アレルギー -基礎から多様化する症状まで-

はじめに

このレポートは、2001年8月に行われた「第16回食と健康を考えるシンポジウム」において「真鍋 譲 耳原総合病院小児科部長」の講演を聞き、内容をメモしたもの。誤りがあれば、それは聞き違いなので、ご指摘願いたい。また、このメモに関して問題点などがあればご連絡ください。

内容

アレルギー性疾患の子どももおとなも増えている

約3割に何らかのアレルギーがある

気管支喘息・ジンマシン・アレルギー性鼻炎・結膜炎・アトピー性皮膚炎など

アレルギーを増加させる原因

一言でいってレイチェル・カーソンの「沈黙の春」、有吉佐和子の「複合汚染」そのもの。

主に問題になっているのは一般にアトピーと呼ばれるタイプのアレルギーで、これらは卵白やダニなどに対する特異IgE抗体が関係するI型アレルギーによって引き起こされる。

IgEがわかって30年

原因の1つは遺伝。

しかし遺伝がなくても症状が出る。遺伝だけでなくIgEを作る能力が環境の影響を受ける。

アデュバント効果

日光(栃木)でのスギ花粉の調査

道路沿いの人に多い → ディーゼルの排ガスがアレルギーを促進している。

小麦アレルギーの増加

輸入が増加した → ポストハーベスト農薬が小麦アレルギーを促進している。

原因の除去

食物

皮膚科と小児科とは見解が違っていたが、血液検査が出始めて“食物に原因”がはっきりした。

除去食のポイント

厳密にはじめて徐々に緩めていく。

症状が出ないレベルで十分。

仮性アレルギーに注意(セロトニン、チラニン、ヒスタミンを吹くんだ食物。チーズ、イワシ、ソーセージなど)。

食品添加物や残留農薬に注意(腸を傷つけ、消化吸収を妨げ、アレルゲンを入らせてしまう)。

母乳では母親も除去が必要。

栄養のバランスに留意。

ダニ

ペットは飼わない。ダニ(布団の中に10万〜100万匹いる)を少なく。

イーストコネクション(かび)

カンジダ陽性。パン、キノコ注意。

黄色ブドウ状球菌感染を伴うトビヒに注意。

湿疹から、鼻炎・喘息・結膜炎などになっていく・・・アレルギーマーチ。

除去期間の目安

  1. 2歳まで・・・消化酵素が2歳まで少ない。
  2. 抗原の低いものから緩めていく・・・量と熱の加わり方が問題。

治療

抗アレルギー剤、効ヒスタミン剤、外用薬、スキンケア。湿疹中心の重症者でもよくなっていく。

検査がすべてではない。

検査がよくなくても症状が出ない子もいるし、逆に症状があるが検査では出ないこともある。(1歳くらいまでは検査と症状に相関性あり)

アレルギー増加の原因と対応

原因は、

が考えられる。

対策は、

おとなのアレルギー

花粉症+皮膚が悪くなる → ジンマシンが増える(ストレスが影響)。

花粉症+果物+ゴム手袋 → のどがはれる(外国で多い)。

感想等

生徒たちにもアレルギーは多い。現代病ともいえるアレルギーの最新情報は、たいへん勉強になった。生活全体が危険な環境にあることを再確認した。

 


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