「情報A」 教科書の感想(メモ)その2

感想

 

 

全ページカラー印刷。本文約150ページ。巻末に用語解説があり、略語等には正式な名称の綴りもある。正確だが簡略化されていて、用語の意味を知らない者が読んでも理解できにくい表現が多く、難しい。

 

この教科書も、文部省告示高等学校学習指導要領(平成11年3月)p142とほぼ同じ構成で編集されている(タイトル等の表現は異なる)。

 


第1章は問題解決と情報伝達を扱う。

問題解決は手順の理論的解説から始まる。理論(要点)の説明のあとに具体例に入るところは高校の教科書らしいといえる。手順はよくまとまっているので、授業で板書しようとすると、丸写しになってしまいそうだ。その後、非常に現実的(具体的)に旅行計画を立てさせながら、理論(問題解決の手順)を理解させる。ここも読んでいくだけで理解できる。実習する程のことはない。しかし、挿絵や説明図は小さいものが多いのが気になる。

問題解決(情報の整理・分析)のために表計算ソフトを使っている。後のページの実習を見据えてのようだが、行を増やすこと、IF関数を使うことを丸々1ページ使って説明してあるが、ここで大きく取り上げる内容ではないと思える。表計算ソフトが有用なことは理解させておくべきだが、予算を超過したかどうかは誰でも即座にわかるのに、わざわざ○や×を表示させる計算式をセルに埋め込むというのはお宅っぽく感じた。補足すると、授業でこのような単純なことに○×を使うのは、IF関数自体の勉強のためか、表計算ソフトの実習中にソフトに対して興味を持たせるためか、あるいはパソコンに詳しい生徒が余った時間に式を埋め込むという場面が思い浮かんだ。問題解決の手順を説明している途中に、1ページ割いて、表計算ソフトのこのような操作を説明するのは、全体の流れをさえぎるようで残念だ。どうしても触れたいなら、表計算ソフトに興味を向けるためのコラムにすべきだろう。

読むだけで理解できる形で旅行案の作成が進んでいき、最終的に2つの旅行案から1つを選ぶところでは、私自身、どちらの案がいいだろうかと興味を抱くことができた。しかし、私は教科書の情報だけでは案の良し悪しが判断できなく、教科書が述べる選択理由をうまく呑み込めず、無念さを抱くことになってしまった。生徒も同じ印象を持ちそうだ。それぞれの案の中身も興味を抱いて読めるように、太線か目立つ色で道順を書き込んだ2種類の地図が載せてあれば、この例がより生き生きと見えるだろうと思うと残念である。

旅行例のまとめとして、話し合いをするように編集されている。その内容は、コンピュータやインターネットを使う場合と使わない場合を比較するものだ。使えることが必要だという結論に持っていき、コンピュータの実習に進んでいく。しかし、この単元で修得するべき内容は、手順を踏み、工夫を加えながら問題解決をする姿勢を養うことではなかったか。教科書の流れを私の頭が遮っているのかも知れないが、私には、私の頭の中に描いていた指導の流れが、教科書の進み方により寸断されたような印象を持ってしまった(これは、私がこの教科書を使うとすれば、合うか合わないかという問題である)。

また、この節の最後の演習問題が、表計算ソフトで行を広げたり文字や金額を打ち直すというものであり、前出の○×判定もその演習課題を狙っているのだが、私は上述した話し合いの演習と同じ印象をもった。すなわち、表計算ソフトを使えるようになることが目的のように感じてしまい、私の目指すものと違和感がある。表計算ソフトを使うことは手段であるという押さえが欲しかった。

 

私は、旅行例の次にくる内容として、問題解決の理論や手順を使う実習を期待した。問題を解決する体験をし、その後は互いに評価することが大事なはずだ。しかし、予想は外れ、コンピュータリテラシーに進む。すなわち、表計算ソフトの使い方の実習になるのである。生徒が表計算ソフトを使えれば、情報の整理・分析能力が高まる。それならば、きっとそのあとに実習課題を与えるのだろうと、私は勝手に納得したのだが、結果はそうではなかった。この単元は終わり、次の節に進んでしまった。

結局、この節の焦点は何だったのか。「問題解決にコンピュータを使う方が便利な場合が多く、今回は表計算ソフトが役に立つから、まとめとして表計算ソフトの操作を修得しよう」という単元だったように感じてしまう。あるいは、表計算ソフトの実習を入れることを前提として作られたからこうなってしまったのか。それとも、問題解決は旅行例を読むだけで十分であるという編集方針か。表計算ソフトの使用方法解説後に、是非、いくつか問題解決の実習例を。実習させ相互に評価させることで、問題解決の手法や、手段としての表計算ソフトの有難みを指導したい。

 

ところで、節末の情報リテラシーというコーナーでは、表計算ソフトの使える操作、大事な操作をきっちりと押さえ、簡潔に説明されており、リファレンスとして役に立つ。

しかし、生徒が様々な実習中に表計算ソフトを使う必要が生じ、この部分を参照することを想定すると、あらかじめ似たような実習をしておく方がよいのだが、この教科書のままでは、次のような点から実習には不向きである。セルA1から順に「北海道、関西、九州…」の言葉が入力された挿絵で説明が始まり、次の説明ではセルA1から順に「16,17,18…」と入力された挿絵、次にまた「北海道」、次は北海道の上に「場所」、次は「スポット名、種別、場所…」、次は表なしで関数入力のみの説明、最後に「チーム、10代、20代…」。教科書どおりに進もうとすれば、いちいちセルA1からの内容を書き換えた上で実習させなければならない。複数のワークシートを用いてあらかじめ必要な項目を入力したファイルを準備しておく等の方法もあるだろうが、実習では、1つ2つの表を少しずつ作っていき、最後にグラフが入った文書らしい形に仕上げる方が、達成感が得られる。そのような実習に向いた挿絵(パソコンの画面コピー)の構成になっていれば、リファレンスとしてだけでなく、授業(リテラシーの実習)にそのまま使えるだけに残念だ。挿絵を操作の流れに沿ったものに変更するだけで、作りあげていくという実習がやりやすくなりそうだ。

なお、教科書の最初のソフトとして表計算はやや重くないだろうか。中学校でのコンピュータリテラシーの修得状況が気になるところだ。

 

次の情報の伝達も伝達方法の一般論から始まる。ところが教科書では、伝達の工夫として、フォントやスタイルといった、工夫というよりも見栄えの話を大きく取り上げてしまう。確かに情報のスムーズな伝達には、このような表現の工夫も大事であり、欠かせないことがらである。

しかしながら、生徒に投げかけるもっとも大事なことは、より適した伝達方法を工夫させることではないだろうか。私は、様々な伝達手段を理解させ、長所や短所をまとめさせる必要があると思う。ここでも私が生徒に修得させたい主眼と教科書の印象が食い違ってしまった。

教科書の「コンピュータを活用した情報伝達の工夫」の解説に従ってできあがった提案書は、ワープロに表計算の表やグラフを貼り付けた、かなり手の込んだもの。ワープロと表計算ソフトを統合的に処理することが単元の目標のように見えてしまった(これは私だけのことかもしれないが)。

次にプレゼンテーションに移るが、「コンピュータを活用した情報伝達の工夫」という単元の中での説明なので、プレゼンテーションソフトで使える諸々の効果の解説やソフトウェアの操作が中心である。スライド等の挿絵は表示がかなり小さくて見づらい。全体的に教科書の記述や情報量が、実習させるべきかどうかを決めにくいものであり、見通しがよくないという印象をもった。

「Webページを利用するときの工夫」という項があった。この部分だけが情報を受ける側として記述されており、ページ数等の関係で発信するときの工夫とはできなかったのだろうと憶測するが、やや違和感がある。

 

第1章の章末演習問題が1問のみあった。ワープロと表計算ソフトを統合して文書を作成させるものであり、前半の内容の復習となる。

最後に、プレゼンテーションソフトに関する情報リテラシーのコーナーとなる。後半の内容を補足するものと位置づけることができよう。印象は表計算ソフトに関する情報リテラシーのコーナーと同様であった。

 

この教科書は、情報リテラシーのコーナーだけでなく、本文の中でプレゼンテーションソフトの操作やスライド作成時の諸問題に多くのページをあてている。やはりこの教科書の使用方法は、理論的な部分をさらりと流してから、じっくりとコンピュータを使った実習をさせることになろう(情報伝達の手段の説明や状況に応じた伝達の工夫に関する記述はわずか2ページほどで、コンピュータの操作に関する内容が18ページほどであった)。コンピュータの操作に関することがらについては、細かすぎるほどの注意事項が記述されている。この節では、プレゼンテーションソフトの修得が1つの柱となっている。

 

問題解決の節では表計算ソフト、情報伝達の節ではプレゼンテーションソフトという具合に、いわゆるコンピュータリテラシーが前面に出すぎているように、私には感じられる。あるいは他の記述を圧倒しているようでもあり、問題解決の理論(手順)に添った実践(実習)や、状況に応じた情報伝達の手段の選択や工夫という部分が見えにくい。

 


第2章はネットワークの活用について。

情報の検索と収集の節では、図書館の蔵書検索、電子辞書をさらりと説明した後、Webページの閲覧を体験させ、検索エンジンの違いを意識させながら、その活用について十分に実習させている。違和感はない。実習しながら教科書を進めやすい。検索方法はかなり詳しい。検索後のWebページの保存についても触れられており、実用的である。保存したページの著作権についても抜かりのない説明があり、好感が持てる。これは欠かせないことであろう。

一通りの実習を終えてから、検索の工夫ということで、AND検索、OR検索、NOT検索を取り上げているのもわかりやすい。論理演算子の組み合わせにまで言及しているが、一通り実習した後であるため、難しめの内容でも扱いに苦労せずに済みそうだ。欄外の補足説明も、的を得た内容がタイミングよく書かれており、授業中に助けられる機会が多いだろうと予想できる。

 

情報の受発信と共有の節では、まず受発信として電子メールを取り上げている。先に読んだ「情報Aの教科書その1」が、収集した情報の発信としてWebページの作成を取り上げ、情報を共有する際の問題点へと発展させたのとはまったく違うアプローチである。

最初に感じた点は、電子メールの長所や効果が発揮される場面等の説明がないこと。いきなり注意事項や表示の不具合への対処、拡張子の細々した解説、プロトコル、圧縮や解凍等が次々に説明され圧倒されてしまう。前節が本文と欄外の補足をうまく使い分けていたのとは少し違う印象だ。メールを実用的に使う立場から大事なことを網羅しているのではあるが、ページ数の割りには技術的内容に踏み込みすぎているように感じた。これらを、授業の中で満足に説明するのも難しかろう。使用言語等の違いによるトラブルやファイルサイズの問題と解決法としての圧縮ツール等の話題は、コラムではいけないだろうか。情報Aは1年次に他教科や総合的学習の時間等の基礎としての役割を担わせなければならないと思い込んでいる私には、この段階で拡張子の話や圧縮等を正面から取り上げるのは厳しく思えた。なお、技術的であるが、電子メール受送信の流れの説明からはいり、情報交換に必要な約束事としてコード体系、ファイル形式、プロトコルと進んでいるわけで、レベルは高いがきちっと要所を押さえてあることに間違いはない。この教科書を読んだことにより、私が先に読んだ「情報Aの教科書その1」に対して、メールに関する内容をほとんど切り捨てるのではなく、もう少し言及すべきかも知れないと考えた。

 

「共有に適した情報のあらわし方」については、まず、情報を整理するための階層構造の説明があり、フォルダを用いて演習する。つぎにWebページのインデックスや階層化、情報の再利用を意識したファイル形式が取り上げられる。理論と身近な実習が交互に表れ、わかりやすい。

しかし私には、情報伝達の章で、伝達方法の種類を把握し、伝える相手(対象)に応じてどんな表現方法を選択すると情報を伝えやすいかを整理して学習していないことが気になったままであり、そのためにせっかくの内容がうまく機能せず、難しく感じられる。例えば、メーリングリストが効果的であったり、Webページにする方がよかったり、印刷物が効果的であったり、郵便、電話等、それぞれの特徴や短所をまとめる学習を前の章でやっていないことが、私の頭の中では、この章でもまだ尾を引いているのである。

 

「ネットワーク利用の心構え」については、最初に、「情報の信憑性」と「情報の信頼性」という見出しで述べられているが、どうも(私には)紛らわしい。たぶん、情報の「内容を信用」してよいかという問題と、情報の「技術的な信頼性」が確かかどうかという点を分けて論じているのかな、違うかな。見出しに工夫を。情報を丸呑みするなという主張はよく伝わるが、教科書に書かれた「つねに受信した情報の信頼性を確認する必要がある。」という表現について、「つねに」「どのように」確認せよと言っているのか私には理解できなかった。

次の情報の保護では、個人情報を「本人を特定するためのあらゆる情報」と定義しているが、「特定するため」という表現に違和感を持った。どうも教科書が、情報に関する様々な点について、悪いイメージで描きすぎているようだ。第1章から、注意点や禁止事項ばかりを強調して授業しているような感じがしてきた。

≪すでに教科書を1回読み、メモもできていたのだが、細かい点が気になるたびに加筆し、気になる理由を何とか伝えようとするたびに文章が長くなってきた。この調子では、一つ一つの感想をWebページにするのに相当時間がかかりそうだ。先が思いやられる。≫

ついでにもうひとつ気になる表現を。ファイアウォールの設置について「内部にあるネットワークと、外部にあるインターネットの間にファイアウォールを設置し、外部からの不正な侵入を防ぐ。」と本文にあり、欄外の補足で「もとは防火壁という意味がある」の指摘。ファイアウォールの役割はわかるが、物理的なイメージがつかめない。「あなたのパソコン環境は?」といわれた時の「環境」という言葉のイメージが精通した者とそうでない者でぜんぜん違うのと同様で、言葉への配慮を期待したい。単に「ファイアウォールを設置し」とするよりも「ファイアウォールと呼ばれる、外部からの不正侵入を防ぐ機能のソフトウェアを導入したり、そのような機能を内蔵したコンピュータを設置し」のような、より具体的な記述が欲しい。ワクチンの説明では、本文に「ワクチンというソフトウェア」と説明されているのに。

しかし、この単元では、記述の対象がコンピュータやネットワークだけでなく、日常生活の目の前にある情報に関するものも多く取り上げており、好感が持てる。著作権や情報モラルに関する記述は、絵で補足しながら、無駄のない文章が続く。

 


第3章はマルチメディア。

周辺機器に目を向け、スキャナによる画像取り込み、ディジタルカメラによる画像取り込み、サウンドボードを用いた音声の取り込みが実習課題として、ごく簡単な手順とともに示される。よく使う機器を1つ1つ手順とともに取り上げるのはよい編集方針だと思う。続いてMIDIの紹介、動画の紹介が続くのも好印象。その後ソフト面だけでなく物理的な接続にも触れてある。ただ、なぜかUSBとIEEE1394という用語についてルビがない。文字コード等で、専門用語なのにルビがなかったが、それらは太字ではなかった。ここまで太字に関しては、丁寧にルビや参照ページが書かれていたはずだがどうしてだろう。

教科書は、次にソフトウェアの説明に移る。よく使うソフトウェアがわかりやすく紹介されているのだが、挿絵の選択や大きさについては、常に不自然さが感じられる。テキストエディタの入力例の画面は他の挿絵に比べて大きすぎる、ペイントの大きすぎる画面はドロー系ソフトの画面に変えて欲しい、ブラウザの画面はブラウザの特徴が出ていない等、細かく書き始めるときりがない。また、データベースはソフトの機能が説明しきれていないので、有用性が伝わらず、説明不足という印象だった。

統合化の実習はワープロを使い、音声のアイコンをクリックすると音が出る、画像付きの文書を作成させるものであった。教科書の流れから見て、適した課題であると思った。

 

情報のディジタル化の項は、言葉の定義を次々と並べたような印象で、知っているものが読めばそのとおりだが、知らない者にとっては親切とは言えない。例えば、ディジタルは数値で表現することとして、液晶表示の体温計の例などを挙げた後、ディジタル方式では情報を0と1で表すという説明が続く。方式がつくかどうかで使う数字の種類が変わるという印象である。見た目か内部処理かがうまく表現されていないということか。ビットやバイトの説明後の「より多くの情報を表すには、ビット数を増やす」という一言で済ませている部分も、生徒には概念さえつかめないかも知れないから、授業では例が必要であろう。例えば、「ビット数を増やすとか減らすとか、どういうこと?」といいたげな生徒の表情が目に浮かぶ。8ビットで区切ってバイトといい、10進数は2進法を4ビットで区切り16進数として表現する…と説明が続く部分も、せめて例えば16進数が誰にとって都合がいいのか等、その必要性がうまく表現されていなければ、(n進法は数学でも扱わなくなった、もともと生徒が理解しにくいこともあり、)教えにくい。「英数字や記号などは1バイトを用いて文字を表し、感じやひらがなは数が多いので2バイトを用いて文字を表している。」という本文の記述、生徒が受け入れるだろうか。もっとわかりやすい記述や、それを助ける挿絵は比較的簡単に思いつくが、教科書ではテラバイトまで情報の単位の表とか文字コード表が挿絵になっている。内容の絞込みが必要ではないか。本文で解説が消化不良ぎみであるのに、挿絵ではさらにそれ以上のことを授業で説明可能にすることを狙っているようだ。以下、音声、画像、動画のディジタル化と進む。同じ印象が続いた(もはやこれら一つ一つについてメモは必要ないだろう)。授業では補足説明が必要となったり、補足の資料を準備したり、あるいは時間数の関係で省くことになる部分も出そうな気がする。

演習問題は節末に3問。自分の名前を16進数で表すことが、節末に必要だろうか。5×5のマス目を白か黒(1か0)で塗り、描かれる文字を確かめる問題が5問もある。私の感覚とは違う。

 

マルチメディアの実習は、プレゼンテーションとWebページ作成を取り上げている。プレゼンテーションについては、すでに1章で使っており、コンピュータリテラシーとしても取り扱われている。この節の説明の流れや例は非常にわかりやすい。作品の発表や評価にも気を配ってあり、実習させやすい。

Webページ作成は初めての内容であるが、わかりやすく記述されている。教師がどんなソフトを選んだとしても(タグを使おうが避けようが)、教科書どおりに進めることで、理解が促される構成だと思った。実習に使った5つのHTMLファイルについて、すべてのソースをまとめて示してあるのも、わかりやすい配慮だ。

細かいところで気になった記述は、「<HEAD></HEAD>間に入力したタイトル等の文字列は、画面には表示されない。」という表現。同じページに<TITLE></TITLE>間の文字はタイトルとして扱われ、ブラウザに表示されることが書かれており、戸惑いやすい表現だと思う。次も細かいが、教科書で使っているタグについて。見出しに教科書は<H2>と<H4>を使う。見た目の配慮だろうが、論理構造を示すタグなのだから、このような使い方をするなら、欄外で軽く補足があればいいかも(参考: http://www.w3.org/TR/html401/struct/global.html#h-7.5.5)。教科書としては、<H1>だけを使うというのが無難かもしれない。

 


第4章は、情報機器の発達と生活の変化を扱う。

まず、メディアの発達としくみ。ほとんどの内容に写真やイラストがつけられてあり、説明は丁寧で順を追っていてわかりやすく、特に発達の歴史に興味がある生徒には、内容がうまく伝わりやすいと思われる。また、技術の進歩による情報機器の進化やコンピュータの仕組みも、「教科書その1」に比べるとかなり踏み込んだ内容であるにもかかわらず、文書と挿絵で要点がうまく伝わってくる。

次の、情報化が社会や生活に与える影響についても、項目をうまく分け、説明がわかりやすい。情報化の進展による問題点は、犯罪や事故だけでなく、健康や雇用問題も取り上げてある点に好感が持てる。最後のまとめは、情報教育の目標(観点)が直接(そのままの表現で)記述されていて、おもしろかった。これはいいことかもしれない。全体的に表現はやや難しく感じたが。

 


読み終えた印象は次のとおり。

工夫され、内容の豊富なレベルの高い教科書という感じ。規則や注意点をしっかりと踏まえた解説が多い。コンピュータやネットワーク自体に興味を持つ生徒が多い学校に向くような気がする。生徒にてみれば、教科書に沿って実習していくと、習った内容が必ず次に生きるように編集されている。

 

 



≪長くなってしまった。私の「教科情報」への理解が遅れており、私が置いた立場がかなりずれているのかもしれない。そうだとしたら勝手な意見、見当はずれの意見を次々と書いてしまったことになるかも…申し訳ないことだ。他の教科書の感想をまとめながら、私の姿勢が修正されるにつれ、この感想も修正していくことになろう。≫

 

 

 

参考文献

 

某、情報A教科書

文部省告示 高等学校学習指導要領(平成11年3月) 大蔵省印刷局発行

平成13年度新教科「情報」現職教員等講習会テキスト(1) 文部科学省

 

 

 


以上 2002.8.8作成 8.21一部修正  (1行目に戻る)

 

他のページに移る場合は、ブラウザの機能をお使いください。