、水分を補給し、休んだり、
                          杉の葉に止まったりする。特に林中を透かして見ると杉の倒木で空間ができ
                          日だまりを好んで飛び回るようだ。

                                 コシノカンアオイにギフチョウの卵
                           5月9日はれ、夏日のように暑い11時−12時まだ産み付けられたばかりの卵
                          コシノカンアオイの幼葉に薄いグリーン色真珠の玉の様な光沢がある。

                               卵期は産卵から孵化までおおよそ20日間くらいです。

                                 食草の葉裏に複数のメスが産卵
                            一枚の葉に三ヶ所産卵、他の雌が別々に産卵に来たのでしょう。産卵は前足の
                          感覚気管で幼葉を探し、さわり確かめ、確実に葉を選ぶ、間違えた葉に産卵すれば
                          子供は生きられない。この様に多くの葉にたくさん卵を産み付ける事で天敵に襲わ
                          れても、数で一頭でも生きのびて子孫を残し、次世代につなげて行くのです。

                                 孵化のはじまり
                                         
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                                5月11日
                             ここでは1回の産卵は8−10ヶくらいですが、まれに多くの産卵をするようです。
                           これは孵化の始まりです、25個の卵で13個孵化しています。

                                 二齢幼虫
                                5月20日
                         2齢幼虫 最初の菜食は葉の表面を削り取る様に食べます、下の変色している
                        ところが食べたあとです。3齢ころから葉の縁から食べ残しのない様に綺麗にたべる。

                                  脱皮前の休眠
                                6月9日はれ10、30−11、30
                      この幼虫は2齢幼虫の末期左上に卵の抜け殻と、右の黒い点は1齢の抜け殻も見えています。

                                  卵〜脱皮の抜け殻〜三齢幼虫
                             3齢幼虫、左下に2齢幼虫の抜け殻、左上卵の抜け殻が付着しています。
                         3齢までは葉裏に集団で生活し摂食活動も集団で行う、天敵に襲われたり大雨、風で分散
                         する事もあり固体数もだんだん少なくなる。最初の食草を食い尽くし次の食草に移動する、
                         この移動時に集団から分散していくようです。4齢、終齢に入ると希に2頭いっしょにいる
                         事もあるが、ほとんど単独で摂食している。

                                  休眠中
                             6月17日くもり9:30−10:30食欲が良くすぐ太る。これも予定の行動です。
                            だいたい7日ー10日くらいで休みに入る。この休みが脱皮です。
                            約1日動かず休眠します。脱皮が近くなると頭の後ろが、こんもりふくらみ,次の齢の
                            頭が作られているのが見えます。

                                 終齢幼虫
                              6月23日はれ、8:30−9:304齢、回りに食草がなくなってきた。
                             来週はどうなっているだろうか、心配です。終齢が近くなると摂食も単独行動です。

                                 食草を食い尽し茎だけが残った
                         7月1日はれ9:00−10:00食欲おおせいな幼虫たちは葉を食べまくりなくなってしまった。
                        新たな食草を求めて移動していなくなった。食べるものがなくなると葉柄までかじり一部の
                        茎が残されています。

                                  パリパリ音をたておいしそうに食べている
                         おいしそうに、もりもり食べまくる幼虫。食べている時はパリパリと音が聞こえます。

                                  蛹になる前の最後の食事
                        幼虫はかならず葉の裏側から食べます外敵に見つけられない様に、裏から食べるのです。
                       そして雨風をしのいだり、飛ばされないためでもあるのです、こんな小さな虫が,こんな能力を
                       持っている遺伝的能力なのでしょうか。おどろきですね。!

                                  ギフチョウの蛹、枝にしっかり糸で固定
                      7月28日蛹、この小枝は杉の朽ち木の下、雨風を防げる場所の落枝に糸で体を固定していました。
                     蛹は約9ヶ月休眠します。9ヶ月の長い歳月、色々な災害も想定し、安全な場所を選び、来春に必ず
                     羽化出来る所に固定するのです。横右枝に、もう1個同じ様に、逆さまに固定されていました。

                                  ギフチョウの蛹 大きさは?
                         これはわたしが飼育用にコシノカンアオイを移植した、プランターの底サイドに固定。


                      出来るだけ1週間毎に時間も同時刻に観察したが、勤め人の切ない所で、大事な所が抜けたり、
                     うまくいかなかった。このフイルドには大事な食草が少ない。これは近年、雪による倒木、素性の
                     良い木ほど、折れたり、雷に合い、裂けて。林中に、ある空間ができ雑草が入り込み、食草の生息
                     環境を阻害しはじめている。終齢、蛹期と観察できると自信を持っていたのですが、一時期、観察
                     出来なかった事も有り姿を見うしなったり、こんな事もあるのかと感心させられ、生き物達の、した
                     たかさと戦略を見せてもらう事ができた。

                  余談ですが、蛹を探索する事は、大変な時間と忍耐強く観察する事が必要です。簡単には見つけられないです。

                              現在もコシノカンアオイの観察、ギフチョウ調査は継続中です。

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