コンピュータデザインの基礎

目的

コンピュータによるデザインに関する基礎的な知識と技術を習得させ、実際に創造し応用する能力と態度を育てる。

普通教科「情報」:

専門教科「情報」:

内容

デザインの成立要件

合目的性:デザインは、合目的的行為であり、有効なデザインには目的の明確な把握が必要。

アイデア:目的を果たすために工夫し、さらに工夫したことがどのように見られるかを検討することが必要。また、印象付けるための工夫も必要。

造形性:適切に造形を表現、コントロールすることが必要。

造形表現

注目させる

造形によってうまく伝達する(表現する)ための第一歩は、見せたいものを浮かび上がらせること。

図と知覚されやすい事例

関心をもたせる

視線をひきつけた後、関心を持続させ、視線を誘導しつつ長く視線を引きとどめることで、メッセージの伝達が始まる。

記憶に残らせる

メッセージはテキストだけでなく、印象に残るビジュアルと結びついたほうが、記憶に残りやすい。次のような手法がある。

造形による演出

関心、理解、納得は理性だけでなく、感性によっても促される。

指導上の留意点

内容(参考編)

参考編とは、研修を進める上で必要と思われる補充的な内容である。

デザインの成立要件

合目的性

デザインの目的を個々に考えてみると、情報をわかりやすく伝達する、心地よい環境を整備する、道具を使いやすくする、商品に付加価値を与えるなど、様々に異なる答えが浮かぶ。

⇒「デザインには、状況によって様々な目的がある。」

すなわち「デザイン=合目的的行為」(合目的的=一定の目的にかなっている)である。デザインをするにあたって忘れてはならない条件の第一番目は、
「具体的なデザインにおいて、何を達成すべきか、その目的をしっかり把握すること」
である。

アイデア

目指す目的を達成するために効果を発揮する「工夫」「解決策」のこと。

アイデアは、目的の明白な把握はもちろん、想定される利用者・時代性・社会性・技術的背景など現状に対する的確な把握の上に合理的に検討される必要がある。

創造性

造形性とは、いかにうまく物を作るかということ。

うまく⇒仕上げの美しさと造型感覚。

倫理性と社会性

社会の成熟とともに、デザインの倫理性や社会性が問われるようになってきたので、安易に見た目のよさだけにとらわれてデザインするのではいけない。

造形の基礎

造形とは

意識や意志をもってものを「形づくる」こと。

行為が「造形活動」、作られたものが「造形物」である。

造形要素

造形要素:造形を組み立てる素材のことで、形態・色彩・材質感・空間・時間・光等。

造型感覚:造形要素をいかに巧みに取り扱うか。

形態

「形態」とは、空間に1つにまとまった限界のこと。主として視覚と触覚で認識され、次のいくつかの種類の概念に分類できる。

形態の分類

現実的形態(実際に存在し視覚や触覚で直接感じられる形)と理念的形態(幾何学などで取り扱う視覚や触覚では直接感じ得ない形)に分類され、次の表のとおり。

    理念的形態 純粋形態    
形態       有機形態
      自然形態  
    現実的形態   無機形態
        人為(人工)形態

純粋形態(理念的形態):点・線・面・立体を基本形式として、次の表のように定義される。純粋形態は、本来知覚できない理念的形態を視覚化したものなので、すべて大きさをもち何らかの実材料で形成される。そのような状態にある純粋形態を「積極的(ポジティブな)形態」といい、これに対して理念的形態の状態(大きさを持たない点や幅のない線など)のものを「消極的(ネガティブな)形態」という。

系列 立体
動的定義 位置のみあって
大きさはない
点の移動の
軌跡
線の移動の
軌跡
面の移動の
軌跡
静的定義 線の限界または
線の交差
面の限界または
面の交差
立体の限界 物体のしめる
限定された空間

中心・決定・存在等の意味を持つ。数少ないと孤独感や寂しさ、多いと焦燥感等を与えることがある。

線は点よりもはるかに強い心理効果をもっている。直線は、強さ・厳しさ・意思・堅固・明瞭・合理的・科学的・単純などの感じを与えるが、その太さの違いでも感情が異なる。細い線は鋭く神経質であるが、太い線は力強く、鈍重である。

平面は、端的・率直・知的・清潔・明快な感じをもち、不等辺四角形を除いて、最も安定した形である。主なものとして、

立体と空間

色彩

色の分類:人間はおよそ750万色を識別できる。

すべての色は、色あいをもたない無彩色(白・灰・黒等)と色あいをもつ有彩色(赤・青・黄等)に大別される。

色の三属性

すべての色の分類に、色相・明度・彩度の三属性が使われる。

色相環:色相の変化を系統的に示すために、スペクトルの各色に、スペクトルにはない赤紫を加えて、環状に色票を配列したもの。

色立体:色の三属性の関係を立体的に構成したものである。垂直軸に明度段階を配し、これを囲む円周上に色相環を、放射状に彩度段階を配置する。すべての色は、理論的にはこの色立体の内部にすべて位置づけられる。

色彩体系

無数の色彩の情報を体系的に分類、記録したものを「色彩体系」という。色彩を定量的に表す色彩体系を表色系といい、表色系には「顕色系」や「混色系」等がある。

顕色系

三属性を用い、色を数字や記号で表示する方法で、また同時に具体的な色表で、目でも確認できるので、簡単かつ正確に色を指示し伝達できる。マンセル(修正万セル)の表色系・オストワルト表色系・日本色研配色体系。

混色系(CIE表示色系)

分光光度計を用いて分光分布曲線を求め、記号(数値)化していく方法。この表示系により、主観的な色彩の感覚を客観的に三種の成分量で表すことが可能になり、照明・印刷・写真・テレビ・コンピュータモニタ等の色の管理に使用されている。

混色

2つ以上の色を混合して別の色を作ることで、加法混色、減法混色、中間混色等がある。

三原色

原色とは、他の色を混合しても得られない独立した色で、物理的には3色あり、三原色という。「色光の三原色」と「色料の三原色」がある。三原色を全部混合すると無彩色になる。

補色

2つの有彩色を混合したとき、白・灰・黒のような無彩色になる場合、その2色は「互いに補色」であるという。すなわち色光の場合は白色光、色料の場合は灰(黒)になる。相対する2色が補色となるように配置された色相環を「補色色環」という。

継時対比

時間的な差をおいて、2つの色を順次に見るときに生じる色対比をいう。有彩色の場合は補色残像が作用し、前の色の補色をあとの色に加法混色した色が見える。明るさは、前の色とあとの色との明暗の差がいっそう大きくなる。彩度は強まって感じられる。

テクスチュア(材質感)

ものの表面上の特徴を、視覚を通して知覚できる性質をさす。

空間・時間

デザインされるものは、それを見る(使用する)人間の行動様式・習慣・心理(使用感情)・安全性などを考慮して検討しなければならない(作品がどこにおかれ、そのとき背景や照明などはどうか、あるいはどのように使われるかなど、作品が効果的に機能する場や空間について)。

時間軸を考慮すべきメディアも増えている(映像やアニメーションでなくても絵本も時間軸を持つ。1枚の絵ですら、見る人の視線の動きや順序など、時間の経過を意識した造形が望まれる。)

構成手法

質の高いデザイン表現を目指すためには、造形の美的形式に関する基礎的理解が必要。

構成の基本操作(要素を造形として展開するための基本操作)

移動

方向性や一定の統一感が生じる。

回転

回転の結果である円は、極めてまとまった印象を与える。回転させる要素の形態が方向性を持つ(放射状、求心的)。また、回転される要素の方向性が、点対称の中心を通る線に重ならないような場合には、動的な印象が生み出される。

反転

左右対称の形態は、線対称によるバランスのとれた安定感を生み出す。

拡大・縮小

水面に広がる波紋、一定間隔の電柱など、拡大・縮小しながら繰り返される光景は、秩序だった印象、統一感をもたらす。また、拡大・縮小の比率が比例的変化の感覚ももたらす。

ディストーション

縦横の比率を変えて拡大・縮小することで、新たな形態を生み出す。

分割

モチーフとなる形態の分割以外に、空間の分割(紙面レイアウトなど)もある。

基本操作を組み合わせる

以上の基本操作は、組み合わされて使用されることが多い。

構成の秩序と変化

シンメトリーとアシンメトリー

狭義のシンメトリーは「左右対称」の構成、広義のシンメトリーは構成の基本手法「移動」「回転」「反転」「拡大・縮小」により生み出される構成のこと。

左右対称は、バランスがよく見やすい一方、静的で躍動感に欠けることが多い。したがって、権威的で、場合によっては伝統的で古風な印象を与える。

非対称の構成をアシンメトリーという。左右対象をベースにわずかな変化をつけたものも含まれ、バランスのよい安心感と変化による軽快さといった特徴をもつようになる。

バランスと破調

バランスのよい構成は、均斉のとれた感じを与える。視覚的にバランスのよいと感じられる配置の重心は、画面の重心に接近していることが多い。

色については、高明度の色より低明度の色のほうが重そうに見える、躍動感のある暖色系の色のほうが軽やかに見える、彩度の低い鈍い色のほうが重そうに見えるなどがある。色相や彩度の影響よりも明度の影響が大きいであろう。

方向性を持つ形態(三角形等)は、動的な印象をもたらしてバランスに影響を及ぼす。画面の中では主役になる要素と脇役になる要素があり、注目される要素は、実際の大きさや色以上に影響力が大きい。

不安定だが動的な感じを求めて、意図的にバランスを破ることを「破調」という。

類似と対比

類似した要素の一群があれば、異なる部分が全体の中で対比的に浮かび上がってくる。また、変化が無秩序に陥らず効果を生み出すためには、背後に秩序が必要。

漸進的な変化

全身的な変化は美しさを感じさせやすい。形態の連続的変化もそうだが、それ以上に色彩の連続的変化に惹きつけられる。

数理的秩序

調和数列・フィボナッチ数列と黄金比(黄金矩形)・ルート矩形・サイクロイド・三角関数

構成の心理

形態と感情

図と地
錯視

視覚による錯覚のこと。

その他

放射、開放、閉鎖、虚像、推測、立体感、2点透視図(パース)等。

色と感情

色彩は象徴性が高い。

等。

色の見え方
カラーイメージスケール

Warm⇔Cool、Soft⇔Hardのスケールに対してマッピング。

配色の仕方(調和配色)

配色とは、互いに異なる2色以上の色を組み合わせて新しい効果を生み出すこと。 基本は次のとおり。

グラデーション

滑らかな変化を生じさせる効果がある。明度により立体感の表現に効果的。色相により、虹のような華やかな魅力。

セパレーション

対比の効果ではなく色味の効果だけを得たい場合に、2色の間に緩衝帯を設けて調和を図る技法。緩衝帯には、無彩色や金属色がよく用いられる。

レペティション

2色以上を用い、統一感の欠けた配色に、一定の秩序に基づく調和を与えるための方法(例:タイルの配色やチェック柄)。

カラーデザイン

デザインコンセプトに基づいて、色の計画を立てること。

テクスチャーと感情

テクスチャーの効果

2つの効果:機能的な効果と美的効果。

光沢(つや)の例:光沢は清潔感や引き締まった感じ、硬さや冷たさ、滑らかさ等の感じを与える。一方で、軽薄な感じや安っぽさを感じさせることもある。また、光沢のないものは、安心感、落ち着き、重量感等を与える効果がある。

透明感(深み)の例:透明性のよいものは、関心を深め、愛着を感じさせる。色彩に深みを与える。

テクスチャーの表現

テクスチャーの表現は、より具体的なメッセージを送るのに不可欠である。表現技法の例は以下のとおり。

観察と表現

観察においては、概念化された見方を捨て、新鮮な目で対象物のありのままの姿を観察し、描写することが大事。客観的な観察の末、描き出された構造や素材がもつ形態に注目し、さらに簡潔な形態に表現する能力を育成することが大切。

観察の対象(モチーフ)

モチーフ:観察する対象物のこと。

見慣れた自然物・自然現象や、人工物を、よく観察してみると今まで気づかなかった新しい美しさが見出される。

観察の方法

全体的・部分的観察(空間的観察)

初めはモチーフ全体に目を行き届かせ(モチーフとの位置や距離を考慮する点で空間的観察ともいえる)、徐々に部分(細部)の観察へと移動していく。

部分の集合と全体の構えが緊密に融合して、初めて一つのモチーフとして作者の認識が完成したといえる。

動的・静的観察(時間的観察)

動的観察:モチーフ自体が動く場合とモチーフが静止したものであっても見る側の視点を移動させる場合がある。モチーフの動勢によって生じる造形的変化やイメージを見る目的と、視点移動により効果的視覚を求める目的があり、後者は静的観察のための準備段階といえる。

描写

描写は観察の延長。描写の段階で犯しやすい誤りは、自ら新しい形を発見しながら、再び概念的知識に頼って描き改めてしまうこと、表現を急ぐあまり観察から得られた事実を歪曲して妙なでっち上げを描いてしまうこと。いずれも既成作品に似せてしまうことになる。

表現

スケッチに目を凝らして、モチーフの特徴である美しい造形のヒントが描かれていないかよく吟味し、次に発見した造形要素を抽出し、整理・強調することで印象をさらに強めるよう造形的な再構成を試みる。自ら伝達しようとする意思と目的をもって造形にはいっていく。

合目的的なデザインにおいては、目的があり、それが要求する効果がある。その効果を考慮して表現が選ばれ、その過程において的確で効果的な表現技法と表現材料の選択と、これらを自由に使いこなす表現技術が求められることになる。

デザイン活動の実際

デザインエレメント

デザイン製品を構成するエレメントの種類・目的については次のとおり。

文字のデザイン

視覚的記号のデザイン

伝えたい内容を、言葉の代わりに最も簡略化された図形で表現すること。

ロゴタイプ

会社名や商品名などのように継続的に用いられる文字を、一定の特徴あるスタイルにデザインしたもの。

イラストレーション

挿絵や図解のこと。視線をとらえ、ある具体的な内容を伝え、感情を呼び起こす強い訴求力が必要。

キャラクター

テレビや漫画などに登場する人気のある人・動物・シンボルのこと。

写真

ありのままの姿を捉えることができ、その意味では強い訴求力を発揮する。撮影条件によっては表現し得ないものも多い。

映像

プロジェクターによってスクリーンに投影されるものや、ビデオテープに記録されディスプレイに映し出されるもの、レーザーホログラムによって映し出される物など。

エレメントの構成

デザイン製作の実践力を養うには、デザインエレメントや構成手法を活用して総合的効果的にまとめる製作手法等について習得することが必要。

空間における視覚的構成

ポスター等の広告デザイン:視覚的要素(マーク・シンボル・ロゴタイプ・イラストレーション・色彩等)と言語的要素(スローガン・キャッチフレーズ・ヘッドライン・ボディーコピー等)が一つの広告目標について互いに有機的に働き、効果をあげるために構成されることが大切。

時間における視覚的構成

フライングロゴ等のアニメーションやCF等の映像デザインのこと。

操作パネル、操作システムなどのインタフェースデザイン

モノが高度に電子化された結果、モノと人間との接面は目、指、手、そして脳に集約されつつある。インタフェースデザインには、この集約された関係の背景を「知的な適合性」としてとらえ、機器のわかりやすい操作方法やそのための表示画面のビジュアルなデザインが必要である。

視覚伝達を主要素とするその他のデザイン

用具と用法・その他

デザイン開発プロセス

  1. 企画段階:訴求テーマや広告戦略の検討と方針決定・デザインコンセプト立案。
  2. アイデア段階:アイデアの展開・各メディアへの対応・エスキースやカンプの製作。
  3. 提出段階:デザインの決定・フィニッシュワーク。
  4. 出稿段階:デザイン原稿出稿・色彩や文字校正。

デザイン組織

アートディレクター:文章・写真・イラスト・マークといった要素の統一した構成を考える。

デザイナー:アートディレクターのコンセプトを具体的な形に視覚化する。

コピーライター:文章を考案する。

感想等

ソフトウェアの操作について

架空の会社のシンボルマークを作った。シンボルマークのデザインを色鉛筆で書き、次に描画ソフトウェアで仕上げるという作業であった。ソフトウェアに不慣れなことを考慮して単純なデザインにしたのだが、どうしても思うように描けない。何とか形は整えたものの、さらに単純なデザインになっていた。

使用したのはPaint Ship Proというソフトウェアである。このソフトウェアの評判は以前から知っており、事前に体験版を試用してはみたものの要領をつかむことはできないでいた。この私の姿は、情報の授業でコンピュータを使ってシンボルマークをデザインする将来の生徒の姿である。

「情報」全般で、ソフトウェアの操作に深入りすることは避けるという主旨の記述が多い。実際に指導するときには、ソフトウェアの操作に時間をかけてしまい、単元の目的にそった授業の時間が不足してしまうということはあってはならない。

しかしながら、ソフトウェアを使用するには、その分野ごとに基本となる操作だけはしっかりと押えておく(指導しておく)必要があると思う。教科「情報」の授業を行う場合、ソフトウェアの使い方のコツについては、目的ではないから触れないでおくよりも、時間をとってきっちりと教えたほうが、そのあとの実習で、生徒にとって無駄なストレスや不必要な思考(実習内容よりもソフトウェアの操作方法を試行錯誤する時間が多くなること)を抑えることができ、その分野の本来の目的を達成しやすいのではないだろうか。

作品の評価について

重要なことは、伝えたい目的が適切に表現できているかどうかである。それでは、指導者自信が作品を作ってみよう。その観点から考えて自分の作品にどの程度の評価をつけることができるだろうか。自分が作った作品をどう改良すればよいか、その作品が他者にどのような印象を与えているかを、はっきりと指摘できるだろうか。改良点や他者への印象を指摘できるとすれば、その作品はすでに改良されているはず、といえるかもしれない。それならば、自分が作った作品は100点満点なのか。

次に、生徒の作品ならば改良すべき点を適切に指摘できるだろうか。作品によってはYESといえるかもしれない。しかし、自らの作品と同様、評価に悩む作品もあろう。それが非常に多いかもしれない。どうやら理科や数学の評価とはかなり違うものになりそうだ。

私には、自分の作品を十分に評価する力はまだ備わっていない。教科「情報」でコンピュータデザインを扱い、作品を評価して実習点をつけなければならないとき、生徒の作品をどのように評価するかは非常に難しい。教科「情報」を指導するにあたっては、デザインを見る目もまた養っておかなければならないのであろうか。

生徒には作品の目的や評価の観点を十分に指導し、その上で相互評価を取り入れるなどの工夫が必要であろう。相互評価は生徒の目を養うということだけでなく、作品の評価をより適切なものにするという役割も果たすであろう。

実際の指導について

生徒の発想は非常に柔軟であり、ユニークで豊かな表現の作品を作り上げると予想される。作品の製作過程や留意した点を発表させたり、相互評価も取り入れたりと、様々な工夫を加えることができそうだ。

しかし、はっきりと得手不得手が分かれる分野でもある。教材に取り組むやる気を引き出し、それらを重視した指導や評価を忘れてはいけないだろう。

またテキストでは、ユニークな作品や美しい作品や手の込んだ作品を作ったかどうかだけではなく、目的を達しているかどうか、伝えたい内容が正確に伝わっているかどうかという視点が大事であると強調されている。生徒による評価を授業に取り入れるならば、生徒が十分に観点を理解した上で相互評価しなければ、意図した効果を発揮していない作品が高い評価を受け、授業の効果が薄れる可能性もあるだろう。作業に夢中になっていると、つい忘れてしまいがちな「デザイン成立要件」の中の「合目的性」については、特に強調し、注意を促す必要がありそうだ。

参考文献

平成13年度新教科「情報」現職教員等講習会テキスト(2) 文部科学省

高等学校学習指導要領解説 情報編 文部省

 


以上 2001.9.15作成 (最初に戻る)

 

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