海上保安庁特殊部隊SST
海上保安庁特殊部隊SST
小峯 隆生

日本の特殊部隊の一つ、海上保安庁の「SST」の創設から現状までを、内部証言を元にして書かれた書籍です。
関西国際空港の警備を目的に発足した海上警備隊が母体になっている組織だそうですが、その創設期には、
アクション映画や一般書籍を教科書にしたり、風船を使って独自の訓練を行っていたなど、微笑ましいやら
情けないやら・・・そんな暗中模索の内部事情が証言により語られています。しかし米海軍特殊部隊
SEALsに学ぶ事で一転、高い技術を誇る特殊部隊へと変貌を遂げ、1992年、フランスから東海村まで
プルトニウムを輸送する「あかつき丸」への乗船警備を経て、1996年にSSTが発足するまでの過程も
つぶさに記述がなされています。余談ですけど、本書の中に記述のあるSEALsの2通りの突入方法
(司法警察官の場合=目的は犯人の逮捕 軍隊の場合=犯人の射殺)ですが、SEALsは米警察特殊部隊の
SWATに隊員を派遣して訓練を受ける事もあるのだとか。そこからの技術も、SSTにフィードバック
されているのかもしれませんね。閑話休題。興味深かったのは、あかつき丸の護衛としてSEALsを
乗船させた米軍の潜水艦とともに、海上自衛隊や韓国軍の潜水艦も任務にあたっていたのだとか。その他、
不信船や密入国船への突入、東ティモールからの邦人救出など、これまであまり情報が公開されていなかった
SSTについて、その概要を知る事が出来る良著です。
本の散財記
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